コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-40
このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。
【No.196】
疲労により劣化した道路橋RC床版に対する補修,補強対策の目的と工法に関する次の記述のうち,最も適当なものはどれか。
(1)疲労により劣化した道路橋RC床版に生じたひび割れの開閉を抑制するために,鋼繊維補強コンクリートによる上面増厚工法を用いた。
(2)疲労により劣化した道路橋RC床版に生じたひび割れの開閉を抑制するために,床版下面へのFRP接着工法を用いた。
(3)疲労により劣化した道路橋RC床版のせん断剛性を増加するために,モルタル吹付けによる下面増厚工法を用いた。
(4)疲労により劣化した道路橋RC床版の曲げ剛性を増加するために,床版下面へのFRP接着工法を用いた。
クリックで【No.196】の解答と解説をみる
正解は(2)
【解説】
(1)×誤り。鋼繊維補強コンクリートによる上面増厚工法の主な目的は,押抜きせん断に対する耐荷性能を向上させることです。曲げ剛性の増加は期待できません。
(2)○正しい。床版下面へのFRP接着工法は,曲げ耐力の向上を目的として実施されるものであり,ひび割れの開閉を抑制する効果が期待できます。
(3)×誤り。モルタル吹付けによる下面増厚工法は,曲げ剛性を増加させ,ひび割れの開閉を抑制する効果が期待できます。せん断剛性の増加は期待できません。
(4)×誤り。床版下面へのFRP接着工法は,曲げ耐力の向上を目的として実施されるものであり,曲げ剛性の向上の効果は期待できません。
【No.197】
道路橋鉄筋コンクリート床版の上面増厚工法に関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)道路橋鉄筋コンクリート床版の上面増厚工法において,交通規制の時間的制約に対応するため,超速硬セメントを用いた。
(2)道路橋鉄筋コンクリート床版の上面増厚工法において,新旧コンクリートの打継ぎ部の一体性を確保するため,床版上面の表面処理にハンドブレーカーを用いた。
(3)道路橋鉄筋コンクリート床版の上面増厚工法において,荷重作用によるひび割れ幅を抑制するため,鋼繊維補強コンクリートを用いた。
(4)道路橋鉄筋コンクリート床版の上面増厚工法において,乾燥収縮によるひび割れの発生を抑制するため,スランプ5cmのコンクリートを用いた。
クリックで【No.197】の解答と解説をみる
正解は(2)
【解説】
(1)○正しい。道路橋鉄筋コンクリート床版の上面増厚工法において,交通規制の時間的制約に対応するため,超速硬セメントを用います。
(2)×誤り。既設コンクリートのはつり処理はウォータージェット工法が採用されます。ハンドブレーカーはコンクリートを破壊する場合に使用しますが,はつり処理では使用しません。
(3)○正しい。道路橋鉄筋コンクリート床版の上面増厚工法において,荷重作用によるひび割れ幅を抑制するため,鋼繊維補強コンクリートを用います。
(4)○正しい。道路橋鉄筋コンクリート床版の上面増厚工法において,乾燥収縮によるひび割れの発生を抑制するため,スランプ5cmのコンクリートを用います。
【No.198】
鉄筋コンクリート単純桁橋の変状とその対策に関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)鉄筋コンクリート単純桁橋に,過剰な振動が生じたため,鋼繊維補強コンクリートによる桁上面の増厚を行った。
(2)鉄筋コンクリート単純桁橋に,過剰な振動が生じたため,連続繊維補強シートの桁側面への接着を行った。
(3)鉄筋コンクリート単純桁橋に,過大なたわみが生じたため,外ケーブルを設置した。
(4)鉄筋コンクリート単純桁橋に,過大なたわみが生じたため,桁のスパン中央に橋脚の増設を行った。
クリックで【No.198】の解答と解説をみる
正解は(2)
【解説】
(1)○正しい。鋼繊維補強コンクリートによる桁上面の増厚工法は,補強前の断面より増厚した分の断面が大きくなり,断面剛性が大きくなります。その結果として振動は小さくなります。
(2)×誤り。連続繊維シートの桁側面への接着工法は,補強前の断面はほとんど変わりません。断面剛性が大きくならないので,振動は小さくなりません。
(3)○正しい。外ケーブルを設置すると,桁に上向きの力が働くことになり,たわみは小さくなります。
(4)○正しい。桁のスパン中央に橋脚を増設すると,支点間隔が半分になり,曲げモーメントが小さくなります。よって,たわみは小さくなります。
【No.199】
道路橋コンクリート床版の下面に,ひび割れが生じていたため,炭素繊維シートを格子状に貼り付けて補強した。その補強工法に期待される効果として,不適当なものはどれか。
(1)道路橋コンクリート床版の下面に,ひび割れが生じていたため,炭素繊維シートを格子状に貼り付けて補強した。その補強工法に期待される効果として,疲労耐久性の向上がある。
(2)道路橋コンクリート床版の下面に,ひび割れが生じていたため,炭素繊維シートを格子状に貼り付けて補強した。その補強工法に期待される効果として,せん断耐力の向上がある。
(3)道路橋コンクリート床版の下面に,ひび割れが生じていたため,炭素繊維シートを格子状に貼り付けて補強した。その補強工法に期待される効果として,曲げ耐力の向上がある。
(4)道路橋コンクリート床版の下面に,ひび割れが生じていたため,炭素繊維シートを格子状に貼り付けて補強した。その補強工法に期待される効果として,ひび割れの開閉抑制がある。
クリックで【No.199】の解答と解説をみる
正解は(2)
【解説】
(1)○正しい。炭素繊維シート接着工法には,疲労耐久性の向上が期待できます。
(2)×誤り。炭素繊維シート接着工法は,増厚工法と異なり,せん断耐力の向上や断面剛性の向上は期待できません。
(3)○正しい。炭素繊維シート接着工法は,床版の下面にシートを格子状に張付けた場合は,引張力に対向するため疲労耐久性,押抜きせん断耐力,曲げ剛性を向上し,ひび割れの開閉を抑制する効果が期待できます。
(4)○正しい。炭素繊維シート接着工法は,床版の下面にシートを格子状に張付けた場合は,引張力に対向するため疲労耐久性,押抜きせん断耐力,曲げ剛性を向上し,ひび割れの開閉を抑制する効果が期待できます。
【No.200】
こて仕上げを行ったスラブコンクリートに,硬化後に表層のはく離が生じた。このはく離に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)コンクリートのブリーディングが生じている途中で,過剰なこてがけやタンピングにより表面を仕上げると,材料分離が生じる。
(2)コンクリートの表面に材料分離が生じると,脆弱層が形成されることにより,表層がはく離する。
(3)コンクリートの単位セメント量が多くなると,表面はく離が顕著になることがある。
(4)スラブコンクリート表面の押さえ仕上に用いられる騎乗式機械ごては表層はく離の原因となる。
クリックで【No.200】の解答と解説をみる
正解は(3)
【解説】
(1)○正しい。コンクリートのブリーディングが生じている途中で,過剰なこてがけやタンピングにより表面を仕上げると,材料分離が生じます。
(2)○正しい。コンクリートの表面に材料分離が生じると,脆弱層が形成されることにより,表層がはく離します。
(3)×誤り。コンクリートのブリーディング量が多くなると,表面はく離が顕著になることがあります。
(4)○正しい。スラブコンクリート表面の押さえ仕上に用いられる騎乗式機械ごては表層はく離の原因となります。