【コンクリートの配合】とは?配合計画書の中身について(参考:JASS5)

示方配合 建築士

コンクリートの配合とは?

コンクリートの配合は、1㎥のコンクリート中に含まれている、コンクリートの材料で表します。コンクリートの配合という場合、一般的に示方配合を指します。

示方配合の表し方とJASS5の規定

ここでは、配合の中で大きくコンクリートの施工性、耐久性を左右するものについて、まとめます。

※すべて1㎥あたりとする

示方配合

示方配合

スランプ

スランプ

スランプコーンは、平板の上に設置し、コンクリートはスランプコーンの中に、ほぼ等しい量の3層に分けて詰めます。 各層は、突き棒で25回一様につきます。ただし、高流動(フローもの)の場合など、この回数で材料の分離を生じる恐れが あるときは、分離を生じない程度に突き数を減らします。
コンクリートの中央部における、下がり量をスランプとします。

単位水量w

単位水量は、185kg/㎥とし、コンクリートの品質が得られる範囲内で、できるだけ小さくする。

コンクリートの単位水量が大きくなると、乾燥収縮、ブリーディング、打込み後の沈降などが大きくなり、構造体コンクリートに乾燥収縮ひび割れを生じさせ、ブリーディングや沈降による粗骨材下面や鉄筋下面の空隙が増大し、断面が変化する部分や、水平鉄筋あるいは埋設物の周囲に沈みひび割れを誘発するなど、鉄筋コンクリート造の品質、特に耐久性上好ましくない性質が多くなる。

引用元:JASS 5 鉄筋コンクリート工事 5節 調合 5.5

単位セメント量c

単位セメント量の最小値は、270kg/㎥とする。

単位セメント量は、水和熱および乾燥収縮によるひび割れを防止する観点から、できるだけ小さくすることが望ましい。しかし、単位セメント量が過小であるとコンクリートのワーカビリティが悪くなり、型枠内へのコンクリートの充填性の低下、豆板やす(巣)、打継部における不具合の発生、水密性、耐久性の低下などを招きやすい。このため、コンクリートの強度を確保するための条件とは別に、単位セメント量の最小値を定めている。

引用元:JASS 5 鉄筋コンクリート工事 5節 調合 5.6

水セメント比w/c

水セメント比の最大値は、以下の表による。水セメント比

コンクリートの圧縮用度と水セメント比との間には、一定の関係がある。コンクリートの水セメント比は、所要の強度や耐久性あるいはワーカビリティ―が得られるように定められなければならない。しかし、水セメント比に制限値を設けても、受入れ時に検査することは難しく、コンクリート強度を確保するために必要な水セメント比については、上記表によって規定している。

引用元:JASS 5 鉄筋コンクリート工事 5節 調合 5.5

 空気量

AE剤、AE減水剤または高性能AE減水剤を用いるコンクリートの空気量は、特記による。特記のない場合は4.5%とする。

微細な連行空気泡はセメントペースト中に含まれるので、例えば、空気量4.5%のコンクリートでは、空気量1%のプレーンコンクリート(AE減水剤などの化学混和剤を用いないコンクリート)に比べてセメントペースト量がコンクリート1㎥あたり35ℓ増加するのと同じ状態になるため、6~8%程度の量の水とセメントを減らすことできる。さらに、外力に対し空気泡が一種のクッション作用をして、骨材間の接触抵抗が減り、フレッシュコンクリートの流動性が改善されること、また、ブリーディングが抑制されることなどにより、ワーカビリティ―を改善することができる。また、凍結融解作用(凍害)に対する抵抗性が確保される。

コンクリートの空気量が6%程度以上になると、それ以上空気量を増してもフレッシュコンクリートの品質はそれほど改善されなくなる。

引用元:JASS 5 鉄筋コンクリート工事 5節 調合 5.4

配合計画書の見方を覚えよう

配合に関する用語として、スランプ、単位水量、水セメント比などがあります。現場監督は、プラントからの「配合計画書」をもとにコンクリートを受け入れます。多くの場合は、JIS規格で定められたプラントのコンクリートを使用するため、注意深く、内容を見ることは少ないかもしれません。

しかし、最近は台風の被害により、現場に近い生コンプラントが使用できないといった状況も発生しています。そのような場合は、現場監督は監理者と協議の上、他のプラントを使用する判断をしなければなりません。

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