【(択一式)土地家屋調査士】過去問の学習記録(No161~165)<一問一答:○×形式>

土地家屋調査士

【No.161-(1)】

民法 の 無効、取消し に関する問題
「取り消すことができる」法律行為は、行為の後一定の期間が経過することにより、確定的に有効となる場合がある。
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〇正しい。

【解説】取り消すことができる法律行為は、放置しておくと取り消すことができなくなり、確定的に有効とされる。
関連条文:民法126条
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第126条
1 取消権は、追認をすることができる時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。行為の時から20年を経過したときも、同様とする。

【No.161-(2)】

民法 の 無効、取消し に関する問題
「取り消すことができる」法律行為は、だれでもその効力がない旨を主張することができる。
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×誤り。

【解説】「取り消すことができる」法律行為は、特定人(取消権者)の主張(取消し)があって初めて効力をしなう。
関連条文:民法120条
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第120条
1 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者(他の制限行為能力者の法定代理人としてした行為にあっては、当該他の制限行為能力者を含む。)又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。
2 錯誤、詐欺又は強迫によって取り消すことができる行為は、瑕疵かしある意思表示をした者又はその代理人若しくは承継人に限り、取り消すことができる。

【No.161-(3)】

民法 の 無効、取消し に関する問題
「取り消すことができる」法律行為は、その効力がない旨の主張をした時から将来に向かってのみ、効力を失う。
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×誤り。

【解説】「取り消すことができる」法律行為は、取消しがない間は効力があるが、取り消されると最初から効力がなくなる。
関連条文:民法121条
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第121条
1 取り消された行為は、初めから無効であったものとみなす。

【No.161-(4)】

民法 の 無効、取消し に関する問題
「取り消すことができる」法律行為により金銭債務を負担した債務者がその金銭の支払をした後であっても、債務者は、支払った金銭の変換を請求することができる。
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×誤り。

【解説】「取り消すことができる」法律行為は、追認をすれば、確定的に有効となる。
関連条文:民法122条
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第122条
1 取り消すことができる行為は、第120条に規定する者が追認したときは、以後、取り消すことができない。

【No.161-(5)】

民法 の 無効、取消し に関する問題
成年被後見人がした法律行為は、原則として「取り消すことができる」法律行為である。
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〇正しい。

【解説】制限行為能力者の行為は、原則として取り消すことができる。
関連条文:民法5条、9条、13条、17条
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第5条
1 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
第9条
1 成年被後見人の法律行為は、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りでない。
第11条
1 精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者については、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族、後見人、後見監督人、補助人、補助監督人又は検察官の請求により、保佐開始の審判をすることができる。ただし、第七条に規定する原因がある者については、この限りでない。
第17条
1 家庭裁判所は、第15条第1項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第13条第1項に規定する行為の一部に限る。
2 本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

【No.162-(1)】

民法 の 条件及び期限 に関する問題
Aが、Bとの間で、Bが来年の7月に開催される大会に優勝した場合には、Bに対し、来年の4月分からさかのぼって奨学金を給付するとの合意は、条件の成就により奨学金の給付という契約の効力を発生させるものであるので、停止条件に該当する。停止条件の付された法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずるものであるため、Bは、4月分から奨学金を請求することはできない。
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×誤り。

【解説】停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力が生ずるのが原則であるが、当事者が条件が成就した場合の効果を、その成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。
関連条文:民法127条
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第127条
1 停止条件付法律行為は、停止条件が成就した時からその効力を生ずる。
2 解除条件付法律行為は、解除条件が成就した時からその効力を失う。
3 当事者が条件が成就した場合の効果をその成就した時以前にさかのぼらせる意思を表示したときは、その意思に従う。

【No.162-(2)】

民法 の 条件及び期限 に関する問題
当事者が停止条件を付して契約を締結したが、実際には、停止条件とした事実が既に発生していた場合、その条件は付されなかったのと同様に扱われ、有効であることになる。
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〇正しい。

