【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.2-37)基本問題37

診断士問題と解説

コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-37

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コンクリート診断士_一問一答_No2-37_基本問題37
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【No.181】

電気化学的補修工法に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)再アルカリ化工法は,コンクリート表面に炭酸カルシウムなどのアルカリ性溶液を含んだ仮設陽極材を約1~2週間程度設置し,直流電流を仮設陽極材からコンクリート中の鋼材に向かって流すことで,アルカリ性溶液をコンクリート中の鋼材に向かって電気浸透させる。
(2)再アルカリ化工法で流す直流電流は,標準的には1~2A/㎡である。
(3)再アルカリ化工法は,鋼材の不動態被膜が回復していることを確認した後に仮設陽極材を撤去し処理完了とする。
(4)再アルカリ化工法は,アルカリシリカ反応によって劣化した部材に適用する場合は,アルカリシリカ反応を促進する可能性があることに注意が必要である。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。再アルカリ化工法は,コンクリート表面に炭酸カルシウムなどのアルカリ性溶液を含んだ仮設陽極材を約1~2週間程度設置し,直流電流を仮設陽極材からコンクリート中の鋼材に向かって流すことで,アルカリ性溶液をコンクリート中の鋼材に向かって電気浸透させます。
(2)○正しい。再アルカリ化工法で流す直流電流は,標準的には1~2A/㎡です。
(3)○正しい。再アルカリ化工法は,鋼材の不動態被膜が回復していることを確認した後に仮設陽極材を撤去し処理完了とします。
(4)○正しい。再アルカリ化工法は,アルカリシリカ反応によって劣化した部材に適用する場合は,アルカリシリカ反応を促進する可能性があることに注意が必要です。

【No.182】

電気化学的補修工法に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)電着工法は,海中構造物に適用できるという利点がある。
(2)電着工法は,コンクリート表面に電解質溶液を含んだ仮設陽極を約6か月間程度設置し,直流電流を仮設陽極からコンクリート中の鋼材に向かって流す。
(3)電着工法で流す直流電流は,標準的には0.5~2.0mA/㎡である。
(4)電着工法は,海水中のカルシウムイオン,マグネシウムイオン等をひび割れ内部やコンクリート表面に無機系の電着物質として析出させる。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。電着工法は,海中構造物に適用できるという利点があります。
(2)○正しい。電着工法は,コンクリート表面に電解質溶液を含んだ仮設陽極を約6か月間程度設置し,直流電流を仮設陽極からコンクリート中の鋼材に向かって流します。
(3)×誤り。電着工法で流す直流電流は,標準的には0.5~2.0A/㎡です。
(4)○正しい。電着工法は,海水中のカルシウムイオン,マグネシウムイオン等をひび割れ内部やコンクリート表面に無機系の電着物質として析出させます。

【No.183】

補強工法に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)上面増厚工法は,床版コンクリート上面を切削,研掃後,鋼繊維補強コンクリートを打ち込むことにより,床版を増厚することで,必要な性能の向上を図る床版上面増厚工法と,これに補強鉄筋を配置し必要な性能の向上を図る鉄筋補強上面増厚工法とがある。
(2)鋼繊維補強コンクリートによる桁や床スラブの上面の増厚工法は,補強前の断面より増厚した分の断面が大きくなり,断面剛性が大きくなり,その結果として振動を抑制する効果があるが,押抜きせん断耐力は向上しない。
(3)上面増厚工法は,道路橋においては交通規制の時間的制約に対応するため,超速硬セメントの使用が基本となる。既設コンクリートのはつり処理はウォータージェット工法が採用される。コンクリートの厚さが薄いため乾燥収縮ひび割れを防止するためスランプが小さい硬練りの鋼繊維コンクリートが使用される。
(4)下面増厚工法は,床版下面に鉄筋などの補強材を配置し,主として増厚材料に付着性の高いポリマーセメントモルタルを用い,左官仕上げ,もしくは吹付け施工することにより増厚し,一体化することにより必要な性能の向上を図る工法である。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。上面増厚工法は,床版コンクリート上面を切削,研掃後,鋼繊維補強コンクリートを打ち込むことにより,床版を増厚することで,必要な性能の向上を図る床版上面増厚工法と,これに補強鉄筋を配置し必要な性能の向上を図る鉄筋補強上面増厚工法とがあります。
(2)×誤り。鋼繊維補強コンクリートによる桁や床スラブの上面の増厚工法は,補強前の断面より増厚した分の断面が大きくなり,断面剛性が大きくなり,その結果として振動を抑制する効果があり,押抜きせん断耐力も向上しません。
(3)○正しい。上面増厚工法は,道路橋においては交通規制の時間的制約に対応するため,超速硬セメントの使用が基本となります。既設コンクリートのはつり処理はウォータージェット工法が採用されます。コンクリートの厚さが薄いため乾燥収縮ひび割れを防止するためスランプが小さい硬練りの鋼繊維コンクリートが使用されます。
(4)○正しい。下面増厚工法は,床版下面に鉄筋などの補強材を配置し,主として増厚材料に付着性の高いポリマーセメントモルタルを用い,左官仕上げ,もしくは吹付け施工することにより増厚し,一体化することにより必要な性能の向上を図る工法です。

