【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.67)断面修復、補強

コンクリート診断士 問題と解説Vol.67

【問331_断面修復】

 断面修復工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)軽量エポキシ樹脂モルタルを断面の大きい修復箇所に適用した。
(2)プレパックドコンクリート工法を大断面で逆打ちとなる箇所に適用した。
(3)腐食電池形成による腐食促進を防ぐため、母材に近い物性値を持つ断面修復材を選定した。
(4)中性化に対する補修で、かぶりコンクリートを撤去して鉄筋を防せい処理した後に、断面修復材を充てんした。
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正解(1)

(1)誤りです。断面の大きい箇所の修復は、母材と品質が近いポリマーセメントモルタル等の断面修復材を使用します。
(2)問題のとおりです。プレパックドコンクリートとは、コンクリートを流し込む型枠に前もって粗骨材を入れておき、その隙間にモルタルを流し込んで作るコンクリートです。逆打ち工法や、複雑な断面を修復する際に用います。
(3)問題のとおりです。マクロセル腐食は、塩害等によってpHが低下した既設コンクリート部分と、pHの高い断面修復した箇所に電位差が生じることにより、発生する腐食です。補修箇所の電位は、局所的に卑(-)となりますが、健全部との境では貴(+)のままとなるため、マクロセル腐食と呼ばれる現象が生じます。
(4)問題のとおりです。中性化に対する補修では、かぶりコンクリートを撤去して鉄筋を防せい処理した後に、断面修復材を充てんします。

【問332_断面修復】

 鉄筋コンクリート単純桁下面の断面修復工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)断面修復材との一体性を確保するため、既存のコンクリート表面にチッピングを施した。
(2)鉄筋の腐食を抑制するため、鉄筋表面に防せい材を塗布した。
(3)既存コンクリートとの一体性を高めるため、無収縮性の断面修復材を用いた。
(4)空気だまりができるのを防ぐために、断面修復部の型枠に複数の注入孔を設けて、同時にモルタルを打ち込んだ。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。断面修復材との一体性を確保するため、既存のコンクリート表面にチッピングを施します。
(2)問題のとおりです。鉄筋の腐食を抑制するため、鉄筋表面に防せい材を塗布します。
(3)問題のとおりです。既存コンクリートとの一体性を高めるため、無収縮性の断面修復材を用います。
(4)誤りです。断面修復部の型枠に複数個所から同時にモルタルを打ち込むと、合流部分で空隙ができ、内部欠陥が生じます。注入孔と、エア抜きパイプ等の設置をして、モルタルを充てんします。

【問333_断面修復】

 吹付け工法で断面修復を行うことになった。乾式吹付け工法と湿式吹付け工法の選定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)圧送距離が長いため、乾式吹付け工法を選定した。
(2)20mm厚で平坦な面に仕上げるため、乾式吹付け工法を選定した。
(3)粉じん、はね返りを少なくするため、湿式吹付け工法を選定した。
(4)鉄筋コンクリート用防せい剤を混入するため、湿式吹付け工法を選定した。
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正解(2)

(1)問題のとおりです。湿式吹付け工法はミキサで練り混ぜたモルタルをポンプで圧送し、吹付ける工法です。圧送距離が長いとモルタルが凝結するため、長距離圧送の場合は乾式吹付け工法が適しています。
(2)誤りです。乾式付け工法は、ミキサで材料を練り混ぜ圧送し、先端のノズル付近で水を加え吹付ける工法です。仕上がりは、乾式に比べ、湿式のほうが良い仕上がりとなります。
(3)問題のとおりです。湿式吹付け工法のほうが、粉じんやはね返りが少ないです。
(4)問題のとおりです。混和剤を混入する場合は、あらかじめミキサで水も練り混ぜるため、湿式のほうが適しています。

【問334_断面修復】

 飛来塩分により劣化している道路橋の鉄筋コンクリート床版の下面を、断面修復工法で補修することとした。断面修復工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)はつり取る範囲が広範囲のため、コンクリートに損傷を与えないようにウォータジェットを用いてはつり取った。
(2)はつり取る範囲が狭いため、打撃エネルギーの小さいハンドブレーカを用いてはつり取った。
(3)塩化物イオンが鉄筋位置まで浸透していたため、鉄筋位置が打継ぎ面となるようにコンクリートをはつり取った。
(4)断面修復の規模が広範囲で上向きの施工となるため、吹付け工法により断面修復を行った。
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正解(3)

(1)問題のとおりです。広範囲をはつり取る場合は、ウォータジェットによるはつりが効果的です。
(2)問題のとおりです。はつり取る範囲が狭い場合は、準備や片付けが簡単にできる、小さいハンドブレーカを用いたはつりを採用します。
(3)誤りです。塩化物イオンが鉄筋位置まで浸透していることから、鉄筋の裏側までコンクリートをはつり取り、鉄筋の防せい処理をします。
(4)問題のとおりです。断面修復で上向きで広範囲にわたる場合は、吹付け工法が効果的です。

【問335_補強工法】

 繰り返し荷重が作用する道路橋の鉄筋コンクリート床版の増厚工法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)増厚工法は、ひび割れが貫通し、床版の連続性が損なわれた状態(劣化期)の対策に適用する。
(2)下面増厚工法は、上面増厚工法に比べ疲労に対する補強効果が向上する。
(3)上面増厚工法では、強度の高いコンクリートを使用すると押抜きせん断耐力が向上する。
(4)上面増厚工法では、防水層は既設コンクリート床版上面に設置する。
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正解(3)

(1)誤りです。劣化期では、性能が大幅に低下しており、耐力低下が生じているため、打ち換えなどの対策が必要です。
(2)誤りです。疲労に対する補強効果は、下端鉄筋の曲げに対する有効距離が長くなる上面増厚工法が有効です。
(3)問題のとおりです。上面増厚工法では、強度の高いコンクリートを使用すると押抜きせん断耐力が向上します。
(4)誤りです。防水層は、補強コンクリートの上部に行います。
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