【過去問演習(3)No.11-15_材料】コンクリート技士 問題と解説

技士
【No3-3】聞き流し_コンクリート技士_一問一答
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【No.11】

各種セメントに関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)セメントと化学的に結合し得る水量は,セメント質量の約40%である。
(2)JISR5201(セメントの物理試験方法)に規定されるセメントの強さ試験に用いるモルタルの配合は,セメントと標準砂の質量比を1:3とし水セメント比は50%とする。
(3)高炉セメントB種またはフライアッシュセメントB種を用いるコンクリートは,普通ポルトランドセメントを用いるコンクリートより湿潤養生期間を長くするのがよい。
(4)強熱減量は,セメントの安定性の目安である。
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正解は(2)(3)

【解説】
(1)×誤り。完全水和に必要な水量は,セメント量の約40%であり,25%程度がセメントと化学的に結合し,残り15%程度がゲル水として吸着されています。
(2)○正しい。JISR5201では,セメントの強さ試験に用いるモルタルの配合は,セメントと標準砂の質量比を1:3,水セメント比を50%と規定しています。
(3)○正しい。高炉セメントB種は,ポルトランドセメントを高炉スラグ微粉末で質量比30%をこえ,60%以下の範囲で置換したものです。高炉スラグ微粉末は,潜在水硬性を有し,ポルトランドセメントの水和によって生成した水酸化カルシウム(Ca(OH)2)の刺激によりしだいに硬化します。フライアッシュセメントB種は,ポルトランドセメントをフライアッシュで質量比10%をこえ,20%以下の範囲で置換したものです。フライアッシュは,ポゾラン反応性を有し,フライアッシュ中の活性の二酸化けい素(SiO2),酸化アルミニウム(Al2O3)が,水の存在下でポルトランドセメントで生成された水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と長時間かけて反応し,不溶性の物質を生成し,硬化します。したがって,高炉セメントB種,またはフライアッシュセメントB種を用いるコンクリートは,普通ポルトランドセメントを用いるコンクリートよりも湿潤養生期間を長くすることにより,潜在水硬性やポゾラン反応が推進し,密実で長期強度の伸びが大きいです。
(4)×誤り。強熱減量は975±25℃で強熱した時の減量で,新鮮度の目安となり,風化が進むと大きくなります。安定性は未反応の石灰(CaO),酸化マグネシウム(MgO)が過剰に含まれていることによる硬化過程の異常膨張の有無をパット法またはルシャテリエ法で確認します。

【No.12】

骨材の品質とコンクリートの性状に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)細骨材の微粒分量が多いと,コンクリートのブリーティング量は増加する。
(2)細骨材の有機不純物量が多いと,コンクリートの凝結時間は長くなる。
(3)粗骨材の弾性係数が小さいと,コンクリートの乾燥収縮は大きくなる。
(4)粗骨材の安定性試験の損失質量分率が高いと,コンクリートの耐凍害性は低下する。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。微粒分の多い細骨材を用いるとコンクリートの粘性が大きくなるので,ブリーディング量は減少します。
(2)○正しい。有機不純物(糖類や腐植土など)はセメントの水和反応を遅延または阻害させるため,細骨材中に有機不純物が多く含まれるとコンクリートの凝結時間は長くなります。
(3)○正しい。一般に弾性係数の小さい骨材を使用したコンクリートほど乾燥収縮は大きくなる傾向があります。
(4)○正しい。安定性試験は,骨材の空隙中に硫酸ナトリウムの結晶を生じさせ,その結晶圧によって骨材が崩壊する程度を調べる方法であり,凍結融解作用と同じような作用を骨材に与えます。一般的に,安定性試験の質量損失分率が高い粗骨材を用いるとコンクリートの耐凍害性は低下する傾向があります。

【No.13】

骨材の品質とコンクリートの性状に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)粗骨材の最大寸法が大きいほど,単位水量は小さくなる。
(2)細骨材の吸水率が低いと,コンクリートのスランプの経時変化は大きくなる。
(3)粗粒率の大きい細骨材を用いると,ブリーティング量は増加する。
(4)粗骨材の粒形判定実積率が低くなると,スランプは大きくなる。
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正解は(2)(4)

