コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-33
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コンクリート診断士_一問一答_No2-33_基本問題33
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【No.161】
アルカリシリカ反応によると考えられるひび割れが生じた,竣工後12年の設計基準強度が24N/mm2のコンクリート構造物の各部位から複数のコア供試体を採取し,各種試験を行った。次の試験結果のうち,アルカリシリカ反応による変状であることを裏付けるものとして適当なものはどれか。
(1)ひび割れが発生した,竣工後12年の設計基準強度が24N/mm2のコンクリート構造物の調査結果より,アルカリ含有量が,酸化ナトリウム換算で2.4kg/m3であったため,アルカリシリカ反応によるひび割れと判断した。
(2)ひび割れが発生した,竣工後12年の設計基準強度が24N/mm2のコンクリート構造物の調査結果より,ヤング係数が,24.6kN/mm2であったため,アルカリシリカ反応によるひび割れと判断した。
(3)ひび割れが発生した,竣工後12年の設計基準強度が24N/mm2のコンクリート構造物の調査結果より,超音波伝播速度が,4200m/sであったため,アルカリシリカ反応によるひび割れと判断した。
(4)ひび割れが発生した,竣工後12年の設計基準強度が24N/mm2のコンクリート構造物の,化学法に依る粗骨材のアルカリシリカ反応性の調査結果結果より,溶解シリカ量が300mmol/L,アルカリ濃度減少量は50mmol/Lであったため,アルカリシリカ反応によるひび割れと判断した。
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正解は(4)
【解説】
(1)×誤り。アルカリ総量規定には,酸化ナトリウム換算で3.0kg/m3以下とあります。
(2)×誤り。一般に設計基準強度が24N/mm2の場合,コンクリートのヤング係数は,20~30kN/mm2程度です。
(3)×誤り。コンクリートの一般的な弾性波伝達速度は,4000~5000m/sであり,4200m/sは,変状の裏付けとなりません。
(4)○正しい。化学法の判定基準は,溶解シリカ量が10mmol/L以上かつアルカリ濃度減少量が700mmol/L未満で無害でないと判断します。
【No.162】
寒冷地の民家のコンクリートブロック塀において,凍害が見られた。土留めとして用いられている基礎コンクリートのみに当該が生じた原因の推定として,不適当なものはどれか。
(1)凍害を生じた基礎コンクリートについて,基礎コンクリートの表面が登記に常に雪に覆われていたと推定した。
(2)凍害を生じた基礎コンクリートについて,基礎コンクリートの含水率が常に高い状態であったと推定した。
(3)凍害を生じた基礎コンクリートについて,基礎コンクリートに使用された骨材が低品質であったと推定した。
(4)凍害を生じた基礎コンクリートについて,基礎コンクリートの空気量が少なかったと推定した。
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正解は(1)
【解説】
(1)×誤り。コンクリートが常に雪に覆われていると,凍結融解作用の繰り返しが少なく,当該は生じにくいです。
(2)○正しい。コンクリートの含水率が高いと,凍害の要因となります。
(3)○正しい。コンクリートに使用された骨材が低品質だと,凍害の要因となります。
(4)○正しい。コンクリートの空気量が少ないと,凍害の要因となります。
【No.163】
建設後10年経過した下水道施設に用いられているコンクリートの劣化調査結果に対する次の判断のうち,不適当なものはどれか。
(1)建設後10年経過した下水道施設に用いられているコンクリートの劣化調査の結果,水路の喫水線上部の表層劣化部分で多量な二水せっこうの生成が認められたので,微生物の作用により生成された硫酸により劣化が進行していると判断した。
(2)建設後10年経過した下水道施設に用いられているコンクリートの劣化調査の結果,水路の平坦な箇所の基相部ではセメントペーストが溶けて骨材が露出していたので,水路の段差のある箇所の基相部でも劣化が進行していると判断した。
