【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.85)総合問題13

コンクリート診断士 問題と解説Vol.85

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問406_道路橋調査】

 寒冷地の鋼道路橋RC床版の調査項目に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)防水層の有無を調査するために施工記録の確認を行った。
(2)塩化物イオン量を調査するためにアコースティックエミッションによる測定を行った。
(3)水平ひび割れの有無を調査するために電磁波レーダー法による調査を行った。
(4)たわみを調査するためにレーザードップラーによる測定を行った。
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正解(2)

(1)〇:問題のとおりです。防水層の有無を調査するために施工記録の確認を行います。
(2)×:誤りです。アコースティック・エミッション法はコンクリートの亀裂の発生や進展などに伴って生じる、振動や音などの弾性波を検知することで、新たなひび割れの発生、進展を測定する方法です。塩化物イオンの量は調査できません。塩化物イオン量の調査には、塩化銀沈殿法、モール法、電位差滴定法等を用います。
(3)〇:問題のとおりです。水平ひび割れの有無を調査するために電磁波レーダー法は適しています。
(4)〇:問題のとおりです。たわみの測定はスケールや測量機器、あるいはレーザードップラー法による測定が可能です。レーザードップラー法は対象物の変位の変化によって、レーザー光を照射した部分に現れる光束のパターンが変わる原理を利用しています。

【問407_道路橋調査】

 RC構造物から採取した鉄筋の腐食量に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)鉄筋の採取後、直ちに測定ができなかったため、鉄筋をデシケータ内で乾燥保存した。
(2)温度60℃の10%クエン酸水素二アンモニウム溶液に鉄筋を浸漬し、腐食生成物を除去した。
(3)腐食生成物を除去した鉄筋を水洗いし、直ちに温風乾燥させた。
(4)鉄筋の腐食量調査を行ったところ断面欠損を生じていたが、耐力には影響はないと判断した。
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正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。鉄筋の採取後、直ちに測定ができない場合、鉄筋をデシケータ内で乾燥保存します。
(2)〇:問題のとおりです。温度60℃の10%クエン酸水素二アンモニウム溶液に鉄筋を浸漬し、腐食生成物を除去します。
(3)〇:問題のとおりです。腐食生成物を除去した鉄筋を水洗いし、直ちに温風乾燥させます。
(4)×:誤りです。一般に、鉄筋の断面欠損を生じている場合、耐力が低下します。

【問408_道路橋調査】

 RC橋脚の健全性評価を行うための調査方法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれとどれか
(1)残存するかぶり厚さを計測するため、四電極法を用いた。
(2)コンクリート中の鋼材の腐食速度を推定するために、分極抵抗法を用いた。
(3)中性化深さを測定するため採取したコアの割裂面に、フェノールフタレイン溶液を噴霧した。
(4)アルカリシリカ反応を生じたコンクリートの骨材が含有する反応性鉱物を、走査型電子顕微鏡(SEM)によって同定した。
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正解(1)と(4)

(1)×:誤りです。四電極法は完全非破壊による鉄筋腐食の調査に用います。かぶり厚さの計測には、電磁波レーダー法や弾性波法が適しています。
(2)〇:問題のとおりです。分極抵抗法は鋼材の腐食速度を推定するために最も適した方法です。分極抵抗法において、腐食速度は分極抵抗に反比例します。
(3)〇:問題のとおりです。中性化深さの測定にはコア側面で行うものと割裂面で行うものがありますが、コア側面はコア採取時の影響を受けやすいため、割裂面で行う方が適切です。
(4)×:誤りです。SEMは真空中で細く絞った電子線で資料の表面を走査、スキャニングし、試料から出てくる信号を検出して試料表面の拡大像を表示する電子顕微鏡です。組織表面の形状を捉えることはできますが、組織の同定はできません。

【問409_配合推定】

 硬化コンクリートの、単位セメント量の推定に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)普通ポルトランドセメントと骨材に硬質砂岩を用いたコンクリートに対して、グルコン酸ナトリウム溶液を溶解液とした。
(2)普通ポルトランドセメントと骨材に石灰岩を用いたコンクリートに対して、希塩酸を溶解液とした。
(3)フライアッシュセメントB種と骨材に硬質砂岩を用いたコンクリートに対して、希塩酸を溶解液とした。
(4)フライアッシュセメントB種と骨材に石灰岩を用いたコンクリートに対して、グルコン酸ナトリウム溶液を溶解液とした。
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正解(1)

(1)〇:問題のとおりです。グルコン酸ナトリウム法は水酸化カルシウムやケイ酸カルシウムなど、セメントからの成分のみを溶解させ、硬質砂岩は溶解させないため、単位セメント量の推定は可能です。
(2)×:誤りです。希塩酸を用いた方法(セメント協会法)は石灰石骨材や貝殻を含んだ海砂には適用できないという欠点があります。
(3)×:誤りです。希塩酸を用いる方法は硬質砂岩は溶解しませんが、フライアッシュ量の把握が難しいため、単位セメント量の推定には適しません。
(4)×:誤りです。グルコン酸ナトリウム溶液を用いる方法は硬質砂岩は溶解しませんが、フライアッシュ量の把握が難しいため、単位セメント量の推定には適しません。

【問410_配合推定】

 RC造建築物の外壁の空気量に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)受入検査時には空気量が4.5%以上であったが、竣工後10年経過した際の推定では、2.0%に減少していた。これは、施工時における、出荷から打込み終了までの時間が要因であると推察した。
(2)受入検査時には空気量が4.5%以上であったが、竣工後10年経過した際の推定では、2.0%に減少していた。これは、施工時における、ポンプ圧送距離が要因であると推察した。
(3)受入検査時には空気量が4.5%以上であったが、竣工後10年経過した際の推定では、2.0%に減少していた。これは、施工時における、内部振動機による締固め時間が要因であると推察した。
(4)受入検査時には空気量が4.5%以上であったが、竣工後10年経過した際の推定では、2.0%に減少していた。これは、施工時における、型枠内への打込み速度が要因であると推察した。
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正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。出荷から打込み終了までの時間が長くなると、空気量の低下を招くことがあります。
(2)〇:問題のとおりです。ポンプ圧送距離が長くなると、空気量の低下を招くことがあります。
(3)〇:問題のとおりです。内部振動機による締固め時間が長くなると、空気量の低下を招くことがあります。
(4)×:誤りです。型枠内への打込み速度は、速い場合には、気泡を巻き込むことはありますが、遅い場合に、空気量が減少することはありません。
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