【一級土木施工管理技士】過去問演習(No.121~125)

【No.121】

道路のコンクリート舗装のセットフォーム工法による施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)コンクリート版の表面は,水光りが消えるのを待って,ほうきやはけを用いて,すべり止めの細かい粗面に仕上げる。
(2)隅角部,目地部,型枠付近の締め固めは,棒状バイブレータなど適切な振動機器を使用して入念に行う。
(3)横収縮目地に設ける目地溝は,コンクリート版に有害な角欠けが生じない範囲内で早期にカッタにより形成する。
(4)コンクリートの敷均しは,材料が分離しないように,また一様な密度となるように,レベリングフィニッシヤを用いて行う。
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正解は(4)

【解説】
(1)〇正しい。コンクリート版の表面は,水光りが消えるのを待って,ほうきやはけを用いて,すべり止めの細かい粗面に仕上げる。
(2)〇正しい。隅角部,目地部,型枠付近の締め固めは,棒状バイブレータなど適切な振動機器を使用して入念に行います。
(3)〇正しい。横収縮目地に設ける目地溝は,コンクリート版に有害な角欠けが生じない範囲内で早期にカッタにより形成します。
(4)×誤り。コンクリートの敷均しは,敷均し器械(スプレッダ)を用いて行い,全体ができるだけ均等な密度になるように適切な余盛りをつけて行います。敷均しは,鉄網を用いる場合は二層で,用いない場合は一層で行います。レベリングフィニッシヤは平坦仕上げ機械です。

【No.122】

ダムの基礎掘削に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)基礎掘削は,掘削計画面より早く所要の強度の地盤が現れた場合には掘削を終了し,逆に予期しない断層や弱層などが現れた場合には,掘削線の変更や基礎処理を施さなければならない。
(2)掘削計画面から3m付近の粗掘削は,小ベンチ発破工法やプレスプリッティング工法などにより施工し,基礎地盤への損傷を少なくするよう配慮する。
(3)仕上げ掘削は,一般に掘削計画面から50cm程度残した部分を,火薬を使用せずに小型ブレーカや人力により仕上げる掘削で,粗掘削と連続して速やかに施工する。
(4)堤敷外の掘削面は,施工中や完成後の法面の安定性や経済既を考慮するとともに景観や緑化にも配慮して定める必要がある。
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正解は(3)

【解説】
(1)〇正しい。基礎掘削は,掘削計画面より早く所要の強度の地盤が現れた場合には掘削を終了し,逆に予期しない断層や弱層などが現れた場合には,掘削線の変更や基礎処理を施さなければなりません。
(2)〇正しい。掘削計画面から3m付近の粗掘削は,小ベンチ発破工法やプレスプリッティング工法などにより施工し,基礎地盤への損傷を少なくするよう配慮します。
(3)×誤り。仕上げ掘削は,着岩面の劣化防止のため,堤体盛立てまたはコンクリート打設の直前とし,粗掘削と分けて行います。
(4)〇正しい。堤敷外の掘削面は,施工中や完成後の法面の安定性や経済既を考慮するとともに景観や緑化にも配慮して定める必要があります。

