【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.43)配合推定、ASR

コンクリート診断士 問題と解説Vol.38

【問211_配合推定】

 硬化コンクリートの分析や測定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)X線回折(XRD)によりC-S-Hを定量できる。

(2)走査電子顕微鏡(SEM)により、骨材とセメントペーストの境界の状態を観察できる。

(3)電子線マイクロアナライザ―(EPMA)により、塩素の分布状況を把握できる。

(4)熱分析法(DTA-TG)により、水酸化カルシウムを定量できる。

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正解(1)

(1)誤りです。X線回折法は、鉱物などの同定が可能ですが、定量評価はできません。ここで、同定とは、その物質が何であるかを決定することです。定量とは、ある物質中に含まれている成分の量を定めることです。

(2)問題のとおりです。SEM(Scanning Electron Microscopy)は真空中で細く絞った電子線で、資料の表面を走査(スキャニング)し、試料から出てくる信号を検出して、試料表面の拡大像を表示する電子顕微鏡です。
電子銃から照射された入射電子線が効率的に試料に到達できるように、電子銃と資料との間は真空状態となっています。
そして、試料からの二次電子と反射電子(後方散乱電子)の信号を用いて拡大した像を表示します。
二次電子から得られた像は試料表面の微細な凹凸を反映したものとなります。
一方、反射電子は試料を構成している原子に当たって跳ね返された電子で、物質の分布状況を反映した像が得られます。

(3)問題のとおりです。EPMAは画像の明暗から、コンクリートの組成を観察することが出来ます。重い元素を含む部分は軽い元素を含む部分より明るく観察されます。例えば中性化を観察したい場合は、コンクリート表面の塩素(Cl)の分布を観察することで中性化深さの測定ができます。塩素が含まれる部分は暗い画像として観察されます。

(4)問題のとおりです。熱分析法は、試料を細かく粉砕した後、試料を入れた炉の温度を1000℃まで上昇させた際の、質量の変化と、熱流量の変化から、物質を定量する方法です。水酸化カルシウムは、450℃付近で熱分解され水蒸気となるため、質量の変化と、熱流量の変化が生じます。

【問212_配合推定】

 劣化したコンクリート片を採取して、コンクリートの組織および化学組織を調査した。調査項目と分析機器との(1)~(4)の組合わせのうち、不適当なものはどれか

(1)空隙量-水銀圧入ポロシメーター

(2)水和生成物の種類-蛍光X線分析装置

(3)水酸化カルシウム量-示差熱重量分析装置(TG-DTA)

(4)針状結晶の生成-走査電子顕微鏡(SEM)

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正解(2)

(1)問題のとおりです。水銀は、表面張力が非常に強いことで知られています。表面張力により、コンクリートの表面の微細な孔に水銀が自然に入り込むことはありません。しかし、水銀を圧入すると、コンクリート表面の微細な孔に水銀を入れ込むことが出来ます。水銀を入れ込むのに必要な圧力と入り込んだ体積から、コンクリートの表面に開いている微細な孔の大きさと数(体積)を測定することが出来ます。

(2)誤りです。蛍光X線分析では、元素や鉱物の同定はできますが、水和生成物(C-S-H等)の化合物の種類は同定出来ません。

(3)問題のとおりです。示差熱重量分析法は、試料を細かく粉砕した後、試料を入れた炉の温度を1000℃まで上昇させた際の、質量の変化と、熱流量の変化から、物質を定量する方法です。水酸化カルシウムは、450℃付近で熱分解され水蒸気となるため、質量の変化と、熱流量の変化が生じます。

(4)問題のとおりです。SEM(Scanning Electron Microscopy)は真空中で細く絞った電子線で、資料の表面を走査(スキャニング)し、試料から出てくる信号を検出して、試料表面の拡大像を表示する電子顕微鏡です。

電子銃から照射された入射電子線が効率的に試料に到達できるように、電子銃と資料との間は真空状態となっています。

そして、試料からの二次電子と反射電子(後方散乱電子)の信号を用いて拡大した像を表示します。

二次電子から得られた像は試料表面の微細な凹凸を反映したものとなります。

一方、反射電子は試料を構成している原子に当たって跳ね返された電子で、物質の分布状況を反映した像が得られます。

【問213_配合推定】

 コンクリートを調査するための分析機器について、分析内容および測定によって検出するものを示した次の(1)~(4)の組合わせのうち、適当なものはどれか

分析機器の種類 分析の内容 測定によって検出するもの
(1) X線回折装置 生成物の同定 回折されたX線強度
(2) 示差熱分析装置 表面組織の観察 基準物質と試料との温度差
(3) 走査型電子顕微鏡 化学組織の分析 二次電子像
(4) 水銀圧入ポロシメータ 空隙径分布の測定 窒素ガスの吸着量
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正解(1)

