【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.55)火害、ひび割れの調査

コンクリート診断士 問題と解説Vol.55

【問271_火害】

 火害を受けた構造物の調査において、コンクリートの受熱温度の推定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)粉末X線回折は、コンクリート中の結晶構造の変化から水酸化カルシウムの存在を確認して、受熱温度を推定する方法である。

(2)示差熱重量分析は、コンクリート試料を過熱して質量減少・吸発熱変化を測定し、水酸化カルシウムの存在を確認して、受熱温度を推定する方法である。

(3)UVスペクトル法は、コンクリート中の化学混和剤の熱による変化を分光光度計を用いてUV(紫外)スペクトル分析して、受熱温度を推定する方法である。

(4)サーモグラフィー法は、コンクリート表面の温度分布を測定して、受熱温度を推定する方法である。

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正解(4)

(1)問題のとおりです。X線回折法は、物質にX線を照射し、その回折角度から結晶構造を把握するものです。粉末X線回折による火害の推定では、コンクリート中の結晶構造の変化から水酸化カルシウムの存在を確認して、受熱温度を推定します。

(2)問題のとおりです。示差熱分析法は、試料を細かく粉砕した後、試料を入れた炉の温度を1000℃まで上昇させた際の、質量の変化と、熱流量の変化から、物質を定量する方法です。水酸化カルシウムは、450℃付近で熱分解され水蒸気となります。示差熱重量分析による火害の推定では、コンクリート試料を過熱して質量減少・吸発熱変化を測定し、水酸化カルシウムの存在を確認して、受熱温度を推定します。

(3)問題のとおりです。UVスペクトル法は、コンクリート中の化学混和剤の熱による変化を分光光度計を用いてUV(紫外)スペクトル分析して、受熱温度を推定する方法です。 火害を受けたコンクリートをUVスペクトル分析し、検量線を用いてコンクリートの深さ方向の受熱温度分布を推定します。

(4)誤りです。サーモグラフィーは、表面から放射される赤外線を検出して赤外線量を可視化する方法です。計測しているときの温度を測定するものであり、過去の受熱温度の推定には用いることはできません。

【問272_火害】

 火害を受けたを受けた鉄筋コンクリート構造物の調査・測定に関する記述として、次のうち、不適当なものはどれか

(1)ひび割れの発生状況から、鉄筋の受熱温度を推定した。

(2)コンクリート表面の変色状況から、コンクリートの受熱温度を推定した。

(3)フェノールフタレイン溶液により、火害部分の中性化深さを調べた。

(4)点検ハンマにより、浮きや脆弱化の範囲を調べた。

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正解(1)

(1)誤りです。ひび割れ状況からは、鉄筋の受熱温度の推定をすることはできません。

(2)問題のとおりです。コンクリート表面の変色状況から、コンクリートの受熱温度を推定することができます。

(3)問題のとおりです。火害により、水酸化カルシウムが分解されると中性化するため、フェノールフタレイン溶液により火害部分の中性化深さを調べることができます。

(4)問題のとおりです。ハンマーを用いてその音質を調べることで、浮きの個所などを把握できます。

【問273_火害】

 火害を受けたコンクリート構造物の受熱温度を推定するための指標として、最も不適当なものはどれか

(1)目視によるコンクリート表面の変色状況

(2)リバウンドハンマーによるコンクリート表面の反発度

(3)採取資料での粉末X線回折による結晶型の変化

(4)採取資料での示差熱重量分析による質量減少

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正解(1)

(1)問題のとおりです。コンクリート表面の変色状況から、コンクリートの受熱温度を推定することができます。

(2)誤りです。リバウンドハンマーによる反発度の測定は、健全部分と劣化部分の差は把握できますが、受熱温度を推定することはできません。

(3)問題のとおりです。受熱温度の詳細な推定には、X線回折分析や示差熱分析などの材料分析が行われます。

(4)問題のとおりです。受熱温度の詳細な推定には、X線回折分析や示差熱分析などの材料分析が行われます。

【問274_ひび割れ】

 ひび割れの形態から劣化要因を推定する方法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)亀甲状のひび割れとともに、柱の中央に縦方向の大きなひび割れが生じていた。この原因をアルカリ骨材反応によるものと推定した。

(2)柱の隅角部に軸方向鉄筋に沿ってひび割れが生じていた。そのひび割れから錆汁がでていたので、この原因を鉄筋腐食によるものと推定した。

(3)横方向に長い薄い腰壁に縦方向のひび割れが生じていた。この原因を乾燥収縮によるものと推定した。

(4)床版下面に対角線状にひび割れが生じていた。この原因を自己収縮によるものと推定した。

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正解(4)

(1)問題のとおりです。亀甲状のひび割れと、圧縮力を受ける柱部材の軸方向のひび割れは、アルカリ骨材反応による可能性が高いです。

(2)問題のとおりです。柱の軸方向鉄筋のひび割れと、そのひびからの錆汁から、鉄筋腐食による劣化の可能性が高いです。

(3)問題のとおりです。横方向に長い腰壁は、乾燥収縮により横方向に応力が働きます。それにより、直行方向、つまり縦方向にひびが生じます。

(4)誤りです。床版下面の対角線状のひび割れは、床にかかる荷重の作用によるものです。

【問275_ひび割れ】

 建物のひび割れ調査から判断した次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)沈下ひび割れが床スラブに確認されたが、ただちにひび割れを補修すれば、耐久性を低下させる原因にはならないと判断した。

(2)室内壁に幅0.2mmのひび割れが発生していたので、ひび割れ部での表面からの中性化深さが大きいと判断した。

(3)防水性が要求される外壁のひび割れ幅が0.3~0.4mmの範囲であったので、補修は不要と判断した。

(4)梁に曲げひび割れが発生していたが、そのひび割れ幅が0.05mmであり所定のかぶりが確保されていたので、鋼材腐食は発生しにくいと判断した。

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正解(3)

(1)問題のとおりです。沈下ひび割れが床スラブに確認された場合、ただちにひび割れを補修すれば、耐久性を低下させる原因にはなりません。

(2)問題のとおりです。ひび割れ部での表面からの中性化深さは大きくなります。

(3)誤りです。外壁のひび割れ幅が0.3~0.4mmであれば、補修が必要です。

(4)問題のとおりです。梁の曲げひび割れ幅が0.05mmで、所定のかぶりが確保されていれば、鋼材腐食は発生しにくいです。

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