(3)建設後10年経過した下水道施設に用いられているコンクリートの劣化調査の結果,フェノールフタレイン溶液をコア断面に噴霧したところ,コンクリートの表層以外では呈色したので,呈色した部分には硫酸イオンは浸透していないと判断した。
(4)建設後10年経過した下水道施設に用いられているコンクリートの劣化調査の結果,常時水没している部分ではほとんど劣化が見られないので,その部分は今後も急激に劣化が進行しないと判断した。
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正解は(3)
【解説】
(1)○正しい。水路の喫水線上部の表層劣化部分で多量な二水せっこうの生成が認められた場合,微生物の作用により生成された硫酸により劣化が進行していると判断できます。
(2)○正しい。水路の平坦な箇所の基相部ではセメントペーストが溶けて骨材が露出していた場合,水路の段差のある箇所の基相部でも劣化が進行していると判断できます。
(3)×誤り。コンクリートは硫酸イオンで酸化されても,pH10程度以上になるとフェノールフタレインで呈色し,中性化はしていると判断できますが,呈色の有無のみで硫酸イオンの浸透は判断できません。
(4)○正しい。常時水没している部分ではほとんど劣化が見られない場合,その部分は今後も急激に劣化が進行しないと判断できます。
【No.164】
建設後20年が経過したコンクリート製開水路の底版の劣化状況の調査と判断について,不適当なものはどれか。
(1)建設後20年が経過したコンクリート製開水路の底版の劣化状況の目視観察から,劣化原因は砂礫を含む流水によるすり減りの可能性が高いと判断した。
(2)建設後20年が経過したコンクリート製開水路の底版の劣化状況の調査において,流速調査をした結果,3.0m/s以下であることが確認されたので,キャビテーションの影響は小さいと判断した。
(3)建設後20年が経過したコンクリート製開水路の底版の劣化状況の調査において,水路底版の劣化は,コンクリート表面に粗骨材が露出し,粗骨材の抜け出しもあったが,通水性脳は低下していないと判断した。
(4)建設後20年が経過したコンクリート製開水路の底版の劣化状況の調査において,水路が急に屈曲している場合,その表面に拘束の水が流れると,その下流には気泡が混在した流れが形成され,これらの気泡が急激に圧壊される場所でキャビテーションが生じ,コンクリートに劣化が生じたと判断した。
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正解は(3)
【解説】
(1)○正しい。開水路の底版において,粗骨材の破壊や抜け出しなどの劣化が生じているのは,流水によるすり減りが要因と考えられます。
(2)○正しい。キャビテーションが発生するのは,開水路の流速では7.5m/s以上と考えられます。
(3)×誤り。コンクリート表面で粗骨材の露出や抜け出しが生じていれば,粗度係数も大きくなり,通水性能は低下すると判断できます。
(4)○正しい。水路が急に屈曲している場合,その表面に拘束の水が流れると,その下流には気泡が混在した流れが形成され,これらの気泡が急激に圧壊される場所でキャビテーションが生じ,コンクリートに劣化が生じたと考えられます。
【No.165】
火害を受けたコンクリート構造物の受熱温度を推定するための指標として,最も不適当なものはどれか。
(1)被害を受けたコンクリート構造物の受熱温度を推定するため,目視によるコンクリート表面の変色状況を調査した。
(2)被害を受けたコンクリート構造物の受熱温度を推定するため,リバウンドハンマーによるコンクリート表面の反発度を調査した。
(3)被害を受けたコンクリート構造物の受熱温度を推定するため,採取試料での粉末X線回折による結晶型の変化を調査した。
(4)被害を受けたコンクリート構造物の受熱温度を推定するため,採取試料での示差熱重量分析による質量減少を調査した。
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正解は(2)
【解説】
(1)○正しい。目視によるコンクリート表面の変色状況により,受熱温度を推定できます。
(2)×誤り。リバウンドハンマーによるコンクリート表面の反発度の測定では,健全部と比較しての強度は把握できますが,受熱温度の推定はできません。
(3)○正しい。採取試料での粉末X線回折による結晶型の変化により,受熱温度を推定できます。
(4)○正しい。採取試料での示差熱重量分析による質量減少により,受熱温度を推定できます。