【過去問演習No.96-100】コンクリート技士 問題と解説

技士

【No.96】

JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)に適合する骨材の貯蔵設備として,次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)貯蔵設備は,種類,品種別に区切りをつけ,大小の粒が分離しにくい構造のものとした。
(2)貯蔵設備の床は,骨材中の過剰な水分を排出できる構造とした。
(3)貯蔵設備の容量は,コンクリートの1日の最大出荷量に必要な量の1/2とした。
(4)高強度コンクリートの製造に用いる骨材の貯蔵設備に,上屋を設けた。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。JIS A 5308では,「骨材の貯蔵設備は,種類別および区分別に仕切りをもち,大小の粒が分離しにくいものでなければならない」と規定しています。
(2)○正しい。JIS A 5308では,「床は,コンクリートなどとし,排水の処置を講じるとともに,異物が混入しないものでなければならない」と規定しています。
(3)×誤り。JIS A 5308では,「レディーミクストコンクリートの最大出荷量の1日分以上に相当する骨材を貯蔵できるものでなければならない」と規定しています。
(4)○正しい。高強度コンクリートの強度,ワーカビリティーなどの品質・性能は,通常のコンクリートに比べて,使用材料の変動,とくに骨材の表面水率の変動の影響を大きく受けるので,JIS A 5308では,「高強度コンクリートの製造に用いる骨材の貯蔵設備には必ず上屋を設けなければならない」と規定しています。

【No.97】

レディーミクストコンクリートに関する次の記述のうち,JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)に照らして,適当なものはどれか。
(1)コンクリートは練り混ぜを開始してから,1.5時間以内に荷卸しができるように運搬しなければならないが,購入者との協議で運搬時間の限度を変更できる。
(2)アルカリシリカ反応性による区分Aと区分Bの骨材を混合して使用する場合,区分Aの骨材の占める割合が全体の70%以上であれば,この骨材を区分Aとして取り扱うことができる。
(3)トラックアジテータなどの洗い水から骨材を取り除いて回収した残りのスラッジ水は,固形分率で5%を超えなければ練り混ぜ水として使用することができる。
(4)普通コンクリートでは,トラックアジテータのドラム内に残ったコンクリートに付着モルタル安定剤を加えて,新たに積み込むコンクリートと混合して使用することができる。
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正解は(1)

【解説】
(1)○正しい。JIS A 5308では,「コンクリートは,練り混ぜを開始してから1.5時間以内に荷卸しができるように,運搬しなければなりません。ただし,購入者と協議のうえ,運搬時間の限度を変更することができる」と規定しています。
(2)×誤り。JIS A 5308附属書A(レディーミクストコンクリート用骨材)では,「骨材の一部に,アルカリシリカ反応性試験による区分Bのものを混合した場合は,この骨材全体を無害であることが確認されていない骨材として取り扱わなければならない」と規定しています。したがって,区分Aの骨材の占める割合が全体の70%以上であるとしても,この骨材を区分Bとして取り扱わなければなりません。
(3)×誤り。JIS A 5308附属書C(レディーミクストコンクリートの練り混ぜに用いる水)では,「スラッジ水を用いる場合には,スラッジ固形分率が3%を超えてはならない」と規定しています。
(4)×誤り。JIS A 5308附属書D(トラックアジテータのドラム内に付着したモルタルの使用方法)は,「普通コンクリート及びこれを流動化したコンクリートの荷卸しを完了し,全量を排出した後のトラックアジテータのドラムの内壁,羽根などに付着しているフレッシュモルタルを付着モルタル安定剤を用いてスラリー状にし,新たに積み込むコンクリートと混合して使用する方法」について規定しています。したがって,ドラム内に残ったコンクリートに付着モルタル安定剤を加えたものは,新たに積み込むコンクリートと混合して使用することができません。

【No.98】

練り混ぜ水に関する次の記述のうち,JISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に照らして,適当なものはどれか。
(1)塩化物イオン(Cl)量の上限値は,上水道水以外の水よりも回収水の方が大きく規定されている。
(2)スラッジ水を用いる場合のスラッジ固形分率の上限値は,単位水量に対する割合で規定されている。
(3)回収水のうち上澄水には,アルカリ含有量の上限値が規定されている。
(4)上水道水以外の水には,懸濁物質の量の上限値が規定されている。
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正解は(4)

