【過去問演習No.181-185】コンクリート技士 問題と解説

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【No.181】

コンクリート製品に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)即時脱型方式は,ボックスカルバートの製造に適している。
(2)常圧蒸気養生の温度降下過程においては,できるだけ急速に冷却するのがよい。
(3)オートクレーブ養生は,一般に常圧蒸気養生を終えたコンクリートの二次養生として行う。
(4)遠心力締め固めを行うと,断面の中心部ほどコンクリートの組織は緻密になる。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。即時脱型方式は,枕木や無筋コンクリート管,ブロック類など小さな断面や形状が簡単な製品に適した成形方法です。一方,ボックスカルバートは,下水道や共同溝,地下道,排水路等に使用され,大きいものでは一辺が3m以上のものもあります。
(2)×誤り。温度降下過程において温度を急激に下げると,コンクリート製品の外部と内部で急激な温度勾配が発生し,温度ひび割れが発生しやすくなります。これを防止するためには,大気温度と大差がなくなるまで徐々に温度を下げる必要があります。
(3)○正しい。オートクレーブ養生は高温高圧養生とも呼ばれ,高温高圧釜を用いて最高温度160~180℃,最高気圧8~11気圧程度の高温高圧下の飽和水蒸気中で養生を行う方法です。PCパイルなどの工場二次製品では,コンクリートの養生効率の向上および大きな熱変形の繰返しや発錆による型枠の損傷を防止するため,最初に常圧蒸気養生を行い,脱型した後,オートクレーブ養生を行うのが一般的です。
(4)×誤り。遠心力締め固め方式は,遠心力による水分の絞り出しと,回転時の振動による締め固め効果によって,強度と密度の高いコンクリート製品を製造するのに適した成型方法です。遠心力は回転軸の角速度(ω),回転半径(r),物体の質量(s)とすると,回転軸から遠ざかる方向にs・r・ω2の大きさをもつ。したがって,回転半径の大きい断面外側部分の方が内側部分よりも成形圧力が高くなり,密度,強度とも大きくなります。

【No.182】

鉄筋コンクリート梁の設計の考え方に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)せん断破壊よりも曲げ引張破壊が先行して生じるようにする。
(2)コンクリートの引張抵抗は無視し,引張力は主(鉄)筋に負担させる。
(3)圧縮力は,コンクリートに負担させ,圧縮側の主(鉄)筋は負担しないものとする。
(4)せん断力は,主にコンクリートとせん断補強(鉄)筋が負担する。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。引張鉄筋が降伏した後に破壊する曲げ引張破壊は破壊に至るまでに大きな変形を伴うのに対して,せん断破壊は変形が小さい段階で生じ,急激に耐力を失う。そのため,曲げ破壊が先行するように設計するのが基本です。
(2)○正しい。コンクリートの引張抵抗は無視し,引張力は主(鉄)筋に負担させます。これは,鉄筋コンクリート構造の基本です。
(3)×誤り。コンクリート中の鉄筋は圧縮力に対しても有効に働くので設計ではこれを考慮します。
(4)○正しい。せん断力は,主にコンクリートとせん断補強(鉄)筋が負担します。

【No.183】

鉄筋コンクリートはりに関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)かぶりコンクリートには,鉄筋の付着を確保する役割がある。
(2)補強鉄筋は,ひび割れと直角な方向に配置すると効率がよい。
(3)スターラップ(あばら筋)は,主としてはりの曲げ耐力を向上させる目的で配置する。
(4)引張鉄筋量が多いと,はりに生じる曲げひび割れ幅は小さくなる。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。鉄筋とコンクリートの付着は,とくに異形鉄筋の場合には鉄筋の節(突起)とコンクリートの機械的な噛み合せによって行われます。もし,かぶりコンクリートがなければ,かぶりに相当する部分での機械的な噛み合せが期待できなくなります。よって,付着を確保するうえでもかぶりは必要です。
(2)○正しい。コンクリートのひび割れは,作用する引張応力に対して直角の方向に発生します。補強鉄筋は引張力を負担させるために配置するのであるから,引張応力に平行,すなわちひび割れに直角な方向に配置するのが効果的です。
(3)×誤り。スターラップはせん断補強筋です。
(4)○正しい。引張鉄筋量が多ければ鉄筋の応力は低下し,鉄筋のひずみも小さくなります。ひび割れ部分での鉄筋の変形が小さければひび割れ幅も小さくなると考えてよいです。

