【一級土木施工管理技士】過去問演習(No.46~50)

【No.46】

上水道の管布設工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)埋め戻しは,片埋めにならないように注意しながら,厚さ50cm以下に敷き均し,現地盤と同程度以上の密度となるように締め固めを行う。
(2)床付面に岩石,コンクリート塊などの支障物が出た場合は,床付面より10cm以上取り除き,砂などに置き換える。
(3)鋼管の切断は,切断線を中心に,幅30cmの範囲の塗覆装をはく離し,切断線を表示して行う。
(4)配水管を他の地下埋設物と交差又は近接して布設するときは,少なくとも30cm以上の間隔を保つ。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。埋め戻しは,片埋めに注意しながら,厚さ30cm以下に敷き均し,現地盤と同程度以上の密度となるよう締め固めます。
(2)〇正しい。床付面に岩石,コンクリート塊などの支障物が出た場合は,床付面より10cm以上取り除き,砂などに置き換えます。
(3)〇正しい。鋼管の切断は,切断線を中心に,幅30cmの範囲の塗覆装をはく離し,切断線を表示して行います。
(4)〇正しい。配水管を他の地下埋設物と交差又は近接して布設するときは,少なくとも30cm以上の間隔を保ちます。

【No.47】

下水道管きょの更生工法に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)形成工法は,既設管きょより小さな管径で製作された管きょをけん引挿入し,間げきに充てん材を注入することで管を構築する。
(2)反転工法は,熱硬化性樹脂を含浸させた材料を既設のマンホールから既設管きょ内に反転加圧させながら挿入し,既設管きょ内で加圧状態のまま樹脂が硬化することで管を構築する。
(3)さや管工法は,既設管きょ内に硬質塩化ビニル材などをかん合させながら製管し,既設管きょとの間げきにモルタルなどを充てんすることで管を構築する。
(4)製管工法は,熱硬化性樹脂を含浸させたライナーや熱可塑性樹脂ライナーを既設管きょ内に引き込み,水圧又は空気圧などで拡張・密着させた後に硬化させることで管を構築する。
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正解は(2)

【解説】
(1)×誤り。形成工法は,光硬化性樹脂を含浸させた筒状の更生材や熱可塑性樹脂パイプを既設管きょ内に引き込み空気圧等で拡張・圧着させた後に硬化させ管を構築します。既設管きょより小さな管径で製作された管きょをけん引挿入し,間げきに充てん材を注入することで管を構築するのは,さや管工法です。
(2)〇正しい。反転工法は,熱硬化性樹脂を含浸させた材料を既設のマンホールから既設管きょ内に反転加圧させながら挿入し,既設管きょ内で加圧状態のまま樹脂が硬化することで管を構築します。
(3)×誤り。さや管工法は,既設管より小さな管径で製作された管きょをけん引挿入し,既設管との間に充てん材を注入して管を構築します。既設管きょ内に硬質塩化ビニル材などをかん合させながら製管し,既設管きょとの間げきにモルタルなどを充てんすることで管を構築する工法は,製管工法です。
(4)×誤り。製管工法は,管きよ内に表面部材となる硬質塩化ビニル樹脂材やポリエチレン樹脂材等をかん合させながら製管し,既設管との間にモルタル等を充てんすることで複合管として一体化した管を構築します。熱硬化性樹脂を含浸させたライナーや熱可塑性樹脂ライナーを既設管きょ内に引き込み,水圧又は空気圧などで拡張・密着させた後に硬化させることで管を構築する工法は,形成工法です。

【No.48】

小口径管推進工法の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)推進工事において地盤の変状を発生させないためには,切羽土砂を適正に取り込むことが必要であり,掘削土量と排土量,泥水管理に注意し,推進と滑材注入を同時に行う。
(2)推進中に推進管に破損が生じた場合は,推進施工が可能な場合には十分な滑材注入などにより推進力の低減をはかり,推進を続け,推進完了後に損傷部分の補修を行う。
(3)推進工法として低耐荷力方式を採用した場合は,推進中は管にかかる荷重を常に計測し,管の許容推進耐荷力以下であることを確認しながら推進する。
(4)土質の不均質な互層地盤では,推進管が硬い土質の方に蛇行することが多いので,地盤改良工法などの補助工法を併用し,蛇行を防止する対策を講じる。
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正解は(4)