【解説】条件が法律行為の時に既に成就していた場合、その条件が停止条件であるときは、その法律行為は無条件とされる。
関連条文:民法131条
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第131条
1 条件が法律行為の時に既に成就していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無条件とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無効とする。
2 条件が成就しないことが法律行為の時に既に確定していた場合において、その条件が停止条件であるときはその法律行為は無効とし、その条件が解除条件であるときはその法律行為は無条件とする。
3 前2項に規定する場合において、当事者が条件が成就したこと又は成就しなかったことを知らない間は、第128条及び第129条の規定を準用する。

【No.162-(3)】

民法 の 条件及び期限 に関する問題
ある土地の所有者Cが、隣接地の所有者Dの知らないうちに両土地間の境界標をCに有利に移設してくれれば、Eに対して50万円を贈与する旨の契約をEとの間で締結した場合、契約に付された条件は不法なものであるため、その条件は付されなかったのと同様に扱われ、有効であることになる。
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×誤り。

【解説】不法な条件を付した法律行為は、無効とされる。
関連条文:民法132条
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第132条
1 不法な条件を付した法律行為は、無効とする。不法な行為をしないことを条件とするものも、同様とする。

【No.162-(4)】

民法 の 条件及び期限 に関する問題
ある動産の所有者Fが、5年後にGに対してその動産を贈与するが、Fの気が変わった場合にはいつでも契約は効力を失うとの条件を付して書面により贈与契約を締結した場合、Fの意思のみに係る条件を付した者であるため、契約自体が無効となる。
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×誤り。

【解説】条件が単に債務者の意思表示に係る場合に無効となるのは、停止条件付法律行為である。解除条件付法律行為においては、条件が債権者の意思表示のみに係る場合も、債務者の意思表示にのみに係る場合も、ともに有効である。
関連条文:民法134条、最判昭和35.5.19
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第134条
1 停止条件付法律行為は、その条件が単に債務者の意思のみに係るときは、無効とする。

【No.162-(5)】

民法 の 条件及び期限 に関する問題
Hが、Iとの間で、契約日から7日以内に動産の修理を完了した場合には、Iに対して所定の修理代金に加えて割増しで修理代金を支払うとの内容を締結した場合において、HがIの修理道具をわざと損壊し、そのため、5日以内に修理作業を完了することが可能であったのに、修理作業の完了が10日後に遅延してしまったときには、Hは故意に条件の成就を妨害しているため、Iは、条件が成就したものとみなしてHに対して割増分の修理代金の支払をも請求することができる。
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〇正しい。

【解説】条件が成就することによって不利益を受ける当事者が、故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。
関連条文:民法130条
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第130条
1 条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。
2 条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。

【No.163-(1)】

民法 の 条件及び期限 に関する問題
農地の売買契約において、「農業委員会の許可を受けなければ、農地の所有権は移転しない。」旨の条項を設けた場合において、売主による故意の妨害行為があったために農業委員会の許可を受けることができなかったときは、買主は、農業委員会の許可を受けたものとみなして、当該亡地の所有権を取得することができる。
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×誤り。

【解説】判例は、都道府県知事の許可を得ることを条件として農地の売買契約をしたとしても、いわゆる停止条件を付したことにはならず、農地の売主が故意に知事の許可を得ることを妨げたとしても、買主は、条件が成就したものとみなして、売主にその装置の引渡しを請求することはできないとしている。
関連条文:民法130条、最判昭和36.5.26
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第130条
1 条件が成就することによって不利益を受ける当事者が故意にその条件の成就を妨げたときは、相手方は、その条件が成就したものとみなすことができる。
2 条件が成就することによって利益を受ける当事者が不正にその条件を成就させたときは、相手方は、その条件が成就しなかったものとみなすことができる。

【No.163-(2)】

民法 の 条件及び期限 に関する問題
甲土地の買主が甲土地の売買代金の支払を遅滞している場合において、売主がした「2週間以内に甲土地の売買代金を支払わないときは、売買契約を解除する。」旨の意思表示は、単独行為に条件を付すものであるから、無効となる。
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×誤り。

