【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.69)補修・補強工法

コンクリート診断士 問題と解説Vol.69

【問341_補強工法】

 鉄筋コンクリート単純桁橋の主桁下面に適用する対策に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)振動対策として、外ケーブルを設置した。
(2)振動対策として、連続繊維シートを接着した。
(3)鋼板を接着することにより、中立軸の位置は桁上面方向に移動する。
(4)鋼繊維補強コンクリートで増厚することにより、中立軸の位置は桁下面方向に移動する。
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正解(4)

(1)誤りです。外ケーブル工法は、振動対策として適しません。
(2)誤りです。連続繊維シートは、振動対策として適しません。
(3)誤りです。主桁下面に鋼板を接着しても、中立軸の位置は変わりません。
(4)問題のとおりです。下面増厚で中立軸が下面方向へ移動することで、曲げ剛性および耐力が大きくなります。

【問342_補修・補強工法】

 コンクリート構造物・部材の補強対策に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)塩害を受け耐荷力(耐力)の低下した梁部材の補強対策として、炭素繊維やアラミド繊維による連続繊維補強材を用いた外ケーブル工法を採用した。
(2)耐荷力(耐力)不足のコンクリート床版の補強対策として、エポキシ樹脂を用いた鋼板接着工法を採用した。
(3)柱のじん性を向上させるための補強対策として、膨張材を混入したコンクリートによる巻き立て工法を採用した。
(4)火災により大きな被害を受けた構造物の補強対策として、ポリマーセメントを用いたひび割れ注入工法を採用した。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。外ケーブル工法には、PCケーブル以外に炭素繊維補強材が使用されます。
(2)問題のとおりです。耐荷力(耐力)不足のコンクリート床版の補強対策として、エポキシ樹脂を用いた鋼板接着工法を採用します。
(3)問題のとおりです。コンクリートに、膨張材を使用することで、じん性を向上させるための、巻き立て工法で用いる鉄板などと、既設の柱との一体化、および、ひび割れ抑制に有効です。
(4)誤りです。火災により大きな被害を受けた部材は、コンクリートおよび鉄筋に対する補強が必要とされることがあり、ひび割れ注入工法のみでは不十分です。

【問343_補修・補強工法】

 四辺固定の鉄筋コンクリート床スラブの振動障害を大幅に改善するための対策として、適当なものはどれか
(1)スラブの周辺支持端上面部に鉄筋の接着工法を採用した。
(2)スラブ下面全面に炭素繊維シートの接着工法を採用した。
(3)スラブ上面に炭素繊維補強コンクリートを使用した増厚工法を採用した。
(4)スラブに生じている貫通ひび割れにエポキシ樹脂注入工法を採用した。
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正解(3)

(1)誤りです。スラブの周辺支持端上面部に鉄筋の接着工法を採用しても、床スラブの振動対策とはなりません。
(2)誤りです。スラブ下面全面に炭素繊維シートの接着工法を採用しても、床スラブの振動対策とはなりません。
(3)問題のとおりです。スラブ上面に炭素繊維補強コンクリートを使用した増厚工法は、床スラブの剛性が向上するため、振動対策に有効です。
(4)誤りです。スラブに生じている貫通ひび割れにエポキシ樹脂注入工法を採用しても、床スラブの振動対策とはなりません。

【問344_補修・補強工法】

 コンクリート構造物の補修・補強工法の選択にあたっての基本的な考え方として、適当なものはどれか
(1)舗装コンクリートのすりへりに対しては、補修よりも補強を主体とした検討が必要である。
(2)床版の増厚による補強では、新旧部材界面のせん断力伝達について検討が必要である。
(3)ひび割れが発生して振動障害を生じている梁部材では、ひび割れ注入で剛性を高める必要がある。
(4)大きなたわみが生じている梁部材の補強では、圧縮応力を受ける部分に鋼材を接着して曲げ耐力を増大させる必要がある。
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正解(2)

(1)誤りです。すりへりによる耐荷力の低下は小さいので、補修による対策で十分です。
(2)問題のとおりです。増厚による補強では、新旧コンクリートの一体化が重要です。界面のせん断力を確実に伝達させることについての検討が必要です。
(3)誤りです。ひび割れ注入工法では、剛性は向上しません。
(4)誤りです。大きなたわみが生じている梁部材の補強では、引張応力を受ける部分に鋼材を接着して曲げ耐力を増大させる必要があります。

【問345_補修・補強工法】

 コンクリート構造物の補修・補強工法に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)火害によって微細なひび割れが生じ、すすが付着した床スラブに対しては、耐久性向上のための表面被覆工法が有効である。
(2)振動障害が生じている梁部材に対しては、断面を増大するよりも連続繊維シートを接着する補強工法が有効である。
(3)過大な変形を生じている梁部材に対しては、支持点の追加による補強が有効である。
(4)火害によって部分的に亀裂を生じているが、たわみの増加が見られない床スラブに対しては、断面修復工法が有効である。
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正解(2)

(1)問題のとおりです。火害によって微細なひび割れが生じ、すすが付着した床スラブは、受熱温度が300℃未満で、耐久性向上のための表面被覆工法が有効です。
(2)誤りです。振動障害が生じている梁部材に対しては、連続繊維シートを接着する補強工法よりも、断面を増大する増厚工法が有効である。
(3)問題のとおりです。過大な変形を生じている梁部材に対しては、支持点の追加による補強が有効です。支持点間のスパンを小さくし、作用荷重を低下させます。
(4)問題のとおりです。部分的な火害で、たわみの増加が見られない床スラブに対しては、断面修復工法が有効です。
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