【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.68)補強工法

コンクリート診断士 問題と解説Vol.68

【問336_補強工法】

 道路橋鉄筋コンクリート床版の上面増厚工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)交通規制の時間的制約に対応するため、超速硬セメントを用いた。
(2)新旧コンクリートの打ち継ぎ部の一体性を確保するため、床版上面の表面処理にハンドブレーカを用いた。
(3)荷重作用によるひび割れ幅を抑制するため、繊維補強コンクリートを用いた。
(4)乾燥収縮によるひび割れの発生を抑制するため、スランプ5cmのコンクリートを用いた。
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正解(2)

(1)問題のとおりです。交通規制などの時間的制約がある場合は、超速硬セメントを用います。超速硬セメントは、強度発現が早いため、規制時間を短縮することができます。
(2)誤りです。ハンドブレーカによる表面処理は、旧コンクリートに振動・衝撃を与えるため、ひび割れ成長などの不具合を起こす可能性があります。
(3)問題のとおりです。繊維補強コンクリートはひび割れ幅の抑制に効果的です。
(4)問題のとおりです。スランプが5cmの硬練りコンクリートは、単位水量が小さく、水分逸散による収縮ひび割れを抑制します。

【問337_補強工法】

 橋脚の各種巻き立て工法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)じん性改善を目的とした鋼板巻き立て工法では、鋼板は、基礎フーチングまで伸ばして定着する。
(2)耐力増大を目的とした鋼板巻き立て工法では、鋼板相互の溶接を十分に行った場合にはグラウトは行わない。
(3)せん断耐力の増大を目的とした連続繊維シート巻き立て工法では、繊維の方向を軸方向と一致させる。
(4)じん性改善を目的とした連続繊維シート巻き立て工法の補強効果は、繊維の量や力学的特性に依存する。
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正解(4)

(1)誤りです。じん性補強は、橋脚躯体のコンクリートの拘束が目的です。鋼板は、橋脚部分のみでよく、基礎フーチングまで伸ばす必要はありません。
(2)誤りです。既存コンクリートと鋼板の一体化により、鋼板巻き立ての効果が発揮されるため、鉄板相互の溶接の有無にかかわらず、空隙部のグラウト充填は必要です。
(3)誤りです。せん断耐力の増大を目的とした、連続繊維シート巻き立て工法では、繊維の方向を軸の直行方向に一致させます。曲げ体力の増大を目的とする場合は、軸方向に一致させます。
(4)問題のとおりです。じん性改善を目的とした連続繊維シート巻き立て工法の補強効果は、繊維の量や力学的特性に依存します。

【問338_補強工法】

 柱の全面巻き立て補強工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)炭素繊維シートによる巻き立て工法には、シート貼り工法と成形板工法とがある。
(2)鋼板の巻き立て補強では、既存部との間をモルタルや樹脂で充てんする必要がある。
(3)各種巻き立て工法は、曲げ剛性およびせん断耐力の向上に有効である。
(4)鉄筋コンクリート巻き立て補強で柱の軸耐力の向上を図るには、梁および床と接する柱の上・下部の10cm程度を残して巻き立てる必要がある。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。炭素繊維シートによる巻き立て工法には、シート貼り工法と成形板工法とがあります。
(2)問題のとおりです。鋼板の巻き立て補強では、既存部との間をモルタルや樹脂で充てんする必要があります。
(3)問題のとおりです。各種巻き立て工法は、曲げ剛性およびせん断耐力の向上に有効です。
(4)誤りです。巻き立て補強で柱の軸耐力の向上を図るには、施工上可能であれば、梁および床と接する部分にはスリットは設けません。

【問339_補強工法】

 建物外壁の仕上げモルタルの一部がはく落したので、はく落部分を補修した後、繊維ネットを用いたはく落防止工法を適用した。その対策に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)ステンレス製の機械式アンカーピンを確実に定着させるために、既存の仕上げモルタルの層厚を調査した。
(2)ステンレス製のねじ式アンカーピンの抜け出しを防止するために、定着部分にエポキシ樹脂を用いた。
(3)新たな仕上げ層となる下塗りモルタルと上塗りモルタルの境界面に、はく落防止用の繊維ネットを貼り付けアンカーピンで固定した。
(4)はく落防止用の繊維ネットの上塗りモルタルの付着強度を高めたので、アンカーピンを省略した。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。アンカーピンを確実に定着させるために、既存の仕上げモルタルの層厚を調査します。
(2)問題のとおりです。鋼板の巻き立て補強では、既存部との間をモルタルや樹脂で充てんする必要があります。
(3)問題のとおりです。新たな仕上げ層となる、下塗りモルタルと上塗りモルタルの境界面には、はく落防止用の繊維ネットを、貼り付けアンカーピンで固定します。
(4)誤りです。仕上げモルタルのはく落防止は、アンカーピンを使用して、機械的に固定することが基本です。

【問340_補強工法】

 接着工法による補強効果に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)鋼橋RC床版の下面に鋼板接着を適用した場合、曲げ補強に対する効果がある。
(2)T桁橋や箱桁橋のウェブ面に鋼板接着を適用した場合、曲げ補強に対する効果がある。
(3)連続繊維シート接着は、コンクリート橋の引張応力作用面に適用することにより、ひび割れ幅の増大を拘束する効果がある。
(4)連続繊維シート接着は、繊維シートの貼付け枚数に比例して耐荷性能を向上させる効果がある。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。鋼橋RC床版の下面に鋼板接着を摘要した場合、曲げ補強に対する効果があります。
(2)問題のとおりです。T桁橋や箱桁橋のウェブ面に鋼板接着を摘要した場合、曲げ補強に対する効果があります。
(3)問題のとおりです。連続繊維シート接着は、コンクリート橋の引張応力作用面に適用することにより、ひび割れ幅の増大を拘束する効果があります。
(4)誤りです。繊維シートの貼付けにより曲げ耐力が増大しますが、せん断耐力は増大しないため、破壊モードが曲げ破壊からせん断破壊に変化します。そのため、繊維シートの貼付け枚数に比例して耐荷性能は向上しません。
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