【No.184】

鉄筋コンクリート部材の設計に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)圧縮鉄筋を配置すると,コンクリートの負担圧縮応力が小さくなる。
(2)はりや柱では,せん断破壊ではなく,曲げ破壊するように配筋する。
(3)せん断補強筋は,せん断耐力を増大させ,主(鉄)筋の座屈を防ぐために用いられる。
(4)鉄筋比が同じはりの曲げひび割れ幅を小さくするために,主(鉄)筋の径を大きくした。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。鉄筋コンクリートの断面に作用する圧縮力は,基本的にコンクリートで分担しますが,そこに(圧縮)鉄筋を配置すれば鉄筋も圧縮力を負担するので,その分,コンクリートの負担は減ることになります。
(2)○正しい。この記述は,鉄筋コンクリートの設計の基本です。せん断破壊はぜい性的であり,最大耐力に達すると急激に耐荷力を失い部材は一気に崩壊します。一方,曲げ破壊は延性的で,破壊に至るまでに耐力を保持した状態で大きな変形を生じるため,設計では曲げ破壊することを目指すのが基本です。
(3)○正しい。せん断補強筋がせん断耐力を増大させるために用いられことはいうまでもありません。地震時のように鉄筋コンクリート部材が大変形を生じる場合には,圧縮側のかぶりコンクリートが剥落し,圧縮鉄筋が座屈することで部材の耐力が低下することがあります。このような場合にせん断補強筋を圧縮鉄筋を取り囲むように配置することで,鉄筋の座屈を防止することができます。
(4)×誤り。曲げひび割れは鉄筋が引張力を受けてコンクリートから抜け出すことで生じます。鉄筋比は等しいので鉄筋の総断面積は等しく,鉄筋に作用する引張合力も等しいです。一方,コンクリートと付着する鉄筋の総表面積(付着面積),すなわち鉄筋の周長の合計は,鉄筋径が太くなるほど小さくなります。付着面積が小さくなれば同じ引張力を受けた場合に鉄筋は抜け出しやすくなります。よって鉄筋径を大きくするとひび割れ幅は大きくなります。

【No.185】

コンクリート構造の設計に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)鉄筋コンクリート部材は,せん断破壊が曲げ破壊より先行するように設計する。
(2)曲げモーメントが作用する鉄筋コンクリートはりにおいて,コンクリートの収縮量が大きくなると,ひび割れ幅は小さくなる。
(3)鉄筋コンクリート部材の設計においては,曲げ破壊よりもせん断破壊が先行して生じるようにする。
(4)鉄筋コンクリートはりの断面力の計算においては,コンクリートの軸方向のひずみは中立軸からの距離に比例すると仮定する。
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正解は(4)

【解説】
(1)×誤り。鉄筋コンクリートが曲げ破壊するときは,大きな変形を伴い延性的な性状を示します。一方,せん断破壊は脆性的であり,変形の小さい段階で急激に耐力を失う。そこで,設計ではせん断破壊をしないように,先に曲げ破壊するようにするのが基本です。
(2)×誤り。コンクリートが収縮すれば,ひび割れ幅は大きくなります。
(3)×誤り。鉄筋コンクリートの曲げ破壊は,延性的な(変形が大きい)破壊であるのに対して,せん断破壊は脆性的な(小さな変形で突然耐荷力を失う)破壊です。すなわち,曲げ破壊する場合には,終局に達するまでに大変形を生ずるため破壊の予兆をとらえることが可能であり,また,終局に至るまでに大きなエネルギーを吸収するため耐震構造としても有利です。一方,せん断破壊は破壊時の変形およびエネルギー吸収が小さく,突然,崩壊するため設計上好ましくありません。そのため,設計では一般的に曲げ破壊が先行するようにします。
(4)○正しい。鉄筋コンクリートの断面力(部材応力)の計算の基本仮定であり,平面保持の仮定と呼ばれ,別の表現をすると,「断面の軸方向ひずみは直線分布となる」ということです。
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