コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-28
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【No.136】
火害に関する調査に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)火害を受けたコンクリートの受熱温度の推定方法に,UVスペクトル法があり,コンクリート中の骨材に着目し,受熱温度を推定する。
(2)火害を受けたコンクリートの受熱温度の推定方法におけるUVスペクトル法は,あらかじめ,健全部分のコンクリートを採取,加熱し,分光光度計を用いてUVスペクトル分析し,吸光度と加熱温度の関係を求める。
(3)火害を受けたコンクリートの受熱温度の推定方法におけるX線回折法は,コンクリートの水和生成物をX線回折により分析し,結晶型の変化から受熱温度を推定する。
(4)火害を受けたコンクリートの受熱温度の推定方法における示差熱重量分析法は,コンクリートが加熱されると,構成物質は当初の物質から変化し,その際に,物質に固有の発熱や吸熱,質量変化を伴うため,試料に含まれる物質を同定,定量する。
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正解は(1)
【解説】
(1)×誤り。火害を受けたコンクリートの受熱温度の推定方法に,UVスペクトル法があり,コンクリート中の混和剤に着目し,受熱温度を推定します。
(2)○正しい。火害を受けたコンクリートの受熱温度の推定方法におけるUVスペクトル法は,あらかじめ,健全部分のコンクリートを採取,加熱し,分光光度計を用いてUVスペクトル分析し,吸光度と加熱温度の関係を求めます。
(3)○正しい。火害を受けたコンクリートの受熱温度の推定方法におけるX線回折法は,コンクリートの水和生成物をX線回折により分析し,結晶型の変化から受熱温度を推定します。
(4)○正しい。火害を受けたコンクリートの受熱温度の推定方法における示差熱重量分析法は,コンクリートが加熱されると,構成物質は当初の物質から変化し,その際に,物質に固有の発熱や吸熱,質量変化を伴うため,試料に含まれる物質を同定,定量します。
【No.137】
コンクリート表面の変色状況と受熱温度の推定に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)火害における受熱温度が300℃未満の場合,コンクリート表面にはすすなどが付着して黒くなる。
(2)火害における受熱温度が300~600℃の場合,コンクリート表面はピンク色に変色する。
(3)火害における受熱温度が600~950℃の場合,コンクリート表面は灰白色に変色する。
(4)火害における受熱温度が950℃以上の場合,コンクリート表面は溶解する。
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正解は(4)
【解説】
(1)○正しい。火害における受熱温度が300℃未満の場合,コンクリート表面にはすすなどが付着して黒くなります。
(2)○正しい。火害における受熱温度が300~600℃の場合,コンクリート表面はピンク色に変色します。
(3)○正しい。火害における受熱温度が600~950℃の場合,コンクリート表面は灰白色に変色します。
(4)○正しい。火害における受熱温度が950~1200℃の場合,コンクリート表面は淡黄色に変色します。1200℃以上では溶解します。
【No.138】
コンクリート構造物の調査項目と調査方法に関する次の記述のうち,最も適当なものはどれか。
(1)モルタル塗りの仕上の浮きの有無を調査するため,渦流探傷法を用いた。
(2)PC桁のシース内のグラウトの未充てん部の調査をするため,X線透過撮影法を用いた。
(3)コンクリート床版の厚さを調査するために,サーモグラフィー法を用いた。
(4)コンクリート中の塩化ビニル管の位置を調査するために,電磁誘導法を用いた。
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正解は(2)
【解説】
(1)×誤り。モルタル塗りの仕上の浮きの有無を調査するためには,打音法や,赤外線サーモグラフィー法を用います。渦流探傷法は導電性のある鉄筋などの表面近傍のきずを検出します。
(2)○正しい。PC桁のシース内のグラウトの未充てん部の調査をするため,X線透過撮影法を用いた。
(3)×誤り。コンクリート床版の厚さの調査では,弾性波法や電磁波レーダー法を用います。サーモグラフィー法は,コンクリート表面の浮きなどの調査に用います。
(4)×誤り。コンクリート中の塩化ビニール管の位置の調査には,電磁波レーダー法を用います。電磁波レーダー法は,電磁波がコンクリート内の鉄筋や塩化ビニル管や空洞などから反射して,返ってきた電磁波を受信します。一方,電磁誘導法は,電圧の変化を測定に利用した方法で,鉄筋などの磁性金属の調査に使用できます。
【No.139】
鉄筋コンクリート構造物より採取したコア供試体の圧縮強度試験に関する次の記述のうち,JISの規定に照らして,正しいものはどれか。
(1)コア供試体の圧縮強度試験において,採取するコア供試体の直径は,粗骨材の最大寸法の1.5倍とした。
(2)コア供試体の圧縮強度試験において,コア供試体の高さは,2か所において測定し,その平均値とした。
(3)コア供試体の圧縮強度試験において,コア供試体の端面とコアの軸とのなす角度が91.0°であったので,そのまま試験を行った。
(4)コア供試体の圧縮強度試験において,コア供試体の高さと直径の比が,1.80であったので,試験で得られた圧縮強度50.0N/mm2に補正強度を乗じて,圧縮強度とした。
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正解は(4)
【解説】
(1)×誤り。JISでは,コア供試体の直径は,粗骨材の最大寸法の3倍以下にしてはなりません。
(2)×誤り。JISでは,コアの寸法Hについて4か所の最大値と最小値が±1%以内となる精度で測定し,平均値を供試体の高さとします。
(3)×誤り。JISでは,コアの整形については,供試体の両端面の平面度が直径Dの0.05%以内およびコア端面とコアの軸とのなす角度が90±0.5度以内にします。
(4)○正しい。JISでは,コア供試体の高さと直径の比が,2.00よりも小さい場合は,圧縮強度試験結果を補正し,2.00の供試体の強度に換算します。
【No.140】
コンクリートの反発度の測定に関する次の記述のうち,JISの規定に照らして,誤っているものはどれか。
(1)コンクリートの反発度の測定において,環境温度が35℃の条件において,測定を行った。
(2)コンクリートの反発度の測定において,測定面に浮き水があったので,測定に先立ちこれを取り除いた。
(3)コンクリートの反発度の測定において,測定点の間隔を40mmとした。
(4)コンクリートの反発度の測定において,測定した値の偏差が平均値の25%であったので,測定値として採用した。
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正解は(4)
【解説】
(1)○正しい。JISでは,反発度の測定は,環境温度が0~40℃の範囲で行います。
(2)○正しい。JISでは,反発度の測定は,測定面の凹凸,浮き水がある場合は取り除き,表面を平たん処理してから測定します。
(3)○正しい。JISでは,反発度の測定は,25~50mmの間隔を持った9点について測定します。
(4)×誤り。JISでは,反発度の測定は,測定値の平均が平均値の20%以上になる値があれば,その反発度を捨て,これに代わる測定値を補います。