【過去問演習No.36-40】コンクリート技士 問題と解説

技士

【No.36】

AE剤の使用量を一定にしたコンクリートの空気量に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)使用する回収水のスラッジ固形分が多くなると,空気量は減少する。
(2)細骨材中の0.3~0.6mmの粒の量が多くなると,空気量は増加する。
(3)コンクリート中のセメントの量が多くなると,空気量は増加する。
(4)コンクリートの練上がり温度が高くなると,空気量は減少する。
クリックで【No.36】の解答と解説をみる

正解は(3)

【解説】
(1)〇正しい。スラッジの固形分が多いと微粒分が多くなり,AE剤がその微粒分に吸着され空気量が連行されにくくなるので,AE剤の使用量が一定の場合,空気量は減少します。
(2)〇正しい。コンクリートの空気量に影響する程度は,細骨材の粒径の大きさによって異なります。0.3~0.6mmの部分が多いと空気量は増加し, 0.3~0.15mmの緇粒が増えると空気量は減少します。とくに0.15mm以下の微細粒分が多くなると空気連行されにくくなります。
(3)×誤り。コンクリート中のセメント量が多くなると粉体量が多くなり,AE剤が吸着される量が多くなるので,空気量は減少します。
(4)〇正しい。コンクリートの練上がり温度が高くなるとセメントペーストの粘性が大きくなるので,空気量は減少します。

【No.37】

フレッシュコンクリートの試験に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)JISA1101(コンクリートのスランプ試験方法)は,コンクリートのコンシステンシーを測定する試験として用いられる。
(2)JISA1101(コンクリートのスランプ試験方法)では,コンクリートがコーンの中心軸に対して偏った場合は,別の試料で再試験を行うとしている。
(3)JISA1150(コンクリートのスランプフロー試験方法)では,試料がスランプコーンとともに持ち上がって落下するおそれがある場合には,10秒でゆっくり引き上げるとしている。
(4)JISA1150(コンクリートのスランプフロー試験方法)では,広がりが最大と思われる直径と最小と思われる直径の平均値を1mm単位に丸めるとしている。
クリックで【No.37】の解答と解説をみる

正解は(4)

【解説】
(1)〇正しい。スランプ試験は,コンクリートのコンシステンシーを測定する方法として用います。コンシステンシーとは,変形あるいは流動性に対する抵抗性の程度で表されるフレッシュコンクリートの性質です。
(2)〇正しい。スランプは,コンクリートの中央部において下がりを0.5cm単位で測定する。コンクリートがスランプコーンの中心軸に対して偏ったり,くずれたりして,形が不均衡になった場合は,別の試料によって再試験します。
(3)〇正しい。スランプコーンを引き上げる時間は,高さ30cmで2~3秒とします。ただし,試料がスランプコーンとともに持ち上がって落下するおそれのある場合は,10秒でゆっくり引き上げます。
(4)×誤り。スランプフローの測定は,スランプコーンを引き上げ,コンクリートの動きが止まった後に,広がりが最大と思われる直径と,その直交する方向の直径を測ります。スランプフローは,両直径の平均値を0.5cm単位に丸めて表示します。

【No.38】

コンクリートの材料分離に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)単位水量を大きくすると,材料分離は生じにくくなる。
(2)細骨材率を小さくすると,材料分離は生じにくくなる。
(3)水セメント比を小さくすると,材料分離は生じにくくなる。
(4)空気量を小さくすると,材料分離は生じにくくなる。
クリックで【No.38】の解答と解説をみる

正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。単位水量を大きくすると,水セメント比が大きくなるので,セメントペーストの粘性が小さくなり,材料分離は生じやすくなります。
(2)×誤り。細骨材率を小さくすると,単位粗骨材量が大きくなるので,粗骨材を取り囲むモルタル量が少なくなり,材料分離は生じやすくなります。
(3)〇正しい。水セメント比を小さくすると,セメントペーストの粘性が大きくなるので,材料分離は生じにくくなります。
(4)×誤り。空気量を小さくすると,微細な気泡のボールベアリング効果が小さくなるので,材料分離は生じやすくなります。

【No.39】

コンクリートの凝結に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)JIS A 1147(コンクリートの凝結時間試験方法)では, 5mm網ふるいでふるったモルタルの貫入抵抗によって,凝結時間を試験するとしている。
(2)凝結の始発は,水セメント比が同一であれば,スランプが大きいほど早くなる。
(3)コールドジョイントを防止するには,凝結の終結までに打ち重ねることが必要である。
(4)骨材に含まれる糖類や腐植土などの有機物は,凝結を早める。
クリックで【No.39】の解答と解説をみる

正解は(1)

【解説】
(1)〇正しい。JIS A 1147-2007 (コンクリートの凝結時間試験方法)で規定しているコンクリートの凝結試験は,練り混ぜられたコンクリートを5mm網ふるいでふるったモルタルを貫人抵抗試験装置によって測定します。
(2)×誤り。水セメント比が同一でスランプを大きくするとセメントペーストの流動性がなくなって凝結が始まるまでの時間が少し遅くなります。
(3)×誤り。コールドジョイントが発生する時間は,配(調)合条件,締め固め,養生条件等により異なります。コールドジョイントを防止するには,打ち重ね時間を下層のコンクリートのプロクター貫入値が0.01~1.0 N/mm2の範囲とすることが望ましいとされています。凝結の終結時間はプロクター貫入値が28N/mm2であり,この段階になるとコールドジョイントが発生します。
(4)×誤り。骨材に含まれる糖類や腐植土などの有機不純物は,セメントの水和反応を阻害するので,コンクリートの凝結時間は遅延します。

【No.40】

コンクリートの凝結に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)塩分は,フレッシュコンクリートの凝結時間を早くし,山砂に含まれる糖類や腐植土などの有機物はフレッシュコンクリートの凝結時間を遅くする。
(2)コンクリートの凝結時間は,コンクリートから粗骨材をふるいを用いて取り除いたモルタルの貫入抵抗試験によって求める。
(3)JIS A1128 (フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法一空気室圧力方法)によれば,見掛けの空気量を骨材修正係数で除して空気量の試験結果とする。
(4)セメントの凝結試験では, JIS R 5201 (セメントの物理試験方法)に従い,標準軟度のペーストについてビカー針装置を用いて,始発および終結時間を求める。
クリックで【No.40】の解答と解説をみる

正解は(3)

【解説】
(1)〇正しい。塩分は,フレッシュコンクリートの凝結時間を早くし,山砂に含まれる糖類や腐植土などの有機物はフレッシュコンクリートの凝結時間を遅くします。
(2)〇正しい。JIS A 1147-2007 (コンクリートの凝結時間試験方法)で規定しているコンクリートの凝結試験は,練り混ぜられたコンクリート中の粗骨材を5mm網ふるいでふるったモルタルをプロクター貫入抵抗試験装置によって測定します。
(3)×誤り。JIS A 1128-2005 (フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法一空気室圧力方法)に規定されている空気量の計算は,見掛けの空気量から骨材修正係数を減じて空気量の試験結果とします。
(4)〇正しい。セメントの凝結試験では, JIS R 5201 (セメントの物理試験方法)に従い,標準軟度のペーストについてビカー針装置を用いて,始発および終結時間を求めます。
タイトルとURLをコピーしました