【過去問演習(3)No.21-25_材料】コンクリート技士 問題と解説

技士
【No3-5】聞き流し_コンクリート技士_一問一答
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【No.21】

コンクリート用化学混和剤の使用に関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)寒中期におけるコンクリートの初期の強度発現を促進するため,硬化促進剤を使用した。
(2)凍結融解の繰返し作用に対する抵抗性を確保するため,減水剤を使用した。
(3)暑中期におけるコールドジョイントを防止するため,遅延形のAE減水剤を使用した。
(4)高強度コンクリートを製造するため,高性能AE減水剤を使用した。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。硬化促進剤は,初期強度を促進するので,型枠存置時期の短縮や寒中期のコンクリートの硬化促進に使用されます。
(2)×誤り。減水剤は,微細な空気泡(エントレインドエア)を連行する作用はないので,凍結融解抵抗性を確保する場合には,AE減水剤を使用します。
(3)○正しい。遅延形のAE減水剤は,凝結遅延性を有しているので,暑中期のコンクリートのコールドジョイントの防止やスランプロスを低減するために使用されます。
(4)○正しい。高性能AE減水剤は,高い減水性能と優れたスランプ保持性能を有しているので,高強度コンクリートや高流動コンクリートに使用されます。なお,高強度コンクリートを製造する場合には,高性能減水剤が最適です。

【No.22】

コンクリート用化学混和剤に関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)ケミカルプレストレスを導入するため,膨張材をコンクリートの結合材として単位量50kg/m3で使用した。
(2)JISA6204(コンクリート用化学混和剤)の規定では,化学混和剤の性能として,長さ変化比が規定されている。
(3)混合セメントでは,混合材の分量が多くなるほど密度は小さくなる。
(4)流動化剤のスランプ保持性能は,高性能AE減水剤と同等である。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。ケミカルプレストレスとは,コンクリートの膨張を鉄筋などの拘束によりコンクリートに導入される圧縮応力のことです。膨張材を使用したコンクリートは,乾燥収縮によるひび割れ発生の抑制を目的とした収縮補償コンクリートとケミカルプレストレスの導入を目的としたケミカルプレストレストコンクリートに大別されます。収縮補償コンクリートの場合,単位膨張材量を20~30kg/m3,ケミカルプレストレストコンクリートの場合,50kg/m3程度とされています。
(2)○正しい。JISA6204-2011(コンクリート用化学混和剤)には,AE剤,高性能減水剤,硬化促進剤,減水剤,AE減水剤,高性能AE減水剤,流動化剤があり,すべての混和剤に長さ変化比が規定されています。長さ変化比とは,試験コンクリートの長さ変化率と基準コンクリートの長さ変化率の比(%)です。ちなみにAE剤,減水剤,AE減水剤,流動化剤は120%以下,硬化促進剤は130%以下,高性能AE減水剤と高性能減水剤は110%以下で混和剤の種類により規定値は異なります。
(3)○正しい。一般的に混合セメントとしては,高炉セメント,フライアッシュセメントなどが用いられています。高炉セメントに混合される高炉スラグ微粉末の密度は2.90g/cm3程度,フライアッシュセメントの混合されるフライアッシュの密度は2.1g/cm3程度でセメントの密度より小さいです。したがって混合材の分量が多くなるほど混合セメントの密度は小さくなります。普通ポルトランドセメントの密度は3.15程度ですが,高炉B種は3.04程度,フライアッシュB種は2.95程度です。
(4)×誤り。高性能AE減水剤は,流動化剤を添加した流動化コンクリートの経過時間に伴うスランプ低下を改善するために開発されたものであり,優れたスランプ保持性能を有した混和剤です。したがって高性能AE減水剤を使用したコンクリートは,流動化剤を使用したコンクリートよりスランプ保持性能は優れており,同等ではありません。

【No.23】

次の品質のうち,JISA5308附属書C(レディーミクストコンクリートの練り混ぜに用いる水)の規定に照らして,回収水の品質の項目に含まれていないものはどれか。
(1)懸濁物質の量は,回収水の品質の項目に含まれていない。
(2)塩化物イオン(Cl)量は,回収水の品質の項目に含まれていない。
(3)セメントの凝結時間の差は,回収水の品質の項目に含まれていない。
(4)モルタルの圧縮強さの比は,回収水の品質の項目に含まれていない。
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正解は(1)

