【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.54)たわみ、火害の調査

コンクリート診断士 問題と解説Vol.54

【問266_たわみ】

 建設から20年経過したポストテンション方式のプレストレスとコンクリート橋を調査したところ、この1年間で急激にたわみが大きくなっていることが判明した。この原因として考えられる次の記述のうち、最も適当なものはどれか

(1)コンクリートのクリープと乾燥収縮によるプレストレス量の減少

(2)アルカリシリカ反応によるプレストレス量の減少

(3)PC鋼材のリラクセーションによるプレストレス量の減少

(4)PC鋼材の破断によるプレストレス量の減少

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正解(4)

(1)誤りです。コンクリートのクリープ、乾燥収縮は長期的な影響であるため、プレストレス量の急激な現象の原因とはなりません。

(2)誤りです。アルカリシリカ反応は、1年間では急激に進行しません。

(3)誤りです。PC鋼材のリラクセーションの減少は長期的な影響であるため、プレストレス量の急激な現象の原因とはなりません。

(4)問題のとおりです。PC鋼材が破断するとプレストレス量は急激に減少します。

【問267_構造耐力】

 既存鉄筋コンクリート構造物の構造耐力の評価のために行った、コンクリートおよび鋼材の調査結果に対する判断として、次のうち、不適当なものはどれか

(1)採取したコンクリートコアの圧縮強度試験値が設計基準強度よりも低かったので、コアの圧縮強度試験値を採用した。

(2)反発度法で推定したコンクリートの圧縮強度が設計基準強度よりも高かったので、反発度法で推定した圧縮強度値を採用した。

(3)採取した鋼材の降伏点が建設時のミルシート上の降伏点よりも高かったが、建設時のミルシート上の降伏点を採用した。

(4)コンクリート中の鋼材が採取できなかったので、設計図書に記録された鋼材の降伏点の規格値を採用した。

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正解(2)

(1)問題のとおりです。既存鉄筋コンクリート構造物の構造耐力評価では、採取したコンクリートコアの圧縮強度試験値を用います。

(2)誤りです。反発度法による圧縮強度の推定値は、十分な精度ではないため、設計値よりも高い場合は、安全性を考慮し、設計値を採用します。

(3)問題のとおりです。ミルシートは材料強度の保証値として考えます。また。試験値よりも降伏点を低い値とすることで、安全側に考慮することになります。

(4)問題のとおりです。鋼材は、規格の降伏点以上の強度を有しているため、規格値を採用しても問題ありません。

【問268_火害】

 火災を受けた鉄筋コンクリート造倉庫の劣化評価に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)コンクリート表面全体にすすの付着が見られたので、コンクリートの圧縮強度に大きな低下はないと判断した。

(2)壁面が淡黄色に変色していたので、受熱温度が300~600℃と判断した。

(3)コンクリート表面の受熱温度が500℃以下と推定されたので、内部の鉄筋の引張試験を行う必要はないと判断した。

(4)床スラブの下面のかぶりコンクリートがはく落していたので、構造性能を確認する必要があると判断した。

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正解(2)

(1)問題のとおりです。コンクリート表面のすすの付着は、受熱温度が300℃未満の場合に生じるので、コンクリートの圧縮強度に大きな低下はありません。

(2)誤りです。淡黄色の変色は、受熱温度が950~1200℃です。

(3)問題のとおりです。鉄筋の安全限界温度は500℃です。鉄筋の受熱温度が500℃以下であれば、引張試験の必要はありません。

(4)問題のとおりです。かぶりコンクリートのはく落は、鉄筋露出によって、鉄筋が安全限界温度の500℃を超える温度を受ける可能性が高くなるため、構造性能の確認が必要です。

【問269_火害】

 コンクリート構造物の火害診断に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)示差熱重量分析によって、コンクリートの受熱温度を推定した。

(2)コンクリート表面の変色状況から、コンクリート表面の受熱温度を推定した。

(3)アルミサッシの溶融の状況で、その近傍のコンクリート表面の受熱温度を推定した。

(4)反発度法から、コンクリート表面の受熱温度を推定した。

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正解(4)

(1)問題のとおりです。受熱温度の詳細な推定には、X線回折分析や示差熱分析などの材料分析が行われます。

(2)問題のとおりです。コンクリート表面の変色状況から、コンクリート表面の受熱温度を推定できます。

(3)問題のとおりです。アルミの融点は約660℃です。アルミサッシの溶融状況で、その近傍のコンクリート表面の受熱温度を推定できます。

(4)誤りです。反発度法は、表面部の受熱温度推定には適していません。

【問270_火害】

 火災を受けたコンクリートの受熱温度を推定するための方法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
ただし、コンクリートにはナフタレン系の高性能AE減衰剤が使用されていたことが分かっている。また、分析には受熱部分から採取したコンクリート片を粉砕後、ふるい分けにより得られた微粉を用いた。

(1)微粉を純粋中で煮沸し、ろ過したろ液の紫外(UV)吸収スペクトルを測定してナフタレン系混和剤の有無を調べた。

(2)粉末X線回折(XRD)により、微粉中のCa(OH)2の有無を調べた。

(3)熱重量分析(TG)により、微粉の質量減少を測定した。

(4)傾向X線分析により、微粉のCA/Si比を測定した。

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正解(4)

(1)問題のとおりです。ナフタレン系の高性能減衰剤は、分解温度が500℃程度と高く、受熱温度の推定としてUVスペクトルの測定は適しています。

(2)問題のとおりです。水酸化カルシウムはX線回折により、明確な回折角度を示します。水酸化カルシウムは450℃付近で熱分解されます。水酸化カルシウムの有無により、受熱温度を推定できます。

(3)問題のとおりです。受熱温度の違いによる、自由水や結晶水、水酸化カルシウムなどの分解による重量変化を調査することで、受熱温度の推定ができます。

(4)誤りです。Ca/Si比は熱を受けても変化しません。

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