【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.2-29)基本問題29

診断士問題と解説

コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-29

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。
コンクリート診断士_一問一答_No2-29_基本問題29
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【No.141】

コンクリート中の鉄筋腐食状況の調査に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)コンクリート中の鉄筋腐食状況の調査において,鉄筋の腐食速度を矩形波電流分極法で推定した。
(2)コンクリート中の鉄筋腐食状況の調査において,鉄筋の腐食速度を交流インピーダンス法で推定した。
(3)コンクリート中の鉄筋腐食状況の調査において,鉄筋の腐食範囲を自然電位法で推定した。
(4)コンクリート中の鉄筋腐食状況の調査において,鉄筋の腐食範囲を磁粉探傷法で推定した。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。矩形波電流分極法は,鉄筋の腐食速度を推定する分極抵抗法のうちの1つの方法です。
(2)○正しい。交流インピーダンス法は,鉄筋の腐食速度を推定する分極抵抗法のうちの1つの方法です。
(3)○正しい。自然電位法は,鉄筋が腐食することによって変化する鉄筋表面の電位から,腐食の範囲を推定しようとする電気化学的方法です。
(4)×誤り。磁粉探傷法は,欠陥を肉眼で容易に確認できるようにする方法で,鉄筋の腐食範囲を知ることはできません。

【No.142】

コンクリート構造物から採取した試料に対する調査項目と使用する分析機器・装置に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)コンクリート骨材中の反応性鉱物の有無を調査するため,偏光顕微鏡を用いた。
(2)コンクリート中のエトリンガイトの生成状況を調査するため,走査型電子顕微鏡を用いた。
(3)コンクリート中の水酸化カルシウム量を調査するため,示差熱重量分析装置を用いた。
(4)コンクリート中の水酸化カルシウム量を調査するため,走査型電子顕微鏡を用いた。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。コンクリート骨材中の反応性鉱物の有無を調査するためには,偏光顕微鏡観察が適しています。
(2)○正しい。コンクリート中のエトリンガイトの生成状況を調査するためには,走査型電子顕微鏡観察が適しています。
(3)○正しい。コンクリート中の水酸化カルシウム量を調査するためには,物質の温度を変化させて,その物質の物理的性質を測定する方法である,示差熱重量分析が適しています。
(4)×誤り。走査型電子顕微鏡は同定はできますが,定量はできません。

【No.143】

コンクリート構造物から採取したコア断面における塩素の面分析を電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)により行った。分析試料の調整に関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)コア断面における塩素面分析を電子プローブマイクロアナライザにより行う際,研磨剤を用いて,研磨盤により分析面を平たんにした。
(2)コア断面における塩素面分析を電子プローブマイクロアナライザにより行う際,純水を用いて,超音波洗浄機により分析面から研磨剤を除去した。
(3)コア断面における塩素面分析を電子プローブマイクロアナライザにより行う際,伝導性材料の蒸着の前に分析試料を真空乾燥機中で十分に乾燥させた。
(4)コア断面における塩素面分析を電子プローブマイクロアナライザにより行う際,分析面に伝導性材料として炭素を蒸着した。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。コア断面における塩素面分析を電子プローブマイクロアナライザにより行う際,研磨剤を用いて,研磨盤により分析面を平たんにします。
(2)×誤り。コア断面における塩素面分析を電子プローブマイクロアナライザにより行う際,研磨が終了したら,アセトンを用いて超音波洗浄機により,研磨剤を除去します。純水は不適です。
(3)○正しい。コア断面における塩素面分析を電子プローブマイクロアナライザにより行う際,真空デシケータにより真空乾燥し,乾燥終了後に蒸着を行います。
(4)○正しい。コア断面における塩素面分析を電子プローブマイクロアナライザにより行う際,蒸着は,帯電によるチャージアップ現象を防止するためで,伝導性材料として炭素を用います。

【No.144】

アルカリシリカ反応が疑われるコンクリート構造物の調査項目と試験・分析方法に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)アルカリシリカ反応が疑われるコンクリート構造物の調査において,コンクリート中のアルカリ量を調査するために,ICP発光分析を行った。
(2)アルカリシリカ反応が疑われるコンクリート構造物の調査において,コンクリート中のアルカリ量を調査するために,走査型電子顕微鏡を用いた。
(3)アルカリシリカ反応が疑われるコンクリート構造物の調査において,骨材中の反応性鉱物の有無を調査するため,偏光顕微鏡観察を行った。
(4)アルカリシリカ反応が疑われるコンクリート構造物の調査において,白色ゲル状物質の化学成分を調査するため,蛍光X線分析を行った。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。アルカリシリカ反応が疑われるコンクリート構造物の調査において,コンクリート中のアルカリ量を調査するために,ICP発光分析を行います。
(2)×誤り。走査型電子顕微鏡は同定はできますが,定量はできません。
(3)○正しい。アルカリシリカ反応が疑われるコンクリート構造物の調査において,骨材中の反応性鉱物の有無を調査するため,偏光顕微鏡観察を行います。
(4)○正しい。アルカリシリカ反応が疑われるコンクリート構造物の調査において,白色ゲル状物質の化学成分を調査するため,蛍光X線分析を行います。

【No.145】

火災を受けたコンクリートの受熱温度を推定するための方法に関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。ただし,コンクリートにはナフタレン系の高性能AE減水剤が使用されていたことがわかっている。また,分析には受熱部分から採取したコンクリート片を粉砕後,ふるい分けにより得られた微粉末を用いた。
(1)微粉を純水中で煮沸し,ろ過したろ液のUV吸収スペクトルを測定してナフタレン系混和剤の有無を調べた。
(2)粉末X線回折(XRD)により,微粉中の水酸化カルシウムの有無を調べた。
(3)熱量分析(TG)により,水酸化カルシウムの有無を調べた。
(4)蛍光X線分析により,微粉のカルシウムシリカ比を測定した。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。コンクリート中のナフタレン系混和剤に着目し,受熱温度を測定するもので,火害を受けたコンクリートをUVスペクトル分析し,検量線を用いてコンクリート内部の深さ方向の受熱温度分布を推定します。
(2)○正しい。コンクリートの水和生成物を粉末X線回折法により分析し,微粉中の水酸化カルシウムの有無を調べ受熱温度を推定します。
(3)○正しい。熱重量分析(TGA)により,温度上昇に伴う資料の質量変化を検出し,火害を受けたコンクリートと比較し,微粉中の水酸化カルシウムの有無を調べ受熱温度を推定します。
(4)×誤り。蛍光X線分析は,構造物にX線を照射して,得られる蛍光X線を測定し,元素の種類や含有量の測定,塩化物イオンの分布を推定するもので,受熱温度は推定できません。
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