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【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.2-46)

診断士問題と解説

コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-46

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【No.226】

輪荷重が繰り返し作用する道路橋鉄筋コンクリート床版の押抜きせん断耐力の算定式に関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)輪荷重が繰り返し作用する鉄筋コンクリート床版は,床版が梁状化した後,載荷面端部から45°以下で,せん断ひび割れが発生し,床版を貫通して疲労破壊に至ると考えられる。
(2)床版の押抜きせん断耐力は,圧縮領域のコンクリートのせん断抵抗力が寄与する。
(3)床版の押抜きせん断耐力は,引張鉄筋のダウエル効果による抵抗力が寄与する。
(4)押抜きせん断耐力を向上させるために,引張側を高強度のコンクリートで増厚する。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。輪荷重が繰り返し作用する鉄筋コンクリート床版は,床版が梁状化した後,載荷面端部から45°以下で,せん断ひび割れが発生し,床版を貫通して疲労破壊に至ると考えられます。
(2)○正しい。床版の押抜きせん断耐力は,圧縮領域のコンクリートのせん断抵抗力が寄与します。
(3)○正しい。床版の押抜きせん断耐力は,引張鉄筋のダウエル効果による抵抗力が寄与します。鉄筋に作用するダウエル作用というのは,鉄筋の軸方向と直角方向に作用する力をいいます。せん断力によって生じたひび割れに平行した力が作用した時に,その面に交差する鉄筋にダウエル作用が生じ,鉄筋はせん断力に抵抗します。
(4)×誤り。圧縮側領域のコンクリートを高強度のコンクリートで増厚し,押抜きせん断耐力を向上させることができます。

【No.227】

コンクリートにより生じる側圧が大きくなると型枠が変形し,コンクリートに不陸が生じる場合がある。この側圧が大きくなる要因として,次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)コンクリートの側圧が大きくなる要因として,打ち込み時のコンクリート温度が高いことが挙げられる。
(2)コンクリートの側圧が大きくなる要因として,打ち込み時のスランプフローが大きいことが挙げられる。
(3)コンクリートの側圧が大きくなる要因として,打ち込み時の速度が早いことが挙げられる。
(4)コンクリートの側圧が大きくなる要因として,打ち重ね時間間隔が短いことが挙げられる。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。コンクリート温度が高くなると,粘性が高くなり,側圧は小さくなる傾向になります。
(2)○正しい。コンクリートの側圧が大きくなる要因として,打ち込み時のスランプフローが大きいことが挙げられます。
(3)○正しい。コンクリートの側圧が大きくなる要因として,打ち込み時の速度が早いことが挙げられます。
(4)○正しい。コンクリートの側圧が大きくなる要因として,打ち重ね時間間隔が短いことが挙げられます。

【No.228】

化学平衡論の観点からみたコンクリートの中性化進行のメカニズムに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)コンクリートに侵入した二酸化炭素は,細孔溶液中で炭酸イオンとなり,カルシウムイオンと反応し,溶解度が小さい炭酸カルシウムとして沈積する。
(2)コンクリートに侵入した二酸化炭素の反応により,細孔溶液中のカルシウムイオンが消費される。
(3)コンクリート中の中性化により,カルシウムイオンの濃度の平衡により固相に存在する水酸化カルシウムが細孔溶液中に溶解する。
(4)コンクリート中の中性化は,ナトリウムイオンやカリウムイオンなどが多い場合は,細孔溶液が高アルカリ性を維持するため,水酸化カルシウムの溶解がより進み,中性化の進行がより遅くなる。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。コンクリートに侵入した二酸化炭素は,細孔溶液中で炭酸イオンとなり,カルシウムイオンと反応し,溶解度が小さい炭酸カルシウムとして沈積します。
(2)○正しい。コンクリートに侵入した二酸化炭素の反応により,細孔溶液中のカルシウムイオンが消費されます。
(3)○正しい。コンクリート中の中性化により,カルシウムイオンの濃度の平衡により固相に存在する水酸化カルシウムが細孔溶液中に溶解します。
(4)×誤り。コンクリート中の中性化は,ナトリウムイオンやカリウムイオンなどが多い場合は,細孔溶液が高アルカリ性を維持するため,炭酸ナトリウムや炭酸カリウムと比べ,溶解度が低い炭酸カルシウムの生成反応が優先的に進行するため,水酸化カルシウムの溶解がより進み,中性化の進行がより速くなります。

【No.229】

アルカリシリカ反応性を有する骨材に関する,次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)アルカリ骨材反応性を有する骨材に関し,わが国における火成岩のうち,反応性を示す可能性が高いものは火山岩である。
(2)アルカリシリカ反応性を有する骨材に関し,深成岩や半深成岩では,反応性はほとんど認められていない。
(3)火山岩では,マグマの冷却速度が深成岩より速く,カルサイトなどの不安定な結晶や非晶質物質が生成されやすいため,アルカリ反応性を示す可能性が高い。
(4)アルカリシリカ反応性を有する代表的な火山岩には,安山岩がある。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。アルカリシリカ反応を引き起こす可能性の高い鉱物としては,火山岩があります。
(2)○正しい。アルカリシリカ反応性を有する骨材に関し,深成岩や半深成岩では,反応性はほとんど認められていません。
(3)×誤り。カルサイト,ローモンサイトはアルカリシリカ反応を引き起こさしせん。火山岩では,マグマの冷却速度が深成岩より速く,トリディマイトなどの不安定な結晶や非晶質物質が生成されやすいため,アルカリ反応性を示す可能性が高いです。
(4)○正しい。アルカリシリカ反応性を有する代表的な火山岩には,安山岩があります。

【No.230】

火災等の高熱を受けたときのセメントペーストと骨材の体積変化に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)コンクリートが加熱されると骨材は膨張し。セメントペーストは100℃までは膨張する。
(2)コンクリートが加熱され,100℃を超えると,セメントペーストの水和物中の結晶水が脱水するため,収縮する。
(3)コンクリートが加熱され,400℃以上になると,セメント水和物が変質し,コンクリート中の骨材とセメントペーストの付着境界面では,微細なひび割れが誘発され,破壊が進行する。
(4)コンクリートが加熱され,400℃以上になると,微細なひび割れが誘発され,破壊が進行するため,コンクリートの圧縮強度が大きく低下する。石英質を含む骨材では,約600℃付近で骨材の溶解により急激な膨張を呈する。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。コンクリートが加熱されると骨材は膨張し。セメントペーストは100℃までは膨張します。
(2)○正しい。コンクリートが加熱され,100℃を超えると,セメントペーストの水和物中の結晶水が脱水するため,収縮します。
(3)○正しい。コンクリートが加熱され,400℃以上になると,セメント水和物が変質し,コンクリート中の骨材とセメントペーストの付着境界面では,微細なひび割れが誘発され,破壊が進行します。
(4)×誤り。コンクリートが加熱され,400℃以上になると,微細なひび割れが誘発され,破壊が進行するため,コンクリートの弾性係数が大きく低下します。なお,強度低下は,300℃まではそれほどでもありません。石英質を含む骨材では,約600℃付近で骨材の結晶形態の変化により急激な膨張を呈します。
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