【解説】
(1)○正しい。粗骨材の最大寸法が大きくなると細骨材率が小さくなるので,同一のスランプを得る単位水量は小さくなります。
(2)×誤り。一般的に吸水率が低い細骨材は骨材中の空隙が少ないため,コンクリート中の水を吸水しにくいので,スランプなど経過時間に伴うフレッシュ性状の変化に与える影響は小さいです。吸水率の高い細骨材を用いるとスランプの経時変化は大きくなります。
(3)○正しい。粗粒率の大きい細骨材は細粒分が少ないので,コンクリートの粘性が小さくなり,材料分離が生じやすくなるので,ブリーディング量は増加します。
(4)×誤り。粗骨材の粒形判定実積率は,骨材形状の良否を判断する指標です。粒形が角張っている砕石の実積率は50~65%程度,砂利は60~70%程度です。一般的に同一スランプのコンクリートを得るための単位水量は,実積率の低い砕石を用いた場合,砂利の場合より増加させる必要があります。したがって実積率の低い粗骨材を用いるとスランプは小さくなります。

【No.14】

混和材とコンクリートの性状に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)高炉スラグ微粉末は,硫酸塩に対する抵抗性の向上,アルカリシリカ反応の抑制,長期強度の増進,塩化物イオンの浸透等が抑制される。
(2)フライアッシュは,アルカリシリカ反応の抑制,長期強度の増進等が期待できる。
(3)シリカフュームは,マイクロフィラー効果があり,コンクリートが緻密化され高強度化や水密性が向上する。
(4)石灰石微粉末は,材料分離抵抗性の向上や作業性の確保を目的として使用される。
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正解は全て

【解説】
(1)○正しい。高炉スラグ微粉末は,潜在水硬性を有しているので,コンクリートの組織が緻密化され,硫酸塩に対する抵抗性の向上,アルカリシリカ反応の抑制,長期強度の増進,塩化物イオンの浸透等が抑制されます。
(2)○正しい。フライアッシュは,ポゾラン反応を有しているので,アルカリシリカ反応の抑制,長期強度の増進等が期待できます。
(3)○正しい。シリカフュームは,超微粉末であるため,マイクロフィラー効果があり,コンクリートが緻密化され高強度化や水密性が向上します。
(4)○正しい。石灰石微粉末は,化学的に不活性ではないですが,材料分離抵抗性の向上や作業性の確保を目的として使用されます。

【No.15】

各種混和材料の品質規格に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。
(1)高性能AE減水剤は,JISA6204(コンクリート用化学混和剤)において,スランプの経時変化量の上限値が規定されている。
(2)高性能減水剤はJISA6204(コンクリート用化学混和剤)において,凍結融解に対する抵抗性が規定されている。
(3)フライアッシュは,JISA6201(コンクリート用フライアッシュ)において,未燃炭素含有量の目安となる強熱減量の上限値が規定されている。
(4)高炉スラグ微粉末は,JISA6206(コンクリート用高炉スラグ微粉末)において,比表面積の大きさにより4つに区分されている。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。高性能AE減水剤は,優れたスランプ保持性能を有しており,スランプの経時変化量の上限値として,経時60分後で6.0cm以下と規定されています。
(2)×誤り。高性能減水剤は高性能AE減水剤と同様な優れた減水性能を有していますが,空気連行性能はないので,凍結融解に対する抵抗性の規定はありません。
(3)○正しい。フライアッシュは,Ⅰ種,Ⅱ種,Ⅲ種,Ⅳ種に区分されており,強熱減量(%)は,それぞれ3.0以下,5.0以下,8.0以下,5.0以下と上限値が規定されています。
(4)○正しい。高炉スラグ微粉末は,3000,4000,6000,8000の4種類があり,比表面積(cm2/g)はそれぞれ2750以上3500未満,3000以上5000未満,5000以上7000未満,7000以上10000未満と規定されています。
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