【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.33)電磁波法、電磁誘導法、X線透過法

コンクリート診断士 問題と解説Vol.33

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 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問161_電磁波法・電磁誘導法】

 コンクリート中の鋼材や埋設物の測定に関する次のうち、不適当なものはどれか
(1)電磁誘導法では、コンクリート中に空隙やジャンカがあっても鋼材位置の推定が可能である。
(2)電磁波レーダー法では、電磁波の周波数を高くすると探査深度は大きくなる。
(3)電磁波誘導法では、塩化ビニル樹脂のような非磁性体の探査は行えない。
(4)コンクリート中の電磁波速度は、湿潤状態よりも乾燥状態のほうが大きい。
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正解(2)

(1)問題のとおりです。電磁誘導法は、コイルに交流電流を流し、鉄筋径及び鉄筋位置の探査をする方法です。主な特徴は、コンクリート中の鉄筋位置、かぶり、径、鉄筋以外の埋設金属を探査が可能であること、コンクリート中に空隙やジャンカがあっても探査可能であること、仕上げ材の影響を受けないこと、探査可能な深さは20cm程度までであることがあります。
(2)誤りです。周波数を高くすると、減衰が大きくなるため探査深度は浅くなります。
(3)問題のとおりです。電磁誘導法は、コイルに交流電流を流し、鉄筋や金属埋設物などの磁性体を探査をする方法です。非磁性体は探査できません。
(4)問題のとおりです。コンクリート中の電磁波速度は、湿潤状態よりも、乾燥状態のほうが大きいです。一方、弾性衝撃波法による弾性波の速度は含水率が高いほうが、大きくなります。

【問162_X線透過撮影法】

 低エネルギーX線装置を用いたX線透過撮影法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)コンクリート埋設物の密度に差があるものほど明瞭に撮影できる。
(2)コンクリートの適用限界厚さは800mm程度である。
(3)コンクリート壁などの仕切がない場合には、労働安全衛生法・電離放射線障害防止規則により立体半径で5m以内は立入禁止区域とする。
(4)撮影に際しては、労働安全衛生法・電離放射線防止規則によりエックス線作業主任者の資格が必要である。
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正解(2)

(1)問題のとおりです。シース内の空洞など、密度が低いものほど黒く映り、鉄筋のように密度が高いものほど白く映ります。
(2)誤りです。X線透過撮影法は厚さ400mm程度が適用限界です。
(3)問題のとおりです。X線透過撮影法はコンクリート壁などの仕切がない場合には、労働安全衛生法・電離放射線障害防止規則により立体半径で5m以内は立入禁止区域となります。
(4)問題のとおりです。X線透過撮影法は労働安全衛生法・電離放射線防止規則によりエックス線作業主任者の資格が必要です。

【問163_電磁波法・電磁誘導法】

 コンクリート中の空洞や鉄筋の調査に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)電磁波誘導法は、コンクリート表面の仕上げ材が非磁性であれば、その影響を受けない。
(2)電磁波レーダの周波数を低くすると探査深度は浅くなる。
(3)電磁誘導法は、コンクリート中に豆板(ジャンカ)がある場合でも鉄筋探査が可能である。
(4)電磁波レーダの使用周波数帯は、コンクリート構造物の空洞調査に限定すれば、400MHz~1GHzが推奨される。
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正解(2)

(1)問題のとおりです。電磁誘導法は、コイルに交流電流を流し、鉄筋や金属埋設物などの磁性体を探査をする方法です。
(2)誤りです。周波数を低くすると、減衰が小さくなるため探査深度は深くなります。
(3)問題のとおりです。電磁誘導法は、コイルに交流電流を流し、鉄筋径及び鉄筋位置の探査をする方法です。主な特徴は、コンクリート中の鉄筋位置、かぶり、径、鉄筋以外の埋設金属を探査が可能であること、コンクリート中に空隙やジャンカがあっても探査可能であること、仕上げ材の影響を受けないこと、探査可能な深さは20cm程度までであることがあります。
(4)問題のとおりです。電磁波レーダの使用周波数帯は、コンクリート構造物の空洞調査に限定すれば、400MHz~1GHzが推奨されます。

【問164_電磁波法・電磁誘導法・X線透過法】

 コンクリート構造物中の鉄筋探査に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)電磁波誘導法では、配筋ピッチが密であっても鉄筋の径を求めることができる。
(2)電磁波レーダ法では、鉄筋と塩ビ管が埋設されているとき、両者の区別が可能である。
(3)X線透過撮影法では、部材厚が厚くなっても鉄筋径の測定の誤差は変わらない。
(4)弾性衝撃波法では、かぶり(厚さ)の測定ができる。
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正解(2)

(1)誤りです。鉄筋のピッチが小さく、配筋が密になると、隣接する鉄筋の影響を受けるため、精度が劣ります。
(2)問題のとおりです。電磁波レーダー法では、マイクロ波帯の電磁波をコンクリート内部へ照射し、異なる物体が接する境界面で反射する性質を利用したものです。鉄筋と塩ビ管(空洞)の反射波の違いから、両者を区別することができます。
(3)誤りです。X線は、部材厚さが厚いほど、密度が高いほど透過しづらくなり、測定誤差が大きくなります。
(4)誤りです。弾性衝撃波法は部材厚さ、内部欠陥及び欠陥までの距離等を計測するもので、かぶりの測定には適していません。

【問165_電磁波法】

  電磁波レーダー法を用いた鉄筋のかぶり(厚さ)の測定に関する記述(A)~(C)の適・不適の組合せとして、次のうち、適当なものはどれか
(A)水膜があるコンクリート表面から測定した。
(B)鉄筋に対して直交方向に走査して測定した。
(C)エポキシ樹脂塗膜の上から測定した。
(A) (B) (C)
(1) 不適 不適
(2) 不適 不適
(3) 不適
(4) 不適
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正解(4)

(A)電磁波速度は水の影響を強く受けます。水中の電磁波速度は空気中の1/9程度まで低下するため、コンクリート表面に水膜があると、精確な鉄筋のかぶり厚さが測定できません。
(B)かぶり厚さの測定では、一番外側に配筋している鉄筋に対して直交方向に走査して測定します。
(C)電磁波レーダー法は、コンクリート表面に非磁性体の仕上げが施されていても影響を受けません。
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