【一級土木施工管理技士】過去問演習(No.26~30)

【No.26】

急傾斜地崩壊防止工の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)急傾斜地崩壊防止を目的とした切土工を施工する場合は,切土の斜面表層の侵食防止・風化防止のため,法面保護工を施工する。
(2)重力式コンクリート擁壁を施工する際には,擁壁背面の水を排除するために水抜き孔を水平に設置する。
(3)張り工は,土圧に対抗するものではないので,土圧を考慮していないが,湧水の多い箇所では背面に水圧が生じないように排水対策を十分に実施する。
(4)排水工のうち縦排水路を施工する際には,水路から溢れた流水などによる水路両側の洗掘を防止するために側面に勾配をつけ,コンクリート張りや石張りを設置する。
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正解は(2)

【解説】
(1)〇正しい。急傾斜地崩壊防止を目的とした切土工を施工する場合は,切土の斜面表層の侵食防止・風化防止のため,法面保護工を施工します。
(2)×誤り。重力式コンクリート擁壁を施工する際には,外径5~10cm程度の水抜き孔を3㎡に1か所以上の割合で排水方向に適切な勾配で設置します。なお湧水,浸透水の多い場合は必要に応じて数量を増やします。
(3)〇正しい。張り工は,土圧に対抗するものではないので,土圧を考慮していなませんが,湧水の多い箇所では背面に水圧が生じないように排水対策を十分に実施します。
(4)〇正しい。排水工のうち縦排水路を施工する際には,水路から溢れた流水などによる水路両側の洗掘を防止するために側面に勾配をつけ,コンクリート張りや石張りを設置します。

【No.27】

道路のアスファルト舗装における路床に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)凍上抑制層は,凍結深さから求めた必要な置換え深さと舗装の厚さを比較し,置換え深さが大きい場合に路盤の下にその厚さの差だけ凍上の生じにくい材料で置き換えたものである。
(2)切土路床は,表面から30cm程度以内に木根,転石などの路床の均一性を損なうものがある場合はこれらを取り除いて仕上げる。
(3)安定処理材料は,路床土とセメントや石灰などの安定材を混合し路床の支持力を改善する場合に用いられ,一般に粘性土に対してはセメントが適している。
(4)安定処理工法は,現状路床土と安定材を混合し構築路床を築造する工法で,現状路床土の有効利用を目的とする場合はCBRが3未満の軟弱土に適用される。
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正解は(3)

【解説】
(1)〇正しい。凍上抑制層の最小設計厚は,凍結深さから求めた必要な置換え深さから舗装厚をさし引いた値とします。
(2)〇正しい。切土路床は,表面から30cm程度以内に木根,転石などの路床の均一性を損なうものがある場合はこれらを取り除いて仕上げます。
(3)×誤り。安定処理材料は,一般に砂質土ではセメント,粘性土では石灰が有効です。
(4)〇正しい。安定処理工法は,舗装の長寿命化や舗装厚の低減等を目的にCBRが3以上の良質土に適用する場合もあります。

【No.28】

道路のアスファルト舗装における路盤の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)上層路盤の安定処理に用いる骨材の最大粒径は, 60mm以下でかつ1層の仕上り厚の1/2以下がよい。
(2)下層路盤の粒状路盤工法では,締め固め前に降雨などにより路盤材料が著しく水を含み締め固めが困難な場合には,晴天を待って曝気乾燥を行う。
(3)下層路盤の粒状路盤の施工にあたっては,1層の仕上り厚さは20cm以下を標準とし,敷き均しは一般にモーターグレーダで行う。
(4)上層路盤にセメントや石灰による安定処理を施工する場合には,施工終了後,アスファルト乳剤などでプライムコートを施すとよい。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。上層路盤の安定処理に用いる骨材の最大粒径は40mm以下で,かつ1層の仕上がり厚の1/2以下がよいです。
(2)〇正しい。下層路盤の粒状路盤工法では,締め固め前に降雨などにより路盤材料が著しく水を含み締め固めが困難な場合には,晴天を待って曝気乾燥を行います。
(3)〇正しい。下層路盤の1層の仕上り厚は,粒状路盤では20cm以下,石灰安定処理路盤では30cm以下,セメント安定処理路盤では15~30cmとします。
(4)〇正しい。上層路盤にセメントや石灰による安定処理を施した場合は,水分が蒸発してひび割れが生じ強度増進が阻害されないようします。また,雨水の浸透や作業車の通行によって路盤が損傷しないように路盤面にプライムコートを施します。

【No.29】

道路のアスファルト舗装における加熱アスファルト混合物の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)初転圧の転圧温度は,一般に110~140℃で,ヘアクラックの生じない限りできるだけ高い温度とする。
(2)ホットジョイントの場合は,縦継目惻の5~10cm幅を転圧しないでおいて,この部分を後続の混合物と同時に締め固める。
(3)敷き均し作業中に雨が降りはじめた場合には,敷き均し作業を中止するとともに敷き均した混合物を速やかに締め固めて仕上げる。
(4)各層の継目位置は,既設舗装の補修・拡幅などの場合を除いて,下層の継目の上に上層の継目を重ねるようにする。
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正解は(4)

【解説】
(1)〇正しい。初転圧の転圧温度は,一般に110~140℃で,ヘアクラックの生じない限りできるだけ高い温度とします。
(2)〇正しい。ホットジョイントの場合は,縦継目惻の5~10cm幅を転圧しないでおいて,この部分を後続の混合物と同時に締め固めます。
(3)〇正しい。敷き均し作業中に雨が降りはじめた場合には,敷き均し作業を中止するとともに敷き均した混合物を速やかに締め固めて仕上げます。
(4)×誤り。継目は,締め固めが不十分となりやすく,所定の締め固め度のアスファルト混合物が得られないため,施工継目は出来るだけ少なくなるように計画し,下層の継目の上に上層の継目が重ならないようにします。

【No.30】

道路のアスファルト舗装における補修工法に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)表面処理工法は,一般に流勣によるわだち掘れや線状に発生したひび割れが著しい箇所の補修に用いられる工法である。
(2)路上表層再生工法は,既設アスファルト混合物層を路上破砕混合機などで破砕すると同時にセメントなどの添加材料を加え,路盤を構築する工法である。
(3)薄層オーバーレイエ法は,予防的維持工法として用いられることもあり,既設舗装の上に薄層で加熱アスファルト混合物を舗設する工法である。
(4)線状打換え工法は,主として摩耗などによってすり減った部分を補うことを目的として既設舗装のわだち掘れ部のみを加熱アスファルト混合物で舗設する工法である。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。表面処理工法は,既設舗装上に加熱アスファルト混合物以外の材料で厚さ3cm未満の封かん層を設ける予防的維持工法です。
(2)×誤り。路上表層再生工法は,既設アスファルト混合物層を加熱・かきほぐし,必要に応じて混合物や再生用添加剤を加えて敷きならし締め固めて表層を造る工法です。既設アスファルト混合物層を路上破砕混合機などで破砕すると同時にセメントなどの添加材料を加え,路盤を構築する工法は,路上路盤再生工法である。
(3)〇正しい。薄層オーバーレイエ法は,既設舗装の上に3cm未満の厚さの加熱アスファルト混合物を舗設する工法です。
(4)×誤り。線状打換え工法は,線状に発生したひび割れに沿って,通常は加熱アスファルト混合物層を打ち換える工法です。
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