【過去問演習No.91-95】コンクリート技士 問題と解説

技士

【No.91】

品質管理および検査に関する次の記述のうち,JISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に照らして,誤っているものはどれか。
(1)荷卸し地点での空気量の許容差は,コンクリートの種類にかかわらず同じである。
(2)指定されたスランプが大きくなるほど,荷卸し地点でのスランプの許容差は大きくなる。
(3)コンクリートの塩化物含有量の検査は,工場出荷時に行うことができる。
(4)コンクリート強度の1回の試験結果は,購入者が指定した呼び強度の強度値の85%以上でなければならない。
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正解は(1)

【解説】
(1)○正しい。空気量が指定された場合にも,その許容差は±1.5%です。したがって,荷卸し地点での空気量の許容差は,コンクリートの種類にかかわらず同じです。
(2)×誤り。指定されたスランプが大きくなるほど,荷卸し地点でのスランプの許容差が大きくなるとはいえません。
(3)○正しい。JISA5308では,「塩化物含有量の検査は,工場出荷時でも,荷卸し地点での所定の条件を満足するので,工場出荷時に行うことができる」と規定しています。
(4)○正しい。JISA5308では,「強度は,①1回の試験結果は,購入者が指定した呼び強度の強度値の85%以上でなければならない,②3回の試験結果の平均値は,購入者が指定した呼び強度の強度値以上でなければならない」と規定しています。

【No.92】

品質管理に用いる管理図に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。ただし,(σは標準偏差を表すものとする。
(1)特性値が中心線から±2σの線内にランダムにプロットされていたので,管理状態にあると判断した。
(2)特性値が中心線から士1σの線内にあったので,工程が安定した状態であると判断し,品質管理を省略した。
(3)特性値が中心線と上方2σの線内で連続5点打点されたので,偏りを示していると考え,製造工程を点検した。
(4)品質の平均値の変化をみるために\(\bar{X}\)管理図を用い,品質の幅の変化をみるためにR管理図を用いた。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。管理図において,特性値が中心線から±2σの線内にランダムに分布している場合には,工程は管理状態にあると判断してよいです。
(2)×誤り。特性値が±1σの線内にあったとしても,今後の工程に異常がが生ずる可能性が全然ないことを保証するものではないので,継続して品質管理をする必要があります。
(3)○正しい。特性値が2σの線内にあっても同じ側に連続して現れたり,点が上または下に連続して移動していく場合には注意を要します。
(4)○正しい。\(\bar{X}\)管理図は,品質の平均値の変化をみるためのものであり,R管理図は,品質の幅の変化をみるためのものです。

【No.93】

コンクリートの練り混ぜ水に関する次の記述のうち,JISA5308附属書C(レディーミクストコンクリートの練り混ぜに用いる水)の規定に照らして,誤っているものはどれか。
(1)地下水は,上水道水としての処理がなされていない場合,回収水に分類される。
(2)上水道水は,特に試験を行わなくても,練り混ぜ水として使用できる。
(3)スラッジ水は,コンクリートの洗浄排水から,粗骨材,細骨材を取り除いて回収した懸濁水である。
(4)上澄水は,スラッジ水から,スラッジ固形分を沈降その他の方法で取り除いた水である。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。JISA5308附属書cでは,水は,上水道水,上水道水以外の水,及び回収水に区分し,上水道水以外の水を「河川水,湖沼水,井戸水,地下水などとして採水され,特に上水道水としての処理がなされていないもの及び工業用水。ただし,回収水を除く。」と定義しています。したがって,上水道水としての処置がなされていない地下水は,上水道水以外の水に区分されます。
(2)○正しい。JISA5308附属書cでは,上水道水は,特に試験を行わなくても用いることができると規定しています。
(3)○正しい。JISA5308附属書cでは,スラッジ水を「コンクリートの洗浄排水から,粗骨材,細骨材を取り除いて,回収した懸濁水。」と定義しています。よって,記述は正しいです。
(4)○正しい。JISA5308附属書cでは,上澄水を「スラッジ水から,スラッジ固形分を沈降その他の方法で取り除いた水。」と定義しています。

【No.94】

JISA5308附属書C(レディーミクストコンクリートの練り混ぜに用いる水)の規定に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)水は,上水道水,上水道水以外の水,および回収水に区分される。
(2)上水道水は,特に試験を行わなくても,コンクリートの練り混ぜ水として使用できる。
(3)回収水は,スラッジ水および上澄水の総称である。
(4)スラッジ水は,鉄筋コンクリート用のコンクリートの練り混ぜ水として使用できない。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。JISA5308附属書cでは,「水は,上水道水,上水道水以外の水及び回収水に区分する」と規定しています。
(2)○正しい。JISA5308附属書cでは,「上水道水は,特に試験を行わなくても用いることができる」と規定しています。
(3)○正しい。JISA5308附属書cでは,「回収水は,レディーミクストコンクリート工場で,洗浄によって発生する排水のうち,運搬車,プラントのミキサ,ホッパなどに付着したレディーミクストコンクリート及び戻りコンクリートの洗浄排水を処理して得られるスラッジ水及び上澄水の総称である」と定義しています。
(4)×誤り。JISA5308附属書cでは,「回収水は,回収水の品質に適合しなければならない」と規定しています。回収水の品質に適合したスラッジ水は,鉄筋コンクリートに使用することができます。

【No.95】

JISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に適合するコンクリートを製造する場合,次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)JISA5021(コンクリート用再生骨材H)に規定される再生骨材Hは,舗装コンクリートに使用できる。
(2)JISA5031(一般廃棄物,下水汚泥又はそれらの焼却灰を溶融固化したコンクリート用溶融スラグ骨材)に規定される溶融スラグ骨材は,普通コンクリートに使用できる。
(3)吸水率4.0%の砂は,購入者の承認を得れば,普通コンクリートに使用できる。
(4)絶乾密度2.4g/cm3の砂は,購入者の承認を得れば,普通コンクリートに使用できる。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。JISA5308では,「舗装コンクリートに用いる骨材として,粗骨材にあっては砕石,各種スラグ粗骨材,再生祖骨材H及び砂利,細骨材にあっては砕砂,各種スラグ細骨材,再生細骨材H及び砂」と規定しています。
(2)×誤り。JISA5308附属書Aでは,「溶融スラグ骨材(産業廃棄物の溶融固化施設から産出される溶融スラグ骨材を含む)を使用することはできない」と規定しています。
(3)○正しい。ジスは,砂の品質として,吸水率にあっては3.5%以下(購入者の承認を得て4.0%以下とすることができる)と規定しています。
(4)○正しい。ジスは,砂の品質として,絶乾密度にあっては2.5g/cm3以上(購入者の承認を得て2.4g/cm3以上とすることができる)と規定しています。
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