【解説】婚姻、縁組、相続の承認・放棄といった身分上の行為については、条件を付することができない。また、相殺、解除、取消しといった単独行為についても条件を付することができない。このような行為に条件を付することは、相手方を不安定な状態におとしいれ不利にするからである。ただし、相手方の同意があるときや、相手方を不当に不利にするものでないときは、条件を付することができる。
関連条文:民法541条
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第541条
1 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。

【No.163-(3)】

民法 の 条件及び期限 に関する問題
「Aが結婚したら、Bは、Aに対し、B所有の甲土地を贈与する。」旨の契約をA及びBが締結した場合には、当事者は、甲土地について、条件付所有権の移転の仮登記をすることができる。
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〇正しい。

【解説】登記することができる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権を保全しようとするときは、仮登記をすることができる。この請求権には、始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含むとされている。
関連条文:不動産登記法105条2号
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第105条
1 仮登記は、次に掲げる場合にすることができる。
一 第3条各号に掲げる権利について保存等があった場合において、当該保存等に係る登記の申請をするために登記所に対し提供しなければならない情報であって、第25条第9号の申請情報と併せて提供しなければならないものとされているもののうち法務省令で定めるものを提供することができないとき。
二 第3条各号に掲げる権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき。

【No.163-(4)】

民法 の 条件及び期限 に関する問題
「Aが大学に合格したら、Bは、Aに対し、B所有の乙建物を贈与する。」旨の契約をA及びBが締結した場合において、Cの放火により乙建物が滅失したときは、Aは、大学に合格する前であっても、Cに対し、乙建物の価値相当額の損害の賠償を請求することができる。
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×誤り。

【解説】条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができないとしている。
関連条文:民法128条
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第128条
1 条件付法律行為の各当事者は、条件の成否が未定である間は、条件が成就した場合にその法律行為から生ずべき相手方の利益を害することができない。

【No.163-(5)】

民法 の 条件及び期限 に関する問題
「Aが大学で進級することができなかったら、Bは、Aに対して支払ってきた奨学金をその後は支払わない。」旨の契約をA及びBが締結した場合において、Aが大学で進級することができなかったときは、Bは、Aが大学で進級することができなかったことを知らなくても、Aに対して奨学金を支払う義務を免れる。
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〇正しい。

【解説】条件は、それが成就したときに法律行為の効力が発生する停止条件と、その成就により法律行為の効力が消滅する解除条件に分類される。解除条件の場合、当事者がそのことを知らなくても、効力が消滅することになる。
関連条文:-
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【No.164-(1)】

民法 の 時効 に関する問題
取得時効が成立するためには、所有の意思をもって物を占有することが必要であり、賃借の意思をもって物の占有を継続しても、その占有者は、権利を時効取得しない。
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×誤り。

【解説】所有権の取得時効は、所有の意思をもってする占有であることが要件とされるが、賃借権のように継続的給付を目的とする債権は所有権以外の財産権として取得時効の対象となる。
関連条文:民法163条
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第163条
1 所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い20年又は10年を経過した後、その権利を取得する。

【No.164-(2)】

民法 の 時効 に関する問題
物の所有者がその物を占有している者に対して所有権に基づく引渡請求の訴えを提起した場合において、その訴えが却下されたときは、その後6か月間は、取得時効が完成しない。
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〇正しい。

【解説】所有権に基づく引渡請求の訴えが提起されると、これにより時効完成の猶予の効力が発生して、その後、訴えの却下や、取下げ等、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなく訴訟が終了したっ場合でも、その終了の時から6か月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
関連条文:民法147条
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第147条
1 次に掲げる事由がある場合には、その事由が終了する(確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定することなくその事由が終了した場合にあっては、その終了の時から6か月を経過する)までの間は、時効は、完成しない。
一 裁判上の請求
二 支払督促
三 民事訴訟法第二百七十五条第一項の和解又は民事調停法(昭和26年法律第222号)若しくは家事事件手続法(平成23年法律第52号)による調停
四 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加
2 前項の場合において、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始める。

【No.164-(3)】

民法 の 時効 に関する問題
物の所有者は、その物に対する所有権を消滅時効によって失うことはないが、他人が当該所有権を取得時効した場合には、当該所有権を失う。
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〇正しい。

