サーモグラフィー法とは?
サーモグラフィー法は、赤外線カメラを用いて構造物表面やモルタル(タイル)表面の温度を測定し、表面温度の違いにより健全部と欠陥部を判定する方法です。
サーモグラフィー法は、あくまでも「コンクリート表面の温度」を確かめる方法です。表面温度の違いによって、コンクリート表面のモルタルの浮きやタイルの浮き等がわかるというもので、近年では、ドローンを使用して高層マンションの外壁タイルの調査を実験的に行っている報告もあります。
赤外線カメラを搭載したドローンが高層マンションの外壁を当たり前のように検査する日が近づいているかもしれません。
サーモグラフィー法の特徴
- 欠陥部は温度変化の影響を受けやすい
- 温度変化は日射や気温に起因する
- 内部鉄筋の腐食等は、表面温度に影響を与えない
電磁波レーダー法・電磁誘導法とは?
電磁波や、X線などを照射することによってコンクリート内部を探査する方法です。
サーモグラフィーは表面を探査するのに対し、こちらはコンクリート内部を探査します。主にはコンクリートのかぶり厚さを推定します。
電磁波レーダー法
コンクリートに電磁波を照射し、鉄筋や配管、空洞などから反射して戻ってきた電磁波で内部を探査する方法です。鉄筋や配管、空洞の位置や、伝達時間から深さを測定します。作業員の技量や経験に大きく影響を受けます。
特徴
- 使用周波数帯は400MHz~1GHz
- 周波数が高いほど減衰が大きく、小さいものを対象とする
- 周波数が低いほど減衰が小さく、遠いものや大きいものを対象とする
適用箇所
- 鉄筋・配管
- ひび割れ
- 剥落
- 空洞
- 部材圧(トンネル覆工)
電磁誘導法
鉄筋径及び鉄筋位置の探査、コイルに交流電流を流し測定する方法です。主な特徴は以下のとおりです。
- 鉄筋径が大きいほど、深い位置までの探査が可能
- かぶり厚さが薄いほど測定精度が良い
注意点
- コンクリート中の鉄筋位置、かぶり、径、鉄筋以外の埋設金属を探査
- コンクリート中に空隙やジャンカがあっても探査可能
- 仕上げ材の影響を受けない
- 探査可能な深さは20cm程度まで
X線探査とは?
X線を照射し、裏側にフィルムを配置して鉄筋やひび割れなどコンクリート内部の様子を撮影
こちらは、一度だけ建築現場で見たことがあります。既存の建物と新築の建物の取り合い部分で、アンカーを打つことが出来るかどうかの判断に使用しました。壁の反対側にフィルムを配置する必要があるので、既存建物の中での作業が発生したことを覚えています。
特徴
- エックス線作業主任者による安全管理を行う必要がある
- 鉄筋や配管などの埋設物、空洞やひび割れを高精度で探査できるが、効率が悪い
- 一般的な適用厚さは400mm