【過去問演習(2)No.181-185_構造】コンクリート技士 問題と解説

技士

【No.181】

鉄筋コンクリート梁の設計に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)せん断耐力を高めるために,スターラップ(あばら筋)を多く配置する。
(2)曲げ耐力を高めるために引張主(鉄)筋量を多くする。
(3)曲げ耐力の算定において,コンクリートは引張力を負担しないものと考える。
(4)引張主(鉄)筋の継手は,曲げモーメントが最大となる位置に設けるのが良い。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。スターラップはせん断補強筋であり,せん断耐力を高めるために配置します。
(2)○正しい。通常の鉄筋量の場合,曲げ耐力は引張鉄筋量にほぼ比例すると考えてよいです。ただし,限度(釣合い鉄筋比)を超えると鉄筋の降伏より圧縮縁コンクリートの圧壊が先行するようになるため,鉄筋量を多くしても耐力は増加しなくなります。
(3)○正しい。曲げ耐力の算定において,コンクリートは引張力を負担しないものと考えます。
(4)×誤り。引張鉄筋の継手は部材の破壊の起点になる可能性があるため,曲げモーメントが最大,すなわち鉄筋応力が最大となる位置は避けなければなりません。

【No.182】

鉄筋コンクリート部材の設計に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)柱の脆性的な破壊を防止するために曲げ耐力がせん断耐力よりも人きくなるようにする。
(2)柱の軸耐力を高めるためにコンクリートの圧縮強度を高くする。
(3)梁のせん断耐力を高めるために,スターラップ(あばら筋)の配置間隔を小さくする。
(4)梁の曲げ耐力を高めるために引張主(鉄)筋量を多くする。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。せん断破壊は脆性的な破壊です。曲げ耐力をせん断耐力より大きくすると曲げ破壊する前にせん断破壊することになり望ましくまありせん。
(2)○正しい。柱の軸耐力とは圧縮破壊耐力のことであり,コンクリートの圧縮強度を高くすれば柱の軸耐力は高くなります。
(3)○正しい。スターラップはせん断補強に用いる鉄筋であり,配置間隔を狭くするとスターラップの数が増え,柱のせん断耐力は高くなります。
(4)○正しい。引張主筋は曲げ補強に用いる鉄筋であり,梁の曲げ耐力を高めるために引張主(鉄)筋量を多くします。

【No.183】

鉄筋コンクリート部材の設計に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)曲げ耐力の算定において,コンクリートの引張応力は無視する。
(2)曲げ耐力の算定において,断面に生じるひずみは中立軸からの距離に比例するものとする。
(3)コンクリートに加えて軸方向鉄筋にも圧縮力を分担させる。
(4)曲げ耐力がせん断耐力よりも大きくなるようにする。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。曲げ耐力の算定において,コンクリートの引張応力は無視します。
(2)○正しい。曲げ耐力の算定において,断面に生じるひずみは中立軸からの距離に比例するものとします。
(3)○正しい。コンクリートに加えて軸方向鉄筋にも圧縮力を分担させます。
(4)×誤り。設計では部材が曲げ破壊し,せん断破壊しないようにします。したがって,せん断耐力を曲げ耐力より大きくなるようにする必要があります。

【No.184】

鉄筋コンクリート梁の設計に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)かぶりコンクリートには,鉄筋とコンクリートの付着を確保する役割がある。
(2)梁の変形能力を高めるためには,降伏強度の高い主(鉄)筋を使用する。
(3)梁に作用するせん断力は,主にコンクリートとスターラップ(あばら筋)が分担する。
(4)梁の曲げ耐力を高めるためには,引張主(鉄)筋量を多くする。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。かぶりコンクリートには,鉄筋とコンクリートの付着を確保する役割があります。
(2)×誤り。梁の変形能力を大きくするためには,圧縮側のコンクリートに十分な余裕をもたせて鉄筋を降伏させ,鉄筋に大きな引張ひずみが生じるようにする必要があります。したがって,降伏強度の高い主筋を用いると,圧縮側のコンクリートの余裕が小さくなり,梁の変形能は低下します。
(3)○正しい。梁に作用するせん断力は,主にコンクリートとスターラップ(あばら筋)が分担します。
(4)○正しい。梁の曲げ耐力を高めるためには,引張主(鉄)筋量を多くします。

【No.185】

鉄筋コンクリート梁の設計に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)せん断力は,あばら筋(スターラップ)のみが負担する。
(2)引張主(鉄)筋の継手は,曲げモーメントが最大となる位置に設ける。
(3)曲げひび割れは,引張主(鉄)筋が降伏すると発生する。
(4)かぶりコンクリートは,鉄筋との付着を確保する役割を有する。
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正解は(4)

【解説】
(1)×誤り。設計では,せん断力はコンクリートとせん断補強筋の両方で分担すると考えます。
(2)×誤り。曲げモーメントが最大となる位置で引張鉄筋の応力も最大となるので,継手をその位置に設けるのは不適当です。
(3)×誤り。曲げひび割れはコンクリートに作用する引張応力がひび割れ強度をこえると発生します。
(4)○正しい。かぶりコンクリートは付着を確保する役割を有します。また、鉄筋の保護(耐腐食,耐火など)の役割も有しています。
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