【一級土木施工管理技士】過去問演習(No.81~85)

【No.81】

労働者の健康管理のために事業者が講じるべき措置に関する次の記述のうち,労働安全衛生法令上,誤っているものはどれか。
(1)事業者は,原則として常時使用する労働者に対し,1年以内ごとに1回,定期に医師による健康診断を行わなければならない。
(2)休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり100時間を超え,かつ,疲労の蓄積が認められる労働者の申出により,保健所のカウンセラーによる面接指導を行わなければならない。
(3)一定の危険性・有害性が確認されている化学物質を取り扱う場合には,事業場におけるリスクアセスメントが義務づけられている。
(4)事業者は,常時特定粉じん作業に係る業務に労働者を就かせるときは,粉じんの発散防止及び作業場所の換気方法,呼吸用保護具の使用方法等について特別の教育を行わなければならない。
クリックで【No.81】の解答と解説をみる

正解は(2)

【解説】
(1)〇正しい。労働安全衛生規則により,事業者は,原則として常時使用する労働者に対し,1年以内ごとに1回,定期に医師による健康診断を行わなければなりません。
(2)×誤り。労働安全衛生法に「事業者は,その労働時間が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める時間(休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間について,1月当たり100時間とする)を超える労働者に対し,厚生労働省令で定めるところにより,医師による面接指導を行わなければならない]と規定されています。
(3)〇正しい。労働安全衛生法により,一定の危険性・有害性が確認されている化学物質を取り扱う場合には,事業場におけるリスクアセスメントが義務づけられています。
(4)〇正しい。粉じん障害防止規則により,事業者は,常時特定粉じん作業に係る業務に労働者を就かせるときは,粉じんの発散防止及び作業場所の換気方法,呼吸用保護具の使用方法等について特別の教育を行わなければなりません。

【No.82】

コンクリート構造物の解体作業に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)圧砕機,大型ブレーカによる取壊しでは,建設機械と作業員の接触を防止するため,誘導員を適切な位置に配置する。
(2)ワイヤソーによる取壊しでは,切断の進行に合わせ,適宜切断面へのキャンパー打ち込み,ずれ止めを設置する。
(3)転倒方式による取壊しでは,解体する構造物の縁切り作業を数日間行い,その作業が完了してから転倒作業を行う。
(4)カッタによる取壊しでは,ブレード,防護カバーを確実に設置し,特にブレード固定用ナットは十分に締め付ける。
クリックで【No.82】の解答と解説をみる

正解は(3)

【解説】
(1)〇正しい。国土交通省総合政策局建設施工企画課策定建設機械施工安全マニュアルに①誘導員を配置し,関係者以外立入禁止措置をします。②重機に近接して作業する場合,重機を停止します。③重機との接触等防止するため,誘導員を配置します。などの安全確認事項が記されています。
(2)〇正しい。国土交通省総合政策局建設施工企画課策定建設機械施工安全マニュアルに,①切断中は監視員を配置し,関係者以外立入禁止とします。②切断の進行に合わせ,適宜切断面へのキャンパー打ち込み,ずれ止め設置を行います。などの安全確認事項が記されています。
(3)×誤り。土木工事安全施工技術指針に,「転倒作業は必ず一連の連続作業で実施し,その日中に終了させ,繊切した状態で放置しないこと」と記されています。
(4)〇正しい。建設機械施工安全マニュアルに,①安全帯及び防護メガネを使用します。②撤去惻躯体ブロックへのカッター取付けを禁止します。③アンカー設置時は,ジャンカ,空洞等を確認します。④ブレード,防護カバーを確実に設置,特にブレード固定用ナットは十分に締付ける。などの安全確認事項が記されています。

【No.83】

品質管理に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)品質管理は,施工計画立案の段階で管理特性を検討し,それを施工段階でつくり込むプロセス管理の考え方である。
(2)品質特性の選定にあたっては,工程の状態を総合的に表すことができ,工程に対して処置をとりやすい特性のものを選ぶことに留意する。
(3)品質特性の選定にあたっては,構造物の品質に及ぼす影響が小さく,測定しやすい特性のものを選ぶことに留意する。
(4)施工段階においては,問題が発生してから対策をとるのではなく,小さな変化の兆しから問題を事前に予見し,手を打っていくことが原価低減や品質確保につながる。
クリックで【No.83】の解答と解説をみる

正解は(3)