【解説】
(1)○正しい。回収水の品質には,塩化物イオン量の上限値,セメントの凝結時間の差,モルタルの圧縮強さの比が規定されています。回収水の品質項目には,懸濁物質の量が含まれていません。
(2)×誤り。回収水の品質には,塩化物イオン量の上限値,セメントの凝結時間の差,モルタルの圧縮強さの比が規定されています。
(3)×誤り。回収水の品質には,塩化物イオン量の上限値,セメントの凝結時間の差,モルタルの圧縮強さの比が規定されています。
(4)×誤り。回収水の品質には,塩化物イオン量の上限値,セメントの凝結時間の差,モルタルの圧縮強さの比が規定されています。

【No.24】

呼び強度が27のコンクリートに使用する練り混ぜ水に関する次の記述のうち,JISA5308附属書C(レディーミクストコンクリートの練り混ぜに用いる水)の規定に照らして,正しいものはどれか。
(1)呼び強度が27のコンクリートに使用する練り混ぜ水として,工業用水を,品質試験を行わずに練り混ぜ水として使用した。
(2)呼び強度が27のコンクリートに使用する練り混ぜ水として,地下水を,品質試験を行わずに練り混ぜ水として使用した。
(3)呼び強度が27のコンクリートに使用する練り混ぜ水として,上澄水を,品質試験を行わずに上水道水と混合して練り混ぜ水として使用した。
(4)呼び強度が27のコンクリートに使用する練り混ぜ水として,スラッジ固形分率が1.0%であったスラッジ水を,購入者と協議せずに練り混ぜ水として使用した。
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正解は(4)

【解説】
(1)×誤り。工業用水は,上水道水以外の水として定義されています。工業用水を練り混ぜ水として用いる場合,JISA5308に規定する上水道水以外の品質試験に適合していなければなりません。
(2)×誤り。地下水は,上水道水以外の水として定義されています。地下水を練り混ぜ水として用いる場合JISA5308に規定する上水道水以外の品質試験に適合していなければなりません。
(3)×誤り。上澄水は,スラッジ水から,スラッジ固形分を沈降,その他の方法で取り除いた水で,回収水として定義されています。上澄水を練り混ぜ水として用いる場合,JISA5308に規定する回収水としての品質試験に適合していなければなりません。上水道水は,とくに試験を行わなくても用いることができますが,2種類以上の水を混合して用いる場合には,それぞれの水の品質規定に適合していなければなりません。
(4)○正しい。スラッジ水を用いる場合には,スラッジ固形分率が3.0%をこえてはなりません。スラッジ固形分が1%であったスラッジ水であれば,購入者と協議せずに練り混ぜ水として使用できます。ただし,呼び強度50,55,60の高強度コンクリートにはスラッジ水を練り混ぜ水として適用できません。

【No.25】

コンクリートの練り混ぜ水に関する次の記述のうち,JISA5308(レディーミクストコンクリート)およびJISA5308附属書C(レディーミクストコンクリートの練り混ぜに用いる水)の規定に照らして,誤っているものはどれか。
(1)スラッジ水は,高強度コンクリートの練り混ぜ水として使用できる。
(2)回収水の品質には,モルタルの圧縮強さの比の下限値が規定されている。
(3)上水道水以外の水の品質には,懸濁物質の量の上限値が規定されている。
(4)回収水と井戸水を混合して使用する場合,それぞれの水の品質規定に適合していなければならない。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。スラッジ水は,呼び強度45以下のコンクリートには使用できますが,呼び強度50,55,60の高強度コンクリートの練り混ぜ水としては使用できません。
(2)○正しい。回収水の品質には,塩化物イオン量の上限値(200ppm以下),セメントの凝結時間の差(始発は30分以内,終結は60分以内),モルタルの圧縮強さ比の下限値(材齢7日および28日で90%以上)が規定されています。
(3)○正しい。上水道水以外の水の品質には,懸濁物質の量の上限値(2g/L以下),溶解性蒸発残留物の量の上限値(1g/L以下),塩化物イオン量の上限値(200ppm以下),セメントの凝結時間の差(始発は30分以内,終結は60分以内),モルタルの圧縮強さ比の下限値(材齢7日および28日で90%以上)が規定されています。
(4)○正しい。2種類以上の水を混合して用いる場合には,それぞれの水(上水道水,上水道水以外の水,回収水)の品質の規定に適合していなければなりません。
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