【解説】
(1)×誤り。JIS A 5308ー2003附属書3において,上水道水以外の水および回収水の塩化物イオン(Cl)量は,200ppm以下と規定されています。
(2)×誤り。JIS A 5308ー2003附属書3において,「スラッジ固形分率」は,「レディーミクストコンクリートの配合における,単位セメント量に対するスラッジ固形分の質量の割合を百分率で表したもの」と定義され,3%以下と上限値が規定されています。
(3)×誤り。JIS A 5308ー2003附属書3において,「回収水」は,「レディーミクストコンクリート工場で,洗浄によって発生する排水のうち,運搬車,プラントのミキサ,ホッパなどに付着したレディーミクストコンクリートおよび戻りコンクリートの洗浄排水を処理して得られるスラッジ水および上澄水の総称」と定義され,回収水の品質項目は,塩化物イオン(Cl)量(200ppm以下),セメントの凝結時間の差(始発:30分以内,終結:60分以内),モルタルの圧縮強さの比(材齢7日及び28日で90%以上)が規定されており,アルカリ含有量の上限値は規定されていません。
(4)○正しい。JIS A 5308ー2003附属書3において,上水道水以外の水には,回収水の品質項目のはか,懸濁物質の量(2g//以下)および溶解性蒸発残留物の量(1g//以下)が規定されています。

【No.99】

次の記述のうち,JISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に照らして,正しいものはどれか。
(1)スランプは,購入者が12cmを指定した場合,12±1.5cmの範囲内でなければならない。
(2)空気量は,購入者が指定した値に対して±2.5%以内でなければならない。
(3)コンクリートの強度は,1回の試験結果が購入者の指定した呼び強度の強度値の80%以上でなければならない。
(4)コンクリートの強度は,3回の試験結果の平均値が購入者の指定した呼び強度の強度値以上でなければならない。
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正解は(4)

【解説】
(1)×誤り。荷卸し地点でのスランプの許容差は,スランプ2.5cmにあっては±1cm,5cmおよび6.5cmにあっては±1.5cm,8cm以上18cm以下にあっては±2.5cm,21cmにあっては±1.5cm(呼び強度27以上で,高性能AE減水剤を使用する場合は,±2cm)と規定されています。スランプ12cmの場合,許容差は,±2.5cmであるので,スランプは12±2.5cmの範囲内であればよいです。
(2)×誤り。荷卸し地点での空気量の許容差は,±1.5%と規定されています。
(3)×誤り。コンクリートの強度は,1回の試験結果は,購入者が指定した呼び強度の強度値の85%以上でなければならないと規定されています。
(4)○正しい。コンクリートの強度は,3回の試験結果の平均値は,購入者が指定した呼び強度の強度値以上でなければならないと規定されています。

【No.100】

次の記述のうち,JISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に照らして,適当なものはどれか。
(1)購入者は,生産者と協議の上アルカリシリカ反応抑制対策の方法を指定した。
(2)コンクリートの塩化物含有量を,フレッシュコンクリート中の水の塩化物イオン濃度と配合設計に用いた単位水量の積として求めた。
(3)スランプの測定値が許容値の範囲を外れたので,運搬車から新たな試料を採取してスランプと空気量の試験を行った。
(4)強度試験用の供試体を,荷卸し地点で採取して現場水中養生を行った。
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正解は(1)

【解説】
(1)○正しい。購入者は,生産者と協議の上①セメントの種類,②骨材の種類,③粗骨材の最大寸法,④アルカリシリカ反応抑制対策の方法を指定することが規定されています。
(2)○正しい。コンクリートの塩化物含有量は,フレッシュコンクリート中の水の塩化物イオン濃度と配合設計に用いた単位水量の積として求めることが規定されています。
(3)○正しい。スランプおよび空気量は,必要に応じスランプおよび空気量の試験を適宜行い,それぞれが許容の範囲に入れば合格とします。この試験で,スランプおよび空気量の一方または両方が許容の範囲を外れた場合には,新しく試料を採取して1回に限りスランプおよび空気量の試験を行い,それぞれが許容の範囲に入れば合格とすることが規定されています。
(4)×誤り。強度試験用の供試体は,荷卸し地点で試料を採取し,供試体を作成し,型枠を取り外した後強度試験を行うまでの間,20±2℃での水中または湿潤な雰囲気中(相対湿度95%以上)で養生することが規定されています。
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