【一級土木施工管理技士】過去問演習(No.36~40)

【No.36】

トンネルの山岳工法における覆工の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)覆工コンクリートの型枠面は,コンクリート打ち込み前に清掃を念入りに行うとともに適切なはく離剤を適量塗布する必要がある。
(2)覆工コンクリートの打ち込みは,原則として内空変位の収束前に行うことから,覆工の施工時期を判断するために変位計測の結果を利用する必要がある。
(3)覆工コンクリートの締め固めは,内部振動機を用いることを原則として,コンクリートの材料分離を引き起こさないように振動時間の設定には注意が必要である。
(4)覆工コンクリートの養生は,坑内換気やトンネル貫通後の外気の影響について注意し,一定期間において,コンクリートを適当な温度及び湿度に保つ必要がある。
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正解は(2)

【解説】
(1)〇正しい。型枠面の状況の良し悪しは,覆工コンクリートの平滑性,出来映え等に大きく影響するので,清掃を念入りに行うとともに,取り外しを容易にするため適切なはく離材を適量塗布します。
(2)×誤り。覆工コンクリートの打ち込み時期は,内空変位が収束したことを確認した後に行うことを原則とします。なお,膨張性地山では早期に覆工を施工する場合もあります。
(3)〇正しい。覆工コンクリートの締め固めは,内部振動機を用いることを原則として,コンクリートの材料分離を引き起こさないように振動時間の設定には注意が必要です。
(4)〇正しい。覆工コンクリートの養生は,坑内換気やトンネル貫通後の外気の影響について注意し,一定期間において,コンクリートを適当な温度及び湿度に保つ必要があります。

【No.37】

海岸堤防の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)海上工事となる場合は,施工による海水の濁りの問題が生じる場合もあるので,現場の施工条件に対する考慮が重要である。
(2)海岸堤防は,その存在が自然環境を損なったり,周辺環境と調和しないといった弊害を極力防止するため,堤防法面に構造物としての形状や素材を活かした処理などの工夫が必要である。
(3)海上工事となる場合は,波浪,潮汐,潮流の影響を強く受け,作業時間が制限される場合もあるので,現場の施工条件に対する考慮が重要である。
(4)堤防建設位置は,制約を受けることが少ないが,強度の低い地盤に施工せざるを得ない場合には,必要に応じて押え盛土,地盤改良などを考慮する。
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正解は(4)

【解説】
(1)〇正しい。海上工事となる場合は,施工による海水の濁りの問題が生じる場合もあるので,現場の施工条件に対する考慮が重要です。
(2)〇正しい。海岸堤防は,海浜地又は岩礁等に設けられるため,自然環境や周辺の生態系に配慮し,法線形状に緩やかな曲線を取り入れたり,堤防に自然石や木等の利用をはかる工夫が必要です。
(3)〇正しい。海上工事となる場合は,波浪,潮汐,潮流の影響を強く受け,作業時間が制限される場合もあるので,現場の施工条件に対する考慮が重要です。
(4)×誤り。堤防建設位置は,制約を受けることが多く,強度の低い地盤に施工せざるを得ない場合には,必要に応じて押え盛土,地盤改良等を考慮します。

【No.38】

海岸の濳堤・人工リーフの機能や特徴に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)離岸堤に比較して波の反射が小さく,堤体背後の堆砂機能は少ない。
(2)天端が海面下であり,構造物が見えないことから景観を損なわない。
(3)天端水深や天端幅にかかわらず,堤体背後への透過波は変化しない。
(4)捨石などの材料を用いた没水構造物で,波浪の静穏化,沿岸漂砂の制御機能を有する。
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正解は(3)