【解説】
(1)〇正しい。滑材の注入量の過不足は地盤の変状の原因となるため,適正な管理が必要です。
(2)〇正しい。推進中に推進管に破損が生じた場合は,損傷部分の補修,又は破損した推進管を到達立坑まで押し出し,新しい管と入れ替えます。
(3)〇正しい。低耐荷力方式は,硬質塩化ビニル管等を用い,先導体の推進に必要な推進力は推進力伝達ロットに負担させ,管には周面摩擦抵抗力のみを負担させる方式です。そのため,推進中は管にかかる荷重を常に計測し管の許容推進耐荷力以下であることを確認します。
(4)×誤り。土質の不均質な互層地盤では,推進管は軟らかい土質の方へ蛇行することが多いので,地盤改良工法等の補助工法を併用し,蛇行防止対策を講じます。

【No.49】

薬液注入工事の施工にあたリ配慮すべき事項に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)注入速度は,現場における限界注入速度試験結果と施工実績とを参考として,設計時に設定した注入速度を見直しすることが望ましい。
(2)注入圧力は,地盤の硬軟や土被り,地下水条件などにより異なり,計画時には目標値としての値を示し,試験工事や周辺での施工実績,現場での初期の値などを参考に決定していく。
(3)ステップ長は,注入管軸方向での注入間隔であり,二重管ストレーナー工法では25cm又は50cm,二重管ダブルハッカー工法では90cmが一般的である。
(4)注入孔の間隔は1.0mで複列配置を原則とし,改良範囲の形状は複雑で部分的には孔間隔に多少の差は生じるが,できるだけ原則に近い配置とする。
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正解は(3)

【解説】
(1)〇正しい。注入速度は,注入地盤の性状,注入方式,注入材料等に応じた適切な値を定めるものとし,施工状況の変化に応じて臨機に変化させます。
(2)〇正しい。注入圧力は,周辺構造物や地下埋設物等に変状を与えないように,注入速度やゲルタイム等を変化させながら適切に管理します。
(3)×誤り。ステップ長は,工法によらず25~50cmの範囲を標準とし,注入方式や土質条件,ゲルタイム等を考慮して定めます。
(4)〇正しい。注入孔の間隔は1.0mで複列配置を原則とし,改良範囲の形状は複雑で部分的には孔間隔に多少の差は生じますが,できるだけ原則に近い配置とします。

【No.50】

労働者に支払う賃金に関する次の記述のうち,労働基準法令上,誤っているものはどれか。
(1)使用者は,労働者が出産,疾病,災害の費用に充てるために請求する場合においては,支払期日前であっても,既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。
(2)使用者は,使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては,休業期間中当該労働者にその平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。
(3)使用者は,出来高払制その他の請負制で使用する労働者については,労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。
(4)使用者は,労働時間を延長し,労働させた場合においては,原則として通常の労働時間の賃金の計算額の2割以上6割以下の範囲内で割増賃金を支払わなければならない。
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正解は(4)

【解説】
(1)〇正しい。労働基準法第25条(非常時払)により,使用者は,労働者が出産,疾病,災害の費用に充てるために請求する場合においては,支払期日前であっても,既往の労働に対する賃金を支払わなければならないとされています。
(2)〇正しい。同法第26条(休業手当)により,使用者は,使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては,休業期間中当該労働者にその平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならないとされています。
(3)〇正しい。同法第27条(出来高払制の保障給)により,使用者は,出来高払制その他の請負制で使用する労働者については,労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならないとされています。
(4)×誤り。同法第37条(時間外,休日及び深夜の割増賃金)に「使用者が,労働時間を延長し,又は休日に労働させた場合においては,その時間又はその日の労働については,通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし,当該延長して労働させた時間が1箇月について60時間を超えた場合においては,その超えた時間の労働については,通常の労働時間の賃金の計算額の5割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」と規定されています。
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