【解説】所有権は消滅時効にかからない。しかし、他人が時効取得すれば、これの反射的効果として所有者は、所有権を失うことになる。
関連条文:民法166条2項
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第166条
1 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。
2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。

【No.164-(4)】

民法 の 時効 に関する問題
物の所有者は、その物を不法に占有する者に対し、所有権に基づく妨害排除請求権を有するが、不法占拠の開始時から10年間当該請求権を行使しなかった場合には、当該請求権は、時効により消滅する。
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×誤り。

【解説】物権的請求権は、物件が消滅しない限り、時効消滅しない。所有権は消滅時効にかからないから、これに基づく物権的請求権も消滅時効にかからない。
関連条文:民法166条2項
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第166条
1 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。
2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。

【No.164-(5)】

民法 の 時効 に関する問題
取得時効が成立するためには、他人の物を占有することが必要であり、自己の所有物を占有しても、その占有者は、所有権を時効取得しない。
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×誤り。

【解説】民法162条が時効取得の対象物を他人の物としたのは、通常の場合において、自己の物について時効取得を援用することは無意味であるからにほかならないのであって、同条は、自己の物について取得時効の援用を許さない趣旨でないとされている。
関連条文:民法162条、最判昭和42.7.21
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第162条
1 20年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2 10年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

【No.165-(1)】

民法 の 時効 に関する問題
AのBに対する売買代金債務を連帯保証したCは、Aの売買代金債務について消滅時効が完成した後にBから連帯保証債務の履行を求められた場合にはAの売買代金債務についての消滅時効が完成する前に自らの連帯保証債務を承認していたときであっても、Aの売買代金債務についての消滅時効を援用してBからの請求を拒むことができる。
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〇正しい。

【解説】連帯保証債務について債務承認による時効の更新がされても、主たる債務の消滅時効には影響せず、連帯保証人は、主たる債務の消滅時効を援用して、債権者からの請求を拒むことができる。
関連条文:民法441条、大判昭和7.6.21
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第441条
1 第438条、第439条第1項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。

【No.165-(2)】

民法 の 時効 に関する問題
Aを抵当権者として先順位の抵当権が設定されている不動産の後順位の抵当権者であるBは、Aの先順位の抵当権の被担保債権について消滅時効が完成した場合であっても、その消滅時効を援用することができない。
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〇正しい。

【解説】時効を援用することができる者の範囲は、時効によって直接に利益を受ける者及びその承継人に限定し、時効によって間接に利益を受ける者を除外する。
関連条文:最判平成11.10.21
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【No.165-(3)】

民法 の 時効 に関する問題
甲土地上に乙建物を所有しているAから乙建物を賃借しているBが、甲土地の所有者であるCから、所有権に基づき乙建物から退去して甲土地を明け渡すよう求められた場合において、Aの占有による甲土地の所有権の取得時効が完成しているときは、Bは、その取得時効を援用してCからの請求を拒むことができる。
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×誤り。

【解説】Aが所有する建物を賃借したBは、Aの取得時効を援用することができない。Bは、Aから建物を賃借しているにすぎず、土地の取得時効の完成によって直接に利益を受ける者でなないからである。
関連条文:最判昭和44.7.15
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【No.165-(4)】

民法 の 時効 に関する問題
被相続人Aの占有により甲土地の取得時効が完成していた場合には、Aの共同相続人の一人であるBは、甲土地の全部について取得時効を援用することができる。
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×誤り。

【解説】時効の援用権者が数人いる場合に、その1人が援用しても、その効果は他の者には及ばない。
関連条文:最判平成13.7.10
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【No.165-(5)】

民法 の 時効 に関する問題
Aに対する賃金債務を承認したBが、Aから賃金返還請求を受けた場合には、Bは、その承認の際に、その賃金債務について消滅時効が完成していることを知らなかったときであっても、賃金債務の消滅時効を援用してAからの請求を拒むことができない。
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〇正しい。

【解説】消滅時効完成後に債務の承認をした債務者は、時効の完成の事実を知らなかった場合でも、時効を援用することは許されない。
関連条文:最判昭和41.4.20
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