【解説】
(1)〇正しい。海面に突出する構造の離岸堤に比べ,入射波のエネルギー減勢効果,沿岸漂砂量の減少力は潜堤・人工リーフの方が機能的に劣っています。
(2)〇正しい。潜堤・人エリーフは,天端が海面下であり,構造物が見えないことから景観を損ないません。
(3)×誤り。潜堤・人エリーフは,堤体背後への透過波は,天端水深や天端幅により変化し,小さな波浪はほとんど透過し,大きな波浪を選択的に減衰させます。
(4)〇正しい。潜堤・人エリーフは,沖合に汀線に平行に捨石,ブロックなどを用い海面下に構築する没水構造物です。離岸堤と同様に波浪の静穏化,沿岸漂砂の制御機能を有し,安定した海域の形成や海浜でのレクリエーションを促進します。

【No.39】

港湾の防波堤の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)傾斜堤は,施工設備が簡単であるが,直立堤に比べて施工時の波の影響を受け易いので工程管理に注意を要する。
(2)ケーソン式の直立堤は,本体製作をドライワークで行うことができるため,施工が確実であるが,荒天日数の多い場所では海上施工日数に著しい制限を受ける。
(3)ブロック式の直立堤は,施工が確実で容易であり,施工設備も簡単であるなどの長所を有するが,各ブロック間の結合が十分でなく,ケーソン式に比べ一体性に欠ける。
(4)混成堤は,水深の大きい箇所や比較的軟弱な地盤にも適し,捨石部と直立部の高さの割合を調整して経済的な断面とすることができるが,施工法及び施工設備が多様となる。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。傾斜堤は,石やブロックを台形型に捨込んだ構築物で,主として傾斜面での砕波によって波のエネルギーを散逸させるため,直立堤に比べ施工時の波の影響は受けにくいです。
(2)〇正しい。ケーソン式の直立堤は,本体製作をドライワークで行うことができるため,施工が確実であるが,荒天日数の多い場所では海上施工日数に著しい制限を受けます。
(3)〇正しい。ブロック式の直立堤は,施工が確実,容易で施工設備も簡単などの長所に対し,各ブロック間の結合が十分ではなくケーソン式に比べ一体性に欠け,海上作業期間が長い,広い製作用地が必要などの短所があります。
(4)〇正しい。混成堤は,捨石部の上に直立堤を設置したもので,波高に比べ捨石天端が浅いときは傾斜堤,深いときは直立堤の機能に近くなります。水深の大きな箇所や比較的軟弱な地盤にも適しますが,直立堤で反射した波によって捨石部が洗掘されやすいなどの短所があります。

【No.40】

港湾の浚渫工事の調査に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)機雷など危険物が残存すると推定される海域においては,浚渫に先立って工事区域の機雷などの探査を行い,浚渫工事の安全を確保する必要がある。
(2)浚渫区域が漁場に近い場合には,作業中の濁りによる漁場などへの影響が問題となる場合が多く,事前に漁場などの利用の実態,浚渫土質,潮流などを調査し,工法を検討する必要がある。
(3)水質調査の主な目的は,海水汚濁の原因が,バックグラウンド値か浚渫工事による濁りかを確認するために実施するもので,事前又は,浚渫工事完成後の調査のいずれかを行う必要がある。
(4)浚渫工事の施工方法を検討する場合には,海底土砂の硬さや強さ,その締まり具合や粒の粗さなど,土砂の性質が浚渫工事の工期,工費に大きく影響するため,事前調査を行う必要がある。
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正解は(3)

【解説】
(1)〇正しい。機雷などの危険物が海底下に埋設が推定される海域では,「残存機雷等に対する港湾工事等の安全確保に関する基準(通達)」に基づき,事前に探査して工事の安全を確保します。
(2)〇正しい。浚渫区域が漁場に近い場合には,作業中の濁りによる漁場などへの影響が問題となる場合が多く,事前に漁場などの利用の実態,浚渫土質,潮流などを調査し,工法を検討する必要があります。
(3)×誤り。水質調査の主な目的は,海水汚濁の原因が,浚渫前のバックグランド値か浚渫工事による汚濁かを判断するため行う調査で,事前及び浚渫中の調査が必要です。
(4)〇正しい。浚渫工事の施工方法を検討する場合,事前調査として,標準貫入試験,粒度分析,比重試験,含水比試験を行うのが一般的です。
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