コンクリートのヤング係数とは?
コンクリートのヤング係数は、コンクリートの応力―ひずみ関係における、強度の1/3の応力度の点と原点とを結んだ直線の傾斜で表されます。
この直線の傾斜を、セカントモジュラスと呼びます。
コンクリートのヤング係数の推定式
コンクリートのヤング係数はコンクリートの設計基準強度Fcとコンクリートの気乾単位容積重量γから求めることができます。
$$E=3.35×10^4×{(\frac{\gamma}{24})}^2×{(\frac{Fc}{60})}^{1/3}$$
気乾単位容積重量は、コンクリートの気乾状態における比重です。
気乾状態は、大気中におかれた材料が、自然乾燥によって水分を減じ、大気中の湿度と平衡を保つようになる状態のことをいいます。
NewRC式と1991年RC規準式
上記のコンクリートのヤング係数Esは、NewRC式が用いられています。
NewRC式の方が、1991年RC規準式よりも、高強度コンクリート(Fc36超え)のヤング係数を精度良く算定できるため、1999年以降のRC規準ではNewRC式が採用されています。
参考のために、NewRC式と1991年RC規準式を以下に示します。
$$E=3.35×10^4×{k}_1×{k}_2×{(\frac{\gamma}{24})}^2×{(\frac{Fc}{60})}^{1/3}{(NewRC式)}$$
$$E=2.10×10^4×{(\frac{\gamma}{23})}^1.5×\sqrt{\frac{Fc}{20}}{(1991年RC規準式)}$$
なお、1999年以降のRC規準では、k1=k2=1.0としています。
k1、k2は使用骨材、混和材などにより適切に設定しても良いとされています。
k1 | 使用骨材 |
0.95 | 石英片岩、安山岩、玉石、玄武岩、粘板岩 |
1.2 | 石灰岩、か焼ボーキサイト |
1.0 | その他の粗骨材 |
k2 | 混和材 |
0.95 | シリカフューム、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ起源微粉末 |
1.2 | フライアッシュ |
1.0 | なし |
以上、コンクリートのヤング係数についてまとめました。