(1)問題のとおりです。X線回折法は、物質にX線を照射し、その回折角度から結晶構造を把握するものです。

(2)誤りです。示差熱分析は、試料を細かく粉砕した後、試料を入れた炉の温度を1000℃まで上昇させた際の、質量の変化と、熱流量の変化から、物質を定量する方法です。水酸化カルシウムは、450℃付近で熱分解され水蒸気となるため、質量の変化と、熱流量の変化が生じます。

(3)誤りです。SEM(Scanning Electron Microscopy)は真空中で細く絞った電子線で、資料の表面を走査(スキャニング)し、試料から出てくる信号を検出して、試料表面の拡大像を表示する電子顕微鏡です。

電子銃から照射された入射電子線が効率的に試料に到達できるように、電子銃と資料との間は真空状態となっています。
そして、試料からの二次電子と反射電子(後方散乱電子)の信号を用いて拡大した像を表示します。
二次電子から得られた像は試料表面の微細な凹凸を反映したものとなります。
一方、反射電子は試料を構成している原子に当たって跳ね返された電子で、物質の分布状況を反映した像が得られます。

(4)誤りです。水銀は、表面張力が非常に強いことで知られています。表面張力により、コンクリートの表面の微細な孔に水銀が自然に入り込むことはありません。しかし、水銀を圧入すると、コンクリート表面の微細な孔に水銀を入れ込むことが出来ます。水銀を入れ込むのに必要な圧力と入り込んだ体積から、コンクリートの表面に開いている微細な孔の大きさと数(体積)を測定することが出来ます。

【問214_ASR】

 アルカリ骨材反応の調査・測定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)コンクリート構造物から採取したコアの断面に現れている骨材およびその周囲の状態の観察から、アルカリ骨材反応の可能性を推定することができる。(2)構造物から採取したコアの促進膨張試験による残存膨張性を判定することによって、アルカリ骨材反応の可能性を推定することができる。

(3)構造物のコンクリートの力学的特性は、促進膨張試験終了後のコアを用いた静弾性係数試験、圧縮強度試験などを行って判定することができる。

(4)JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」の付属書7(規定)「骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法)」に準じて、コアから採取した骨材のアルカリ濃度減少量および溶解シリカ量を測定することによってアルカリシリカ反応性を判定することができる。

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正解(3)

(1)問題のとおりです。アルカリシリカ反応を示すコンクリートは、骨材とモルタル境界付近には透明もしくは白色を呈するゼリー状のゲル生成物が確認できます。

(2)問題のとおりです。ASRの潜在的な反応性の評価や将来的な膨張性を評価するために、コンクリートコアの残存膨張量試験を行います。

(3)誤りです。促進試験終了後の試験体は、膨張によりコンクリートの力学的特性が変化するため、静弾性係数試験、圧縮強度試験などを行って判定することはできません。

(4)問題のとおりです。コアから採取した骨材のアルカリ濃度減少量および溶解シリカ量を測定することによってアルカリシリカ反応性を判定することができます。この方法を化学法と呼びます。

【問215_ASR】

 アルカリシリカ反応の疑いがあるコンクリート構造物よりコアを採取して調査を行った。次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)コアの残存膨張量の測定は、構造物の表面から50cm程度まで除外して行った。(2)コアを砕いて得られたコンクリート片を80℃の1N-NaOH溶液に浸せきし、骨材のアルカリシリカ反応性を判定した。

(3)コアに存在するゲル状物質がアルカリシリカゲルか否かを蛍光X線分析により判定した。

(4)コアを密封容器内で加圧し、採取した細孔溶液からアルカリ濃度を求めた。

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正解(3)

(1)問題のとおりです。構造物の表面部(50mm程度まで)は、ひび割れ発生や外部からの劣化因子の侵入などによる影響を受ける可能性があるので、表面部は測定場所から除外します。

(2)誤りです。コンクリート構造物から採取したコアを促進養生し、そのコンクリートがアルカリシリカ反応(ASR)で膨張する可能性を判定する試験で、温度80℃、1NのNaOH水溶液中で行うカナダ法があります。カナダ法で使用するコアは、原則として直径50mm、長さ約130mmとします。

(3)問題のとおりです。蛍光X線分析は、物質にX線を照射した時に放出される蛍光X線を検知して元素を特定する分析手法です。これにより、ゲル状物質の構成元素を調べることができます。

(4)問題のとおりです。アルカリ骨材反応とは、コンクリートの細孔溶液中における水酸化アルカリと、骨材中のアルカリ反応性鉱物との間の化学反応をいいます。細孔溶液のアルカリ濃度を調べることで、アルカリ反応性を判定します。

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