【No.184】

補強工法に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)下面増厚工法は,主に曲げ耐力の向上を目的として実施されるものであり,付随的にせん断耐力が向上するが,せん断抵抗を失った床版へ適用する場合は,部分打ち換え工法を採用するなど別途検討が必要である。
(2)鋼板接着工法は,コンクリート部材の引張応力作用面に鋼板を取り付け,鋼板とコンクリートの空隙に注入用接着剤を圧入し,コンクリートと接着させて季節部材と一体化させることにより必要な性能の向上を図る工法である。
(3)鋼板接着工法は,コンクリート部材の引張応力作用面に鋼板を接着させ,鋼板に引っ張り材としての効果を期待するもので,曲げおよびせん断補強に適用できる。
(4)鋼板接着工法は,コンクリートの劣化,強度不足が著しい場合でも,鋼板と既設のコンクリートを一体化させることで,所定の補強効果が得られる。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。下面増厚工法は,主に曲げ耐力の向上を目的として実施されるものであり,付随的にせん断耐力が向上しますが,せん断抵抗を失った床版へ適用する場合は,部分打ち換え工法を採用するなど別途検討が必要です。
(2)○正しい。鋼板接着工法は,コンクリート部材の引張応力作用面に鋼板を取り付け,鋼板とコンクリートの空隙に注入用接着剤を圧入し,コンクリートと接着させて季節部材と一体化させることにより必要な性能の向上を図る工法です。
(3)○正しい。鋼板接着工法は,コンクリート部材の引張応力作用面に鋼板を接着させ,鋼板に引っ張り材としての効果を期待するもので,曲げおよびせん断補強に適用できます。
(4)×誤り。鋼板接着工法は,コンクリートの劣化,強度不足が著しい場合,鋼板と既設のコンクリートの一体化が不十分となり,所定の補強効果が得られないため,事前に適切な補強を行うことを検討する必要があります。

【No.185】

補強工法に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)連続繊維シート接着工法は,コンクリート部材の,引張応力や斜め引張応力作用面に,連続繊維を1方向あるいは2方向に配置して,シート状にした補強材,あるいは現場で含侵接着剤をを含侵・硬化させたFRPの連続繊維シートを接着して,既設コンクリートと一体化させることにより,必要な性能の向上を図る工法である。
(2)連続繊維シート接着工法で用いる繊維シートは軽量で,現場成形が容易であるという特徴がある。
(3)連続繊維シート接着工法で用いる繊維シートは耐食性に優れるため,海洋環境などのコンクリート構造物の補強に適用できる。
(4)連続繊維シート接着工法は,コンクリート部材の,剛性を向上させる効果がある。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。連続繊維シート接着工法は,コンクリート部材の,引張応力や斜め引張応力作用面に,連続繊維を1方向あるいは2方向に配置して,シート状にした補強材,あるいは現場で含侵接着剤をを含侵・硬化させたFRPの連続繊維シートを接着して,既設コンクリートと一体化させることにより,必要な性能の向上を図る工法です。
(2)○正しい。連続繊維シート接着工法で用いる繊維シートは軽量で,現場成形が容易であるという特徴があります。
(3)○正しい。連続繊維シート接着工法で用いる繊維シートは耐食性に優れるため,海洋環境などのコンクリート構造物の補強に適用できます。
(4)×誤り。連続繊維シート接着工法は,補強により断面積の増大は少ないため,せん断耐力の向上や断面剛性の向上は期待できません。
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