【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.2-10)基本問題10_初期欠陥、温度ひび割れ、エフロ、表面さび汁

診断士問題と解説

コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-10

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【No.46】

現場打ちコンクリートのボックスカルバートに発生する可能性の高い初期欠陥に関する記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)現場打ちコンクリートのボックスカルバートは,天井面,頂版下面に、砂すじが生じやすい。
(2)現場打ちコンクリートのボックスカルバートは,側壁のセパレータ付近に、沈下ひび割れが生じやすい。
(3)現場打ちコンクリートのボックスカルバートは,側壁の下部に、ジャンカが生じやすい。
(4)現場打ちコンクリートのボックスカルバートは,側壁下部のハンチ部分に,表面気泡が生じやすい。
クリックで【No.46】の解答と解説をみる

正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。砂すじは,側壁や柱部に生じるため,現場打ちコンクリートのボックスカルバートの天井面には生じにくいです。
(2)○正しい。現場打ちコンクリートのボックスカルバートでは,コンクリートの沈降の途中にセパレータがあると沈降の大きさに差が生じて,沈下ひび割れが生じやすいです。
(3)○正しい。ジャンカは、粗骨材だけが集まって出来た空隙の多い不均質な部分をいい,高い位置からの落下などの打込み不良が原因として考えられ、現場打ちコンクリートのボックスカルバートでは,側壁の下部などに生じやすいです。
(4)○正しい。表面気泡は、構造物のハンチなど,傾斜面を有する箇所に生じやすいです。

【No.47】

鉄筋コンクリート構造物に発生するひび割れに関する記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)収縮ひび割れは,壁が柱および下端の底版に拘束されている薄い壁に,水平方向にひび割れが発生する。
(2)コールドジョイントは,柱から壁にかけて連続している水平方向のひび割れで、不適切な打ち継ぎにより発生する。
(3)沈下ひび割れは,壁のコンクリートの沈下が、柱のコンクリートに拘束されるため、壁の両端から中央に向けて斜め方向にひび割れが発生し,特に急速な打込みを行うと発生しやすい。
(4)壁の両端に向かって発生する斜めひび割れは、壁の鉄筋量不足や地震により発生する。
クリックで【No.47】の解答と解説をみる

正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。収縮ひび割れは,壁が柱および下端の底版に拘束されている薄い壁に,鉛直方向にひび割れが発生します。
(2)○正しい。コールドジョイントは,柱から壁にかけて連続している水平方向のひび割れで、不適切な打ち継ぎにより発生します。
(3)○正しい。沈下ひび割れは,壁のコンクリートの沈下が、柱のコンクリートに拘束されるため、壁の両端から中央に向けて斜め方向にひび割れが発生し,特に急速な打込みを行うと発生しやすいです。
(4)○正しい。壁の両端に向かって発生する斜めひび割れは、壁の鉄筋量不足や地震により発生することがあります。

【No.48】

鉄筋コンクリート構造に発生するひび割れうち,温度変化に起因する応力により発生したものとは考えられないものはどれか。
(1)煙突の筐体では,煙突外面の日射による膨張と内面の収縮により,外面全体に縦に温度ひび割れが発生する。
(2)無開口の倉庫外壁では,温度変化により屋上スラブが日射により膨張し,建物上面外側へ引張力が働き,上面に斜めの温度ひび割れが発生する。
(3)橋梁の高欄は,部材の厚さが薄く,温度変化により鉛直方向のひび割れが発生する。
(4)擁壁は,部材の厚さが厚く,底版を先に打込み,その後側壁部分を打ち込むことにより,水和発熱による部材温度の上昇とその後の温度低下による温度収縮を他部材により拘束されるため,温度変化によるひび割れが発生する。
クリックで【No.48】の解答と解説をみる

正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。煙突の筐体では,煙突外面の日射による膨張と内面の収縮により,外面全体に縦に温度ひび割れが発生します。
(2)○正しい。無開口の倉庫外壁では,温度変化により屋上スラブが日射により膨張し,建物上面外側へ引張力が働き,上面に斜めの温度ひび割れが発生します。
(3)×誤り。橋梁の高欄は,部材の厚さが薄く,乾燥収縮による鉛直方向のひび割れが発生します。
(4)○正しい。擁壁は,部材の厚さが厚く,底版を先に打込み,その後側壁部分を打込むことにより,水和発熱による部材温度の上昇とその後の温度低下による温度収縮を他部材により拘束されるため,温度変化によるひび割れが発生します。

【No.49】

コンクリートに発生するエフロレッセンスに関する対の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)一次エフロレッセンスには,可溶性の硫酸ナトリウムが含まれる。
(2)一次エフロレッセンスには,可溶性の炭酸カルシウムが含まれる。
(3)一次エフロレッセンスには,適度な風がある乾燥状態の場所で発生する。
(4)二次エフロレッセンスは,雨水や地下水などの外部の水がコンクリート中に侵入した場合に生じる。
クリックで【No.49】の解答と解説をみる

正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。一次エフロレッセンスには,可溶性の硫酸ナトリウムが含まれます。
(2)×誤り。一次エフロレッセンスには,難溶性の炭酸カルシウムが含まれます。
(3)○正しい。一次エフロレッセンスには,適度な風がある乾燥状態の場所で発生します。
(4)○正しい。二次エフロレッセンスは,雨水や地下水などの外部の水がコンクリート中に侵入した場合に生じます。

【No.50】

コンクリート表面に生じる,さび汁に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)コンクリート表面に生じるさび汁は,コンクリートが中性化していなくても発生する。
(2)コンクリート表面に生じるさび汁の主成分は,塩化鉄である。
(3)コンクリート表面に生じるさび汁は,エフロレッセンスの発生を伴わない。
(4)コンクリート表面に生じるさび汁は、ひび割れが生じないと発生しない。
クリックで【No.50】の解答と解説をみる

正解は(1)

【解説】
(1)○正しい。さび汁は,中性化していなくても,鋼材腐食により生じます。
(2)×誤り。さび汁の主成分は,酸化鉄に多くみられます。
(3)×誤り。さび汁は,コンクリートの可溶性成分を運ぶ場合があるため,エフロレッセンスの発生を伴うことが多いです。
(4)×誤り。さび汁は,ひび割れがなくても,コンクリート表面に現れた鋼材の腐食生成物によっても発生することがあります。
タイトルとURLをコピーしました