【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.64)補修材料、電気化学的補修

コンクリート診断士 問題と解説Vol.64

【問316_補修材料】

 竣工後数年が経過したコンクリート構造物の予防保全として、表面被覆工法の適用を検討した。今後発生が予測される劣化現象に対して、表面被覆工法の適用が不適当なものはどれか

(1)パラペットに発生する凍結融解作用による表層の微細なひび割れには、表面被覆工法を適用するのがよい。

(2)食品工場の排水処理槽に発生する化学的浸食、表面被覆工法を適用するのがよい。

(3)地下室の外壁・土間コンクリートに発生するアルカリシリカ反応によるひび割れ、表面被覆工法を適用するのがよい。

(4)打放しコンクリート外壁に発生する風雨による表面劣化、表面被覆工法を適用するのがよい。

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正解(3)

(1)問題のとおりです。コンクリート組織内部への水分の侵入を防ぐため、凍結融解作用による微細なひび割れには、表面被覆工法が適しています。

(2)問題のとおりです。排水処理槽に発生する化学的浸食には、水分と劣化因子である酸などの侵入を防ぐため、表面被覆工法を適用します。

(3)誤りです。アルカリシリカ反応によるひび割れには、内部の水分を外部へ逃がすことができなくなるため、表面被覆工法は適しません。

(4)問題のとおりです。打放しコンクリート外壁に発生した風雨による表面劣化には、表面被覆工法が適しています。

【問317_補修材料】

 各種含浸材塗布工法をコンクリートの補修に適用する際の目的に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)コンクリートのアルカリ性を回復させる。

(2)コンクリートの内部の鉄筋腐食を抑制する。

(3)コンクリート外部からの水分、塩化物イオンの浸透を抑制する。

(4)コンクリートと内部の鉄筋との付着強度を回復させる。

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正解(4)

(1)問題のとおりです。含浸材塗布工法はコンクリートのアルカリ性を回復させる目的で使用します。

(2)問題のとおりです。含浸材塗布工法は、コンクリートのアルカリ性を回復させることで、鉄筋腐食を抑制します。

(3)問題のとおりです。含浸材塗布工法は、コンクリート表面の組織をち密化することで、水分、塩化物イオンの浸透を抑制します。

(4)誤りです。含浸材塗布工法は、コンクリートと内部の鉄筋の付着強度は回復させることはできません。

【問318_電気防食工法】

 電気防食工法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)電気防食工法を適用するコンクリート部材に有害量の塩化物イオンがある場合には、事前にはつり作業を行い除塩しなければならない。

(2)外部電源方式で電気防食工法を適用する場合には、供給する電気量が過大または過小になっていないことを、定期的に確認する必要がある。

(3)電気防食工法で適切な防食水準を長期間維持するためには、防食電流量の調整や陽極材の消耗状況の確認などを行わなければならない。

(4)流電陽極方式で発生する防食電流は、コンクリートの含水状態の影響を強く受ける。

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正解(1)

(1)誤りです。電気防食工法は、鉄筋に電流を流すと、鉄筋の電位がマイナス側に保たれる現象を用います。鉄筋の腐食は、アノード部、つまりプラス側で起きるため、電流を流して電位を強制的にマイナス側にすることで鉄筋の腐食反応を停止することが出来ます。これは、コンクリート内部に塩化物イオンが侵入している場合でも適用できます。

(2)問題のとおりです。電気防食工法の維持管理において、電気量を定期的に確認する必要があります。

(3)問題のとおりです。電気防食工法で適切な防食水準を長期間維持するためには、防食電流量の調整や陽極材の消耗状況の確認などを行わなければなりません。

(4)問題のとおりです。含水率が大きくなると、コンクリートの抵抗が大きくなります。完全に乾燥状態のコンクリートは絶縁体になります。抵抗が大きいと、電気が流れにくくなるため、多くの電流量が必要になります。

【問319_電気化学的補修工法】

 再アルカリ化工法に関する次の記述のうち、適当なものはどれか

(1)炭酸カルシウム(CaCO3)を水酸化カルシウム(Ca(OH)2)に変化させる。

(2)電位差によりアルカリ溶液をコンクリート内部へ浸透させる。

(3)脱塩工法と比べて長期間の通電を要する。

(4)電気防食工法と比べて電流密度が小さい。

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正解(2)

(1)誤りです。再アルカリ化工法は、コンクリート表面に陽極材と電解質溶液を設置し、陽極からコンクリート中の鉄筋(陰極)へ直流電流を流すことによって、アルカリ性溶液をコンクリート中に浸透させ、pHを回復させる工法です。

(2)問題のとおりです。再アルカリ化工法は、コンクリート表面に陽極材と電解質溶液を設置し、陽極からコンクリート中の鉄筋(陰極)へ直流電流を流すことによって、アルカリ性溶液をコンクリート中に浸透させ、pHを回復させる工法です。

(3)誤りです。脱塩工法は、鉄筋を陰極としコンクリート表面に陽極材を設置し、直流電流を流すことで、 塩化物イオンを鉄筋からコンクリート表面へと電気泳動させ、コンクリートのイオン濃度を大幅に低減させる工法です。脱塩工法の通電期間は8週間、再アルカリ化工法の通電期間は2週間です。

(4)誤りです。電気防食工法は、コンクリート表面に陽極材を設置し、かぶりコンクリートを介して、コンクリート中の鉄筋に直流電流を流すことにより、鉄筋をカソード分極させて防食する工法です。通電密度は、電気防食工法は10~30mA/m2、再アルカリ化工法では1A/m2です。

【問320_電気化学的補修工法】

 電気化学的補修工法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1)再アルカリ化工法では、アルカリ性溶液をコンクリートに電気浸透させ、コンクリートの中性化部分のアルカリ性を回復させることを目的とする。

(2)脱塩工法では、コンクリート中の塩化物イオンを電気泳動により結晶化させて、鉄筋の腐食を防止することを目的とする。

(3)補修効果を得るための通電期間は、脱塩工法の方が再アルカリ化工法に比べて長い。

(4)電着工法は、電着物質をコンクリートの表面やひび割れに析出させ、劣化因子の侵入を抑制することを目的とする。

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正解(2)

(1)問題のとおりです。再アルカリ化工法では、アルカリ性溶液をコンクリートに電気浸透させ、コンクリートの中性化部分のアルカリ性を回復させることを目的とします。

(2)誤りです。脱塩工法は、鉄筋を陰極としコンクリート表面に陽極材を設置し、直流電流を流すことで、 塩化物イオンを鉄筋からコンクリート表面へと電気泳動させ、コンクリートのイオン濃度を大幅に低減させる工法です。

(3)問題のとおりです。脱塩工法の通電期間は8週間、再アルカリ化工法の通電期間は2週間です。

(4)問題のとおりです。電着工法は、仮設電極を設置し通電を行うことによってコンクリートに発生したひび割れやコンクリート表面に無機系物質の電着物を電気化学的に析出
させる工法です。

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