【No.86】
コンクリート材料の計量に関する次の記述のうち,JISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に照らして,不適当なものはどれか。
(1)水を,あらかじめ計量してある混和剤に累加して計量した。
(2)粒度の異なる粗骨材を,累加して計量した。
(3)袋詰めの膨張材を,購入者の承認を得て袋の数で計量し,端数は質量で計量した。
(4)石灰石微粉末を,あらかじめ計量してあるセメントに累加して計量した。
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正解は(4)
【解説】
(1)○正しい。JISA5308では,「セメント,骨材,水及び混和材量は,それぞれ別々の計量器によって計量しなければならない。水は,あらかじめ計量してある混和剤と一緒に累加して計量してもよい。]と規定しています。
(2)○正しい。骨材は,同一の計量器で累加して計量してもよいです。したがって,同一種類の異なる粒度の細骨材(粗骨材),異種類の細骨材(粗骨材),細骨材と粗骨材は,同一の計量器で累加して計量してもよいです。
(3)○正しい。JISA5308では,「セメント,骨材及び混和材の計量は,質量による。混和材は,購入者の承認があれば,袋の数で量ってもよい。ただし1袋未満のものを用いる場合には,必ず質量で計算しなければならない。」と規定しています。
(4)×誤り。混和材である石灰石微粉末とセメントは,それぞれ別々の計量器で計量しなければなりません。
【No.87】
コンクリート材料に関する次の記述のうち,JISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に照らして,適当なものはどれか。
(1)JISA5308(レディーミクストコンクリート)に規定される高強度コンクリートにJISR5214(エコセメント)に適合した普通エコセメントを使用した。
(2)JISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定においては,再生細骨材Mの使用が認められている。
(3)JISA5308附属書C(レディーミクストコンクリートの練り混ぜに用いる水)によれば,スラッジ水中のスラッジ固形分率が1%未満の場合,スラッジ固形分を水の質量に含めてもよい。
(4)戻りコンクリートを洗浄して得られた回収骨材を用いてJISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に従って「高強度,55,50,20,M」を製造出荷した。
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正解は(3)
【解説】
(1)×誤り。エコセメントは,都市ごみ焼却灰を主とし必要に応じ下水汚泥などの廃棄物を従としてクリンカーの主原料に用い,製品1tにつきこれらの廃棄物を乾燥ベースで500kg以上使用して作られるセメントで,塩化物イオン量が0.1%以下の普通エコセメントと塩化物イオン量が0.5%以上1.5%以下で速硬性を有する速硬エコセメントに分類されます。JISA5308では,普通エコセメントが普通ポルトランドセメントに比べて塩化物イオン量が多いこと,高強度コンクリートの単位セメント量が多いことにより「普通エコセメントは,高強度コンクリートには適用しない」と規定しています。
(2)×誤り。JISA5308では,骨材は附属書A(レディーミクストコンクリート用骨材)に適合するものを用いるとし,附属書Aには,砕石および砕砂,スラグ骨材,人工軽量骨材,再生骨材Hならびに砂利および砂について規定しています。附属書Aには,再生細骨材Mは,規定していないので,レディーミクストコンクリートの使用材用として認められていません。
(3)○正しい。JISA5308ー2014(レディーミクストコンクリート)附属書C(レディーミクストコンクリートの練り混ぜに用いる水)では,「スラッジ固形分率を1%未満で使用する場合には,スラッジ固形分を水の質量に含めてもよい」と規定しています。
(4)×誤り。JISA5308では,「軽量コンクリート及び高強度コンクリートには,回収骨材を用いない」と規定しています。[高強度,55,50,20,M]は,中庸熱ポルトランドセメントおよび最大寸法が20mmの粗骨材を使用した呼び強度55,スランプフロー50cmの高強度コンクリートであるので,回収骨材を使用することはできません。
【No.88】
コンクリート材料および配調合に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)スラッジ固形分率は,単位セメント量に対するスラッジ固形分の質量の割合を分率で表したものである。
(2)ミキサの練り混ぜ性能を,圧縮強度とスランプの2つの試験結果から評価した。
(3)コンクリートの配(調)合において,水セメント比を小さくした場合,火災による爆裂を防止する効果がある。
(4)コンクリートの配(調)合において,水セメント比を小さくした場合,水和熱による温度応力を低減する効果がある。
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正解は(1)
【解説】
(1)○正しい。JISA5308ー2014(レディーミクストコンクリート)附属書C(レディーミクストコンクリートの練り混ぜに用いる水)で,スラッジ固形分率は,「レディーミクストコンクリートの配合における,単位セメント量に対するスラッジ固形分の質量の割合を分率で表したもの」と定義しています。
