【過去問演習No.86-90】コンクリート技士 問題と解説

技士
【No18】聞き流し_コンクリート技士_一問一答
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【No.86】

コンクリートの練り混ぜに関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)練り混ぜ時間が短すぎると,十分に混合されないため,圧縮強度は小さい値を示す。
(2)バッチ式ミキサでは,最初のバッチの練り混ぜに先だって適当量のモルタルを練り混ぜて排出する。
(3)強制練りミキサは,混合胴の回転によって材料をすくいあげ,自重で落下させて練り混ぜる方式のミキサである。
(4)連続式ミキサでは,原則として,最初に排出されるコンクリートを用いない。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。ミキサでコンクリートを練り混ぜる場合,ミキサの構造,性能により多少は異なりますが,一般に練り混ぜ時間が短すぎると十分に混合されず,均質なコンクリートとならないため,圧縮強度は小さい値を示します。
(2)○正しい。最初のバッチは,ミキサ内にモルタルが付着するため,所定の配合のコンクリートが得られません。そのため,最初に所定の配合を有する適当量のコンクリートまたはモルタルをあらかじめ練って,そのモルタル分をミキサ内に付着させ,つぎに所定の材料を投入して練り混ぜを行うのがよいです。
(3)×誤り。重力式ミキサは,内部に練り混ぜ用羽の付いた混合胴の回転によってコンクリート用材料をすくいあげ,自重で落下させて練り混ぜる方式のミキサです。なお,強制練りミキサは,羽を動力で回転させ,コンクリート材料を強制的に練り混ぜ,コンクリートを製造する方式のミキサで,水平一軸形,水平二軸形,パン形などの種類があります。
(4)○正しい。連続式ミキサを用いる場合,運転開始時や練り混ぜを中断したのちの再開に,品質の不安定なコンクリートが排出されるおそれがあるため,このようなコンクリートは用いないことを原則とします。

【No.87】

コンクリートの練り混ぜに関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)強制練りミキサを用いると,重力式ミキサより練り混ぜ時間は短くなる。
(2)高強度コンクリートの練り混ぜ時間は,普通コンクリートの練り混ぜ時間より長くなる。
(3)練り混ぜ時間を短くしすぎると,圧縮強度は小さくなる。
(4)練り混ぜ時間を長くしすぎると,空気量は大きくなる。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。ミキサの種類,性能により均質なコンクリートが得られる練り混ぜ時間は異なります。強制練りミキサは,重力式ミキサに比べて均質なコンクリートを得るための練り混ぜ時間は短いと考えてよいです。
(2)○正しい。高強度コンクリートは,高い強度を得るために水結合材比を小さくする必要があり,高い減水効果を有する高性能AE減水剤または高性能減水剤の使用が必要となります。また,通常のコンクリートに比し,単位結合材料が多く,また,セメント以外にシリカフューム,高炉スラグ微粉末等の混和材が使用される場合が多いです。したがって,高強度コンクリートの練り混ぜにあっては,粒子の細かいシリカフューム,高炉スラグ微粉末や高性能AE減水剤または高性能減水剤などの材料を均一な状態に分散させる必要があるため,練り混ぜ時間は,通常のコンクリートに比べ長くなる傾向があります。
(3)○正しい。ミキサの構造,性能により多少は異なりますが,一般に練り混ぜ時間が短すぎると十分に混合されないため均質なコンクリートとなりません。このため,圧縮強度は小さい値を示します。
(4)×誤り。空気量は,適当な練り混ぜ時間のときに最適な値が得られますが,さらに長時間のかくはんを行うと一般に減少します。

【No.88】

材料の計量に関する次の記述のうち,JISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に照らして,適当なものはどれか。
(1)水および混和剤は,それぞれ別々の計量器によって計量しなければならない。
(2)水および混和剤は,質量または容積のどちらで計量してもよい。
(3)混和材は,購入者の承認があれば,袋の数で計ってもよい。
(4)細骨材と粗骨材は,累加計量してはならない。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。セメント,骨材,水および混和材料は,それぞれ別々の計量器によって計量しなければなりません。なお,水はあらかじめ計量してある混和剤と一緒に累加して計量してもよいです。
(2)○正しい。水および混和剤の計量は,質量または容積によります。ただし,混和剤は,溶液として計量する,と規定しています。
(3)○正しい。セメント,骨材および混和材の計量は,質量によります。ただし,混和材は,購入者の承認があれば,袋の数で計ってもよいです。しかし,1袋未満のものを用いる場合には,必ず質量で計量しなければなりません。
(4)×誤り。骨材の計量は,同一の計量器で累加計量してもよいです。

