【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.3)初期欠陥

コンクリート診断士 問題と解説Vol.3

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 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問11_初期欠陥】

 鉄筋コンクリート造建物の外壁コンクリート表面において、脱型時に確認された各種変状に対する(A)~(C)の判断の正誤について、次の(1)~(4)の組合せのうち、最も適当なものはどれか
(A)豆板(ジャンカ)が見られたが、粗骨材をたたくと、連続的にバラバラとはく落することはないので、中性化の進行に影響を及ぼさないと判断した。
(B)縁切れのはっきり認められるコールドジョイントが生じていたが、所定のかぶり(厚さ)が確保されていたので、中性化による鉄筋腐食に対する抵抗性は確保されていると判断した。
(C)表面に砂すじが見られたが、内部コンクリートに材料分離がないことが確認されたので、耐荷力に影響を及ぼさないと判断した。
(A) (B) (C)
(1)
(2)
(3)
(4)
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正解(4)

(A)誤りです。ジャンカ部分の粗骨材に、はく落が生じない場合であっても、空隙からコンクリート内部に二酸化炭素が侵入しやすくなります。二酸化炭素は、中性化の劣化因子となります。
(B)誤りです。かぶりが確保されている場合であっても、コールドジョイント部から、コンクリート内部に空気および水が侵入しやすくなります。空気中の二酸化炭素は中性化を促進します。さらに、中性化部分の鉄筋に酸素と水が供給されると鉄筋腐食が進行します。
(C)問題のとおりです。表面に砂すじが見られる場合であっても、内部のコンクリートの材料分離が生じていなければ、耐荷力に影響は及ぼしません。

【問12_初期欠陥】

 コンクリートの初期欠陥に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)コンクリートの落下高さが高い場合よりも、低い場合の方がジャンカは発生しやすい
(2)鉄骨鉄筋コンクリート造の梁鉄骨フランジの上面よりも、下面の方がジャンカは発生しやすい
(3)打重ね時間間隔にかかわらず、十分な締固めを行えばコールドジョイントは発生しにくい。
(4)ブリーディングが多いコンクリートほど、コールドジョイントは発生しにくい。
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正解(2)

(1)誤りです。コンクリートの落下高さが高いほど、材料分離が生じることで、ジャンカの発生がしやすくなります。土木学会示方書およびJASS5では、コンクリートの自由落下高さは1.5m以内が標準とされています。
(2)問題のとおりです。鉄骨フランジの下面は、空気が抜けにくいため、空気だまりとなりコンクリート内部にジャンカが生じやすくなります。
(3)誤りです。打ち重ね時間が長くなり、打ち重ね前のコンクリートが凝結をすると、バイブレーターを十分にかけても打ち重ね後のコンクリートと一体化することは出来ません。
(4)誤りです。ブリーディングが生じやすいコンクリートほど、打ち重ね面に浮き出る水の量が多くなり、コールドジョイントが発生しやすくなります。

【問13_初期欠陥】

 建築物の壁に生じる初期欠陥は、コンクリートの打込み方法によって大きな影響を受ける。コンクリートの打込み方法には、スラブ上端まで片方から一度に打ち上げる方法(片押し打ち)と、何層かに分けて水平に打ち重ねていく方法(回し打ち)とがある。部材のはらみ、コールドジョイント、沈下ひび割れが生じやすい打込み方法の組合せとして、次のうち、適当なものはどれか
部材のはらみ コールドジョイント 沈下ひび割れ
(1) 回し打ち 片押し打ち 回し打ち
(2) 回し打ち 回し打ち 片押し打ち
(3) 片押し打ち 回し打ち 片押し打ち
(4) 片押し打ち 片押し打ち 回し打ち
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正解(3)

<片押し打ち>

  • 一方の打込高さが高くなり、型枠に大きな圧力がかかる
  • 型枠のはらみが生じやすい
  • ブリーディングが大きくなり、沈みひび割れの原因となる

<水平打ち>

  • 型枠に大きな圧力がかかりにくい
  • 型枠のはらみが生じにくい
  • 打ち重ね時間間隔が大きくなるとコールドジョイントが発生しやすい

【問14_初期欠陥】

 現場打ちコンクリートのボックスカルバートで生じる初期欠陥に関する記述のうち、不適当なものはどれか
(1)天井面(頂版下面)には、砂すじが生じやすい。
(2)側面セパレータ付近には、沈下ひび割れが生じやすい。
(3)側壁の下部には、豆板(ジャンカ)が生じやすい。
(4)側壁下部のハンチ部分には、表面気泡が生じやすい。
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正解(1)

(1)誤りです。砂すじは、鉛直方向の側面に生じやすいですが、下面には生じにくいです。
(2)問題のとおりです。セパレータの下部には、半円状の沈下ひび割れが生じやすいです。
(3)問題のとおりです。側壁の下部は、打設時のコンクリート自由落下高さが高くなることによる材料分離が生じやすくなります。その結果、ジャンカが発生しやすくなります。
(4)問題のとおりです。テーパー上になっている面は、エントラップトエアが抜けにくいため、表面気泡が発生しやすくなります。

【問15_初期欠陥】

 コンクリート構造物の初期欠陥とその原因として考えられる施工条件の組合せとして、次の(1)~(4)のうち、不適当なものはどれか
初期欠陥 施工条件
(A) 柱柱脚部の豆板(ジャンカ) 養生の開始時期が遅かった
(B) 壁のコールドジョイント 打込み時の自由落下高さが高かった
(C) 柱の表面気泡 打込み(仕上げ)の速さが速かった
(D) スラブのプラスティック収縮ひび割れ 打重ね時間間隔が長かった
(A) (B) (C) (D)
(1)
(2)
(3)
(4)
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正解(1)

(A)落下高さが高くなると、比重の大きい骨材が先に落ちるため、材料分離が生じ、ジャンカが発生する原因となります。
(B)打ち重ね時間が長くなり、打ち重ね前のコンクリートが凝結すると、コールドジョイントが発生する原因となります。
(C)柱の表面気泡は、打込み速さが速い場合、エントラップトエアが型枠外に排出されることなく、型枠表面に巻き込まれた空気泡として残ります。
(D)プラスティック収縮ひび割れは、打込み直後に急激に表面が乾燥することで発生します。
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