(2)×誤り。ミキサは,所定容量のコンクリートを所定時間で練り混ぜ,試験したコンクリート中のモルタルの単位容積質量差が0.8%以下,コンクリート中の単位粗骨材量の差が5%以下であれば,コンクリートを均一に練り混ぜる性能をもつものとすると規定されています。ミキサの練り混ぜ性能は,圧縮強度とスランプの2つの試験結果では評価できません。
(3)×誤り。水セメント比が小さくなると,緻密なコンクリートが得られますが,火災による急激な加熱によって爆裂を起こすことがあります。
(4)×誤り。水セメント比が小さくなると,水和反応による発熱は大きくなり,温度応力による影響は増大します。
【No.89】
コンクリートの製造と品質管理に関する次の記述のうち,JISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に照らして,誤っているものはどれか。
(1)トラックアジテータのドラム内に付着した普通コンクリートのフレッシュモルタルを,付着モルタル安定剤によって処理し翌朝の普通コンクリートに混合して再利用した。
(2)呼び強度27,スランプ21cmで高性能AE減水剤を用いたコンクリートの荷卸し地点のスランプが23.5cmであったので,合格と判定した。
(3)呼び強度50の高強度コンクリートの強度試験を,100m3に1回の頻度で行った。
(4)呼び強度27のコンクリートにおいて,圧縮強度の3回の試験結果が22.5N/mm2、27.2N/mm2、31.3N/mm2であったので不合格と判定した。
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正解は(2)
【解説】
(1)○正しい。JISA5308では,“普通コンクリートの場合は,練り混ぜたコンクリートをトラックアジテータから全量排出した後,トラックアジテータのドラムの内壁,羽根などに付着しているフレッシュモルタルを付着モルタル安定剤を用いて再利用してよい”と規定しています。
(2)×誤り。JISA5308では,“荷卸し地点でのスランプ21cmの許容差は,±1.5cmですが,呼び強度27以上で高性能AE減水剤を使用する場合は±2とする”と規定しています。したがって,呼び強度27,スランプ21cmで高性能AE減水剤を用いたコンクリートの許容されるスランプは19.0~23.0です。スランプ23.5cmは許容範囲をこえているので不合格です。
(3)○正しい。JISA5308では,“強度の試験頻度は,普通コンクリート,軽量コンクリート及び舗装コンクリートにあっては150m3について1回を,高強度コンクリートにあっては100m3について1回を標準とする”と規定しています。
(4)○正しい。JISA5308では,「強度は①1回の試験結果は,購入者が指定した呼び強度の強度値の85%以上でなければならない。②3回の試験結果の平均値は,購入者が指定した呼び強度の強度値以上でなければならない」と規定しています。呼び強度27の1回の試験結果は,22.5N/mm2、27.2N/mm2、31.3N/mm2で①の条件呼び強度の強度値27.0N/mm2であるので,1回の試験結果は,27.0×0.85=23.0N/mm2以上でなければなりません。22.5N/mm2、23.0N/mm2であるので不満足。②の条件3回の試験結果の平均値は,(22.5+27.2+31.3)/3=27.0N/mm2で満足。①の条件が不満足なので不合格と判定します。
【No.90】
JISA5308(レディーミクストコンクリート)に規定されるコンクリートの検査に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。
(1)圧縮強度の試験頻度は,コンクリートの種類にかかわらず150m3につき1回を標準とする。
(2)1回の圧縮強度試験に用いる3個の供試体は,異なる運搬車から1個ずつ採取する。
(3)荷卸し地点での空気量の許容差は,指定された空気量によって異なる。
(4)荷卸し地点でのスランプの許容差は,指定されたスランプによって異なる。
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正解は(4)
【解説】
(1)×誤り。JISA5308では,「強度の試験頻度は,普通コンクリート,軽量コンクリート及び舗装コンクリートにあっては150m3について1回を,高強度コンクリートにあっては100m3について1回を,それぞれ標準とする」と規定しています。
(2)×誤り。JISA5308では,「1回の試験結果は,任意の1運搬車から採取した試料で作った3個の供試体の試験値の平均値で表す」と規定しています。
(3)×誤り。JISA5308では「荷卸し地点での空気量の許容差は,±1.5%」と規定しています。また,「空気量が指定された場合にも,その許容差は,±1.5%とする。」と規定しています。
(4)○正しい。JISA5308では,「荷卸し地点でのスランプの許容差は,スランプ2.5cmにあっては±1cm,スランプ5cmおよび6.5cmにあっては±1.5cm,スランプ8cm以上18cm以下にあっては±2.5cm,スランプ21cmにあっては±1.5cm]と規定しています。なお,スランプ21cmでは,呼び強度27以上で高性能AE減水剤を利用する場合は,スランプの許容差は±2としています。