【No.89】

コンクリートの練り混ぜに関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)練り混ぜ時間を長くしていくと,コンクリートの空気量は大きくなる。
(2)練り混ぜ水を分割して投入すると,硬化コンクリートの品質は低下する。
(3)重力式ミキサを用いれば,練り混ぜ時間を強制練りミキサより短くできる。
(4)高強度コンクリートや高流動コンクリートでは,通常のコンクリートより練り混ぜ時間が長くなる。
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正解は(4)

【解説】
(1)×誤り。コンクリート中の空気量は,適当な練り混ぜ時間のとき最適な値が得られますが,その後は徐々に減少します。
(2)×誤り。練り混ぜ水を分割して投入しても,投入量の合計が所定の量であれば,コンクリートの水セメント比は変らないので,硬化コンクリートの品質は低下しません。
(3)×誤り。ミキサの種類,性能により均質なコンクリートが得られる練り混ぜ時間は異なります。重力式ミキサは,強制練りミキサに比べて均質なコンクリートを得るための練り混ぜ時間は長いと考えてよいです。土木学会示方書では,練り混ぜ時間は,試験によって定めると規定し,解説で,練り混ぜ時間の試験を行わない場合は,その最小時間を重力式ミキサで1分30秒,強制練りミキサで1分を標準としてよいとしています。
(4)○正しい。高強度コンクリートは,高い強度を得るために水結合材比を小さくする必要があり,高い減水効果を有する高性能AE減水剤または高性能減水剤の使用が必要となります。また,通常のコンクリートに比し,単位結合材料が多く,また,セメント以外にシリカフューム,高炉スラグ微粉末等の混和材が使用される場合が多いです。したがって,高強度コンクリートの練り混ぜにあっては,粒子の細かいシリカフューム,高炉スラグ微粉末や高性能AE減水剤または高性能減水剤などの材料を均一な状態に分散させる必要があるため,練り混ぜ時間は,通常のコンクリートに比べ長くなる傾向があります。また,高流動コンクリートは,材料分離抵抗性を高めるために単位粉体量を多くしたり,増粘剤を使用することから,通常のコンクリートと比べて粘性が高く,所用の品質を得るために要する練り混ぜ時間は長くなる傾向にあります。

【No.90】

レディーミクストコンクリートの検査に関する次の記述のうち,JISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に照らして,誤っているものほどれか。
(1)高強度コンクリートの強度の試験頻度を,100m3に1回とした。
(2)強度の1回の試験結果は,任意の1運搬車から採取した3個の供試体の試験値の平均値とした。
(3)コンクリートの塩化物含有量を,工場出荷時に検査した。
(4)スランプおよび空気量の試験の結果,スランプの試験値だけが許容の範囲を外れたので,新しく試料を採取して,スランプだけ再試験を行った。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。JISA5308ー2009(レディーミクストコンクリート)では,「強度の試験頻度は,普通コンクリート,軽量コンクリート及び舗装コンクリートにあっては150m3について1回を,高強度コンクリートにあっては,100m3について1回を,それぞれ標準とする」と規定しています。
(2)○正しい。JISA5308では,「強度の1回の試験結果は,任意の1運搬車から採取した試料で作った,3個の供仕体の試験値の平均値で表す」と規定しています。
(3)○正しい。JISA5308では,「塩化物含有量の検査は,工場出荷時でも,荷卸し地点での所定の条件を満足するので,工場出荷時に行うことができる」と規定しています。
(4)×誤り。JISA5308では,「スランプ及び空気量の試験で一方又は両方が許容の範囲を外れた場合には,新しく試料を採取して,1回に限りスランプ及び空気量の試験を行い,その結果が両者とも規定に適合すれば合格と判定する」と規定しています。スランプだけが許容の範囲を外れた場合,新たに試料を採取して,スランプ及び空気量の試験を行わなければ,スランプ及び空気量の検査の合否判定ができません。
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