【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.2-36)基本問題36

診断士問題と解説

コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-36

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【No.176】

含侵材塗布工法に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)含侵材塗布工法は,コンクリート表面に含侵材を塗布することによって,それぞれの劣化因子の侵入防止または鉄筋腐食作用を抑制する工法である。
(2)含侵材塗布剤には,シアン系とケイ酸塩系などがある。
(3)亜硝酸リチウムを主成分とする含侵材は,鉄筋表面を不動態化する働きがあり,鉄筋の腐食を防止する効果がある。
(4)ケイ酸ナトリウムを主成分とする含侵材は,コンクリートの表面に膜を形成し,防水性や撥水性の効果を付与する。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。含侵材塗布工法は,コンクリート表面に含侵材を塗布することによって,それぞれの劣化因子の侵入防止または鉄筋腐食作用を抑制する工法です。
(2)○正しい。含侵材塗布剤には,シアン系とケイ酸塩系などがあります。
(3)○正しい。亜硝酸リチウムを主成分とする含侵材は,鉄筋表面を不動態化する働きがあり,鉄筋の腐食を防止する効果があります。
(4)×誤り。ケイ酸ナトリウムを主成分とする含侵材は,コンクリートの表面を緻密にする効果があります。コンクリートを緻密にすることで外部からの有害物質の侵入を防ぐ効果があります。ガスの侵入を抑制するため,中性化抑制効果があります。

【No.177】

含侵材塗布工法に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)アルキルアルコキシシランを主成分とする材料は,コンクリート表面に膜を形成し,防水性や撥水性の効果があり,ガスの浸透を防止する効果がある。
(2)シラン系含侵材は,アルカリシリカ反応抑制対策および塩化物イオンの侵入抑制対策に使われる。
(3)シラン系の含侵材は防水効果および撥水性に優れ,水や塩分を遮断する効果はあるが,ガスの浸透を防止する効果は劣り,中性化の抑制効果は劣る。
(4)アルカリシリカ反応の抑制対策には亜硝酸リチウム溶液を使用した含侵工法が有効である。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。アルキルアルコキシシランを主成分とする材料は,コンクリート表面に膜を形成し,防水性や撥水性の効果があり,ガスの浸透を防止する効果に劣ります。
(2)○正しい。アルキルアルコキシシランを主成分とする材料は,コンクリート表面に膜を形成し,防水性や撥水性の効果があり,ガスの浸透を防止する効果があります。
(3)○正しい。シラン系の含侵材は防水効果および撥水性に優れ,水や塩分を遮断する効果はありますが,ガスの浸透を防止する効果は劣り,中性化の抑制効果は劣ります。
(4)○正しい。アルカリシリカ反応の抑制対策には亜硝酸リチウム溶液を使用した含侵工法が有効です。

【No.178】

各種補修工法に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)はく離防止工法であるアンカーピニング工法は,建築物のタイルやモルタル層などの浮き,はく離を補修する方法であり,浮き,はく離部分と躯体部分を削孔し,貫通させた部分にエポキシ樹脂を注入後,アンカーピンで固定する方法である。
(2)はく離防止工法である繊維シート接着工法は,主に土木分野で,橋梁の床版の下面,壁高欄の外側などのかぶりコンクリートやトンネル覆工コンクリートが劣化してはく落することを防止する目的で用いられる。
(3)電気防食工法は,主としてアルカリシリカ反応により劣化した構造物を対象とした工法である。
(4)電気防食工法は,コンクリート中の鉄筋の腐食反応を停止させることを目的とし,電流密度は10~30mA/㎡程度であり,ソーラーパネル電源等で電力を確保できる。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。はく離防止工法であるアンカーピニング工法は,建築物のタイルやモルタル層などの浮き,はく離を補修する方法であり,浮き,はく離部分と躯体部分を削孔し,貫通させた部分にエポキシ樹脂を注入後,アンカーピンで固定する方法です。
(2)○正しい。はく離防止工法である繊維シート接着工法は,主に土木分野で,橋梁の床版の下面,壁高欄の外側などのかぶりコンクリートやトンネル覆工コンクリートが劣化してはく落することを防止する目的で用いられます。
(3)×誤り。電気防食工法は,主として塩害により劣化した構造物を対象とした工法です。反応性骨材が使用されている鉄筋コンクリート構造物に電気防食工法を適用すると,アルカリシリカ反応による劣化を助長する可能性があります。
(4)○正しい。電気防食工法は,コンクリート中の鉄筋の腐食反応を停止させることを目的とし,電流密度は10~30mA/㎡程度であり,ソーラーパネル電源等で電力を確保できます。

【No.179】

電気化学的補修工法に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)電気防食工法は,塩害により劣化した構造物を対象としており,構造物の供用期間に対して,断続的に通電するのが特徴である。
(2)電気防食工法における陽極システムには,外部に電源を設ける外部電源方式と,コンクリート内部の鋼材よりイオン化傾向が大きい亜鉛などの金属を陽極材として鋼材と導通させることにより防食電流を確保する流電陽極方式がある。
(3)電気防食工法の留意点として,100mV以上の復極量が必要である。
(4)電気防食工法の留意点として,通電中の鋼材電位が-1000mVよりも卑になる程度まで通電すると過防食となり,鉄筋の表面に水素が発生する可能性がある。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。電気防食工法は,塩害により劣化した構造物を対象としており,構造物の供用期間を通して通電するのが特徴です。
(2)○正しい。電気防食工法における陽極システムには,外部に電源を設ける外部電源方式と,コンクリート内部の鋼材よりイオン化傾向が大きい亜鉛などの金属を陽極材として鋼材と導通させることにより防食電流を確保する流電陽極方式があります。
(3)○正しい。電気防食工法の留意点として,100mV以上の復極量が必要です。
(4)○正しい。電気防食工法の留意点として,通電中の鋼材電位が-1000mVよりも卑になる程度まで通電すると過防食となり,鉄筋の表面に水素が発生する可能性があります。

【No.180】

電気化学的補修工法に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)脱塩工法は,塩害により劣化した構造物が対象であり,劣化段階を問わず,コンクリート中の塩化物イオンの除去および鋼材の不動態化を目的とする。
(2)脱塩工法は,コンクリート表面に水酸化カルシウムやホウ酸リチウムなどの電解質溶液を含んだ仮設陽極材を約8週間程度設置し,1㎡当たり10~30mAの直流電流を仮設陽極材からコンクリート中の鋼材に向かって流す。
(3)脱塩工法は,コンクリート中の塩化物イオンをコンクリートの外に設置している仮設陽極材側に電気泳動することによって脱塩する。
(4)脱塩工法をPC部材に適用する場合には,PC鋼材の水素脆弱が懸念されるため,事前の検討に基づく通電制御などを行うことに注意が必要である。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。脱塩工法は,塩害により劣化した構造物が対象であり,劣化段階を問わず,コンクリート中の塩化物イオンの除去および鋼材の不動態化を目的とします。
(2)×誤り。脱塩工法は,コンクリート表面に水酸化カルシウムやホウ酸リチウムなどの電解質溶液を含んだ仮設陽極材を約8週間程度設置し,電気防食工法よりも大きな直流電流を流します。1㎡当たり1~2Aを仮設陽極材からコンクリート中の鋼材に向かって流します。
(3)○正しい。脱塩工法は,コンクリート中の塩化物イオンをコンクリートの外に設置している仮設陽極材側に電気泳動することによって脱塩します。
(4)○正しい。脱塩工法をPC部材に適用する場合には,PC鋼材の水素脆弱が懸念されるため,事前の検討に基づく通電制御などを行うことに注意が必要です。
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