【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.44)ASR

コンクリート診断士 問題と解説Vol.38

【問216_ASR】

 JIS A 1145(骨材のアルカリシリカ反応性試験法(化学法))およびJIS A 1146(同(モルタルバー法))に基づいて骨材のアルカリシリカ反応性を判定する場合の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)化学法では、反応性骨材のペシマム混合率を求めることはできない。
(2)化学法では、モンモリロナイトを含有する骨材の反応性は判定できない。
(3)モルタルバー法では、反応性を有する微晶質石英を含有する骨材の反応性は判定できない。
(4)モルタルバー法では、反応性を有する火山ガラスを含有する骨材の反応性は判定できない。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。化学法では、ペシマム混合率を求めることはできません。化学法は、コンクリート試料の溶解シリカ量とアルカリ濃度減少量を化学分析によって求める方法です。基本的には、シリカ量が多いと、アルカリ反応性を有する骨材と判定されます。
(2)問題のとおりです。モンモリロナイトは、ベントナイト溶液にも使われる鉱物の一種で、吸水すると膨張する性質を持ちます。この反応は、ASRとは異なるため、化学法ではモンモリロナイトの反応性を判定することはできません。
(3)問題のとおりです。微晶質石英を含む骨材の反応は極めて緩やかであり、モルタルバー法の26週の養生期間では判定できません。
(4)誤りです。火山ガラスを含む骨材は、モルタルバー法の26週の養生期間で判定できます。

【問217_ASR】

 アルカリ骨材反応による劣化の可能性が高い鉄筋コンクリート道路橋脚およびその基礎の環境条件を調査する場合、特に必要のない調査項目は(1)~(4)のうちどれか。
(1)地下水位
(2)日射条件
(3)凍結防止剤の散布
(4)土壌中のシリカ(SiO2)の量
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正解(4)

 アルカリシリカ反応は、アルカリ反応性骨材、アルカリ、水が存在する条件で発生します。
 まず、コンクリート中のアルカリ成分とアルカリ反応性骨材が化学反応することで、骨材の周りにアルカリシリカゲルが生成されます。
 アルカリシリカゲルは、吸水すると膨張する性質を有しているため、その膨張作用により低鉄筋比の部材では、コンクリート表面に亀甲状のひび割れが発生したり、高鉄筋比の部材では主筋方向のひび割れや鉄筋の破断が発生します。
(1)問題のとおりです。アルカリシリカ反応が発生する条件として、水の存在があります。
(2)問題のとおりです。日射条件は、湿度(水)に関係します。
(3)問題のとおりです。凍結防止剤中の塩化カルシウムは、アルカリ量を多くします。
(4)誤りです。アルカリ骨材反応は、骨材中のシリカによるもので、土壌中のシリカによるものではありません。

【問218_ASR】

 アルカリシリカ反応が生じたコンクリートの分析に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)グルコン酸ナトリウムを用いる硬化コンクリートの配合推定方法により、骨材の反応性を判定できる。
(2)電子線マイクロアナライザ―(EPMA)により、アルカリ金属イオンの分布状況を把握できる。
(3)フェノールフタレイン1%溶液を噴霧することにより、アルカリ金属イオンの有無を把握できる。
(4)酢酸ウラニル蛍光法により、アルカリシリカゲルの化学組成分析ができる。
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正解(2)

(1)誤りです。グルコン酸ナトリウムを用いるのは、配合推定です。グルコン酸ナトリウム法は、セメント協会法の欠点である、石灰石骨材や貝殻を含んだ海砂には適用できないことの解消を図った方法です。セメント成分のうち酸化カルシウムに次いで量が多く、変動が少ない、酸可溶性シリカを定量することで分析を行います。
(2)問題のとおりです。EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)は真空中で、電子線を試料に照射し、試料から出てくる信号を検出して、試料表面の拡大像を表示する電子顕微鏡です。コンクリート試料の全面にわたり微量元素の存在状態を連続的にとらえることができます。
(3)誤りです。フェノールフタレインは、pH10程度以上で呈色するもので、アルカリ性であることを判定します。アルカリ金属イオンの有無は把握できません。
(4)誤りです。酢酸ウラニル蛍光法は、アルカリシリカゲルの有無を判定できますが、科学組織分析はできません。
 酢酸ウラニル溶液中のウラニルイオンはアルカリシリカゲル中のアルカリイオンと置換する性質をもっており、そのウラニルイオンが発光します。目視でアルカリシリカゲルの存在を確認することが出来ます。
 ウラニルイオンが発光する現象を”ルミネッセンス”と呼びます。”ルミネッセンス”とは、物質が外部からのエネルギーを受けて励起され、その後受け取ったエネルギーを光(可視光線)として放出する現象です。

【問219_ASR】

 アルカリ骨材反応の疑いのある高架橋から採取したコアの測定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)偏光顕微鏡観察により骨材に含まれる反応性鉱物の種類を調べた。
(2)コアの圧縮強度試験を実施し、圧縮強度とヤング係数の関係からアルカリ骨材反応の影響を調べた。
(3)酢酸ウラニル蛍光法により、コアの骨材周囲に生成した白色物質がアルカリシリカゲルであるかを調べた。
(4)コアを温度40℃の水中に浸せきし、コアの膨張量を測定することでコンクリートの残存膨張性を調べた。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。偏光顕微鏡は光学顕微鏡の一種で、岩石や鉱物の観察に使用されます。顕微鏡に特殊な偏光レンズを配置し、試料に偏光をあて、結晶などの複屈折物質により変化した偏光を観察します。古くから鉱物や岩石の分析に用いられている方法です。
(2)問題のとおりです。アルカリシリカ反応の影響により、コンクリートの力学的特性に変化が生じます。
(3)問題のとおりです。酢酸ウラニル溶液中のウラニルイオンはアルカリシリカゲル中のアルカリイオンと置換する性質をもっており、そのウラニルイオンが発光します。目視でアルカリシリカゲルの存在を確認することが出来ます。
(4)誤りです。コンクリートコアの促進膨張試験は、塩化ナトリウム溶液中で行います。水中に浸せきすると、コンクリートのアルカリ濃度が低下し、ASRの判定ができません。

【問220_ASR】

 安山岩骨材を用いたコンクリート構造物のアルカリシリカ反応の調査・測定方法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)コンクリートコア中から抽出した細孔溶液中の水酸化物イオン(OH)量を測定した。
(2)コンクリート中から取り出した骨材を化学法によって試験した。
(3)コンクリートコアを採取し、超音波伝播速度を測定した。
(4)コンクリートコアを採取し、24時間水中養生した後、残存膨張量を測定した。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。アルカリシリカ反応は、細孔中のアルカリとアルカリ反応性骨材が反応することにより生じます。細孔溶液中の水酸化物イオン量を測定し、アルカリ反応の測定を行います。
(2)問題のとおりです。化学法は、コンクリート試料の溶解シリカ量とアルカリ濃度減少量を化学分析によって求める方法です。基本的には、シリカ量が多いと、アルカリ反応性を有する骨材と判定されます。
(3)問題のとおりです。アルカリ骨材反応の変状調査結果によると、アルカリシリカ反応を起こしたコンクリート構造物の超音波速度は3.5km/s以下になります。通常の硬化コンクリートでは、4.5~5km/sなので、アルカリシリカ反応を起こしたコンクリートは超音波速度が低下するということになります。
(4)誤りです。コンクリートコアの促進膨張試験は、塩化ナトリウム溶液中で行います。水中に浸せきすると、コンクリートのアルカリ濃度が低下し、ASRの判定ができません。
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