【No.123】

ダムのコンクリートの打ち込みに関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)RCD用コンクリートの練り混ぜから締め固めまでの許容時間は,ダムコンクリートの材料や配合,気温や湿度などによって異なるが,夏季では5時間程度,冬季では6時間程度を標準とする。
(2)柱状ブロック工法でコンクリート運搬用のバケットを用いてコンクリートを打ち込みむ場合は,バケットの下端が打ち込み面上1m以下に達するまで下ろし,所定の打ち込み場所にできるだけ近づけてコンクリートを放出する。
(3)RCD工法は,超硬練りコンクリートをブルドーザで敷き均し,0.75mリフトの場合には3層に1mリフトの場合には4層に敷き均し,振動ローラで締め固めることが一般的である。
(4)柱状ブロック工法におけるコンクリートのリフト高は,コンクリートの熱放散,打設工程,打ち継ぎ面の処理などを考慮して0.75~2mを標準としている。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。RCD用コンクリートの練り混ぜから締め固めまでの許容時間は,材料や配合,気温や湿度などによって異なりますが,夏期では3時間程度,冬期では4時間程度を標準とします。
(2)〇正しい。柱状ブロック工法でコンクリート運搬用のバケットを用いてコンクリートを打ち込みむ場合は,バケットの下端が打ち込み面上1m以下に達するまで下ろし,所定の打ち込み場所にできるだけ近づけてコンクリートを放出します。
(3)〇正しい。RCD工法は,超硬練りコンクリートをブルドーザで敷き均し,0.75mリフトの場合には3層に1mリフトの場合には4層に敷き均し,振動ローラで締め固めることが一般的です。
(4)〇正しい。柱状ブロック工法におけるコンクリートのリフト高は,コンクリートの熱放散,打設工程,打ち継ぎ面の処理などを考慮して0.75~2mを標準としています。

【No.124】

山岳トンネルの掘削の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)全断面工法は,小断面のトンネルや地質が安定した地山で採用されるが,施工途中での地山条件の変化に対する順応性が低い。
(2)側壁導坑先進工法は,側壁脚部の地盤支持力が不足する場合や,土被りが小さい土砂地山で地表面沈下を抑制する必要のある場合に適用される。
(3)補助ベンチ付き全断面工法は,ベンチをつけて切羽の安定をはかるとともに,掘削効率の向上をはかるために,上部半断面と下部半断面の同時施工を行う。
(4)ペンチカット工法は,一般に上部半断面と下部半断面に分割して掘削する工法であり,地山が不良な場合にはベンチ長を長くする。
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正解は(4)

【解説】
(1)〇正しい。全断面工法は,小断面のトンネルや地質が安定した地山で採用されますが,施工途中での地山条件の変化に対する順応性が低いです。
(2)〇正しい。側壁導坑先進工法は,側壁脚部の地盤支持力が不足する場合や,土被りが小さい土砂地山で地表面沈下を抑制する必要のある場合に適用されます。
(3)〇正しい。補助ベンチ付き全断面工法は,ベンチをつけて切羽の安定をはかるとともに,掘削効率の向上をはかるために,上部半断面と下部半断面の同時施工を行います。
(4)×誤り。ベンチカット工法は,ベンチの長さにより,ロングベンチ,ショートベンチ,ミニベンチに分けられます。膨張性地山など地山が不良の場合は,断面の早期閉合によるトンネルの安定化をはかることが重要であり,可能な限りペンチ長を短くします。

【No.125】

山岳トンネルの覆エコンクリートの施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)覆工コンクリートの打ち込み時期は,掘削後,支保工により地山の内空変位が収束した後に施工することを原則とする。
(2)覆工コンクリートの打ち込みは,型枠に偏圧が作用しないように,左右に分割し,片側の打ち込みがすべて完了した後に,反対側を打ち込む必要がある。
(3)覆工コンクリートの背面は,掘削面や吹付け面の拘束によるひび割れを防止するために,シート類を張り付けて縁切りを行う必要がある。
(4)覆工コンクリートの型枠の取外しは,打ち込んだコンクリートが自重などに耐えられる?強度に達した後に行う必要がある。
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正解は(2)

【解説】
(1)〇正しい。膨張性地山で地山の変位量や変位速度が大きい場合は,早期に覆工を施工する場合もあります。
(2)×誤り。覆工の打ち込みは,速度が速いと締め固めが不十分になったり,型枠に大きな圧力を与えるおそれがあるので,型枠に偏圧がかからないよう左右均等に,できるだけ水平にコンクリートを連続して打ち込む。
(3)〇正しい。覆工コンクリートの背面は,掘削面や吹付け面の拘束によるひび割れを防止するために,シート類を張り付けて縁切りを行う必要があります。
(4)〇正しい。型枠の取外しは,円形アーチのトンネルでは,コンクリートの圧縮強度が2~3N/mm2程度を目安にする場合が多いです。
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