【解説】
(1)〇正しい。品質管理は,施工計画立案の段階で管理特性を検討し,それを施工段階でつくり込むプロセス管理の考え方です。
(2)〇正しい。①工程の状態を総合的に表せるもの,②工程に対し処置をとりやすいもの,③選定された品質特性と最終品質との関係が明らかなもの,④構造物の品質に重要な影響を及ぼすもの,⑤測定しやすい特性のもの,⑥早期に結果が得られるもの,⑦できるだけ工程の初期に測定できるもの,を選ぶのが望ましいです。
(3)×誤り。①工程の状態を総合的に表せるもの,②工程に対し処置をとりやすいもの,③選定された品質特性と最終品質との関係が明らかなもの,④構造物の品質に重要な影響を及ぼすもの,⑤測定しやすい特性のもの,⑥早期に結果が得られるもの,⑦できるだけ工程の初期に測定できるもの,を選ぶのが望ましいです。
(4)〇正しい。施工段階においては,問題が発生してから対策をとるのではなく,小さな変化の兆しから問題を事前に予見し,手を打っていくことが原価低減や品質確保につながります。

【No.84】

アスファルト舗装の品質管理に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)作業員や施工機械などの組合せを変更する場合は,試験の頻度は変えずに,新たな組合せによる品質の確認を行う。
(2)管理結果を工程能力図にプロットし,その結果が管理の限界を外れた場合,あるいは一方に片寄っているなどの結果が生じた場合,直ちに試験頻度を増して異常の有無を確かめる。
(3)各工程の初期においては,各項目に関する試験の頻度を適切に増し,その時点の作業員や施工機械などの組合せにおける作業工程を速やかに把握する。
(4)管理の合理化をはかるためには,密度や含水比などを非破壊で測定する機器を用いたり,作業と同時に管理できる敷均し機械や締め固め機械などを活用する。
クリックで【No.84】の解答と解説をみる

正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。作業員や施工機械などの組合せを変更する場合は,試験の頻度を増し,新たな組合せによる作業能力を把握しなおすことが必要です。
(2)〇正しい。工程能力図において,試験頻度が1~2回/日の場合,プロットが管理限界を超えたり,一方に片寄ったりした場合は,直ちに試験頻度を増して異常の有無を確かめます。
(3)〇正しい。各工程の初期においては,各項目に関する試験の頻度を適切に増し,その時点の作業員や施工機械などの組合せにおける作業工程を速やかに把握します。
(4)〇正しい。管理の合理化をはかるために,ICTを活用し生産性の向上と品質の確保をはかることを目的とした情報化施工技術が推進されており,舗装工事ではTSを用いた施工管理や出来形管理等が行われています。

【No.85】

情報化施工におけるTS(トータルステーション),GNSS(衛星測位システム)を用いた盛土の締め固め管理に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
(1)TS,GNSSを用いた盛土の締め固め管理は,締め固め機械の走行位置をリアルタイムに計測し転圧回数を確認する。
(2)TS,GNSSを用いた盛土の締め固め管理システムの適用にあたっては,地形条件や電波障害の有無などを事前に調査して,システムの適用の可否を確認する。
(3)盛土施工に使用する材料は,試験施工でまき出し厚や締め固め回数を決定した材料と同じ土質の材料であることを確認する。
(4)盛土材料を締め固める際は,盛土施工範囲の代表エリアについて,モニタに表示される締め固め回数分布図の色が,規定回数だけ締め固めたことを示す色になることを確認する。
クリックで【No.85】の解答と解説をみる

正解は(4)

【解説】
(1)〇正しい。TS,GNSSを用いた盛土の締め固め管理は,締め固め機械の走行位置をリアルタイムに計測し転圧回数を確認します。
(2)〇正しい。TS,GNSSを用いた盛土の締め固め管理システムの適用にあたっては,地形条件や電波障害の有無などを事前に調査して,システムの適用の可否を確認します。
(3)〇正しい。盛土施工に使用する材料は,土質の変化の有無に注意を払い,試験施工で施工仕様を決定した材料と同じ土質の材料であることを確認します。さらに,盛土に先立ち,その含水比が所定の締め固め度が得られる含水比の範囲内であることを確認します。
(4)×誤り。盛土材料を締め固める際は,盛土施工範囲の全面にわたって試験施工で決定した締め固め回数を確保するよう,モニタに表示される締め固め回数分布図において,施工範囲の管理ブロックの全てが,規定回数だけ締め固めたことを示す色になるまで締め固めます。
タイトルとURLをコピーしました