【過去問演習No.136-140】コンクリート技士 問題と解説

技士

【No.136】

鉄筋の継手に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)同じ断面に集まっている継手に,重ね継手を用いた。
(2)SD345のD38とD41の継手に,ガス圧接継手を用いた。
(3)曲げ加工部の継手に,ガス圧接継手を用いた。
(4)機械式継手の強度検査に,ハンマーによる打撃試験を用いた。
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正解は(2)

【解説】
(1)×誤り。鉄筋の継手部分は,鉄筋母材に比べて硬く伸びが少ないなど性状が異なる他,断面が大きくなるなどの変化が生じます。そのため鉄筋の継手を同一断面に設けるとその部分でRC部材としての性能が,鉄筋母材部分と大きく異なることとなり,基本的に鉄筋の継手は同一断面に設けない方がよいです。とくに,重ね継手は,一方の鉄筋の応力をコンクリートに伝え,その応力をさらにもう一方の鉄筋に伝えるメカニズムのため,同一断面に重ね継手を設けると,コンクリートの同一断面に引張応力が生じ,ひび割れが生じやすくなるため,設けてはなりません。
(2)○正しい。ガス圧椄継手は,同種の鉄筋または一段階強度の異なる種類の鉄筋まで適用可能です。また,径の異なる同種の鉄筋の場合,呼び径7mmの差まで適用することができます。同種SD345の径D38とD41(呼び径3mm差)の継手に,ガス圧接継手を用いることは可能です。
(3)×誤り。鉄筋を曲げ加工部すると,鉄筋の材質が変化し伸び能力が低下するなどの影響が生じます。またガス圧接を行うと同様に材質が変化し,同様の影響が生じるため,曲げ加工部分に圧接継手を設けてはなりません。
(4)×誤り。各種機械式継手の管理には,ナット内への鉄筋の挿入長さの確認,グラウト材充填の確認,ナットの締め付けの確認などの方法によります。強度検査は抜取りにより引張検査を行うのが一般です。鉄筋に応力が生じていない施工期間中に,打撃試験を行っても強度を確認することはできません。

【No.137】

寒中コンクリートに関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)初期凍害を受けても,その後適切な温度で養生すれば,当初設定した強度の確保が可能である。
(2)荷卸し時のコンクリートの温度を10~20℃とすることは,初期凍害の防止に対して有効である。
(3)5℃が28日間継続した場合の積算温度は,20℃が7日間継続した場合と同じになる。
(4)コンクリートの練上がり温度を上げるためには,セメントを加熱することが効果的である。
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正解は(2)

【解説】
(1)×誤り。コンクリートが初期凍害を受けると,その後養生を続けても強度の増進は小さいです。初期凍結防止は寒中コンクリート施工の重要な対策であり,風よけ,給熱(加熱)等,適切な養生を行う必要があります。
(2)○正しい。打ち込み後の凍結を避けるためには,10℃程度を確保する必要がありますが,一方,打ち込み温度を上げるとマスコンクリートでは温度ひび割れが発生する可能性も生じるので注意が必要です。土木学会示方書施工編では,打ち込み時のコンクリート温度を5~20℃としています。
(3)×誤り。積算温度Mは一般に。M=Σ(θ十A)・Δtで表されます。ここで,M:積算温度(℃・日または℃・時),θ:Δt時間中のコンクリート温度(℃),A:定数で一般に10℃,Δt:時間(日または時)。5℃が28日間継続した時の積算温度はM=(5+10)×28=420°C・日であり,20℃が7日間継続した時は,M=(20+10)×7=210°C・日となります。
(4)×誤り。土木学会示方書施工編では,水または骨材を加熱することとし,セメントを直接熱してはならないとしています。高温のセメントが水と接触すると急結し,コンクリートに悪影響が生じる可能性があります。

【No.138】

暑中コンクリートに関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)単位水量の増加を防ぐために,AE減水剤から高性能AE減水剤に変更した。
(2)水和熱を抑制するために,普通ポルトランドセメントから中庸熱ポルトランドセメントに変更した。
(3)普通ポルトランドセメントを使用するので,湿潤養生期間を5日間以上とした。
(4)打重ね時間間隔が180分となるように,打ち込み計画を作成した。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。高性能AE減水剤は,スランプの保持性に優れていること,また,高性能AE減水剤を用いることで単位水量および単位セメント量が低減でき,温度ひび割れ対策としての効果も期待できます。
(2)○正しい。外気温やコンクリートの打ち込み温度が高い暑中コンクリートでは,温度ひび割れ発生の可能性が大きくなります。水和熱の小さい中庸熱ポルトランドセメントを用いることでコンクリートの温度上昇を抑制することは暑中コンクリートにおける温度ひび割れ対策の一つの方法です。
(3)○正しい。日光の直射や風などによる急激な乾燥を避け,ひび割れが生じる可能性を低くするため,露出面を速やかに湿潤養生することが重要であり,土木学会示方書施工編では,養生期間は日平均気温か15℃以上で普通セメントを用いる場合には5日間を標準としています。
(4)×誤り。土木学会示方書施工編では,コールドジョイント防止のため,外気温が25℃をこえる場合と25℃以下の場合の許容打重ね時間間隔をそれぞれ,2.0時間および2.5時間としています。

【No.139】

寒中コンクリートに関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)いかなる場合においても,セメントは加熱しない計画とした。
(2)骨材はできるだけ冷えないように貯蔵し,気候条件によっては凍結を防ぐ措置をとった。
(3)初期凍害を防止するため,単位水量をできるだけ少なくした。
(4)水和熱による温度上昇が期待できるので,凍結した地盤にコンクリートを打ち込んだ。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。材料を加熱する場合,作業が容易なことおよび熱容量が大きいことから水の加熱が望ましいです。土木学会示方書施工編では,水または骨材を加熱することとし,いかなる場合でもセメントを直接,熱してはならないとしています。高温のセメントが水と接触すると急結し,コンクリートに悪影響が生じる可能性があります。
(2)○正しい。凍結しているか,または氷雪が混入している骨材をそのまま用いてはなりません。凍結している骨材を用いるとコンクリートの練上り温度が低くなり,コンクリートが凍結する恐れが生じます。
(3)○正しい。単位水量は所要の施工性能が得られる範囲で,できるだけ少なくするのがよいです。硬化セメントペースト中の凍結しやすい毛細管の量を少なくできるので,初期凍結・凍害の防止に有効な手段です。
(4)×誤り。凍結した地盤にコンクリートを打ち込むと,セメントの水和反応に伴うコンクリートの温度上昇により,コンクリート内部と地盤に接する部分との温度差(コンクリート内外部の温度差)が大きくなり,内部拘束による温度ひび割れが発生することがあります。

【No.140】

暑中コンクリートに関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)エントレインドエアが入りやすいので,AE剤の添加量をやや少なくする必要がある。
(2)セメントの水和反応の進行が速く,スランプの低下が大きくなる。
(3)急激な水分の蒸発により,プラスティック収縮ひび割れが発生しやすくなる。
(4)初期の強度発現は速やかであるが,長期材齢における強度の伸びが小さくなる。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。コンクリートの練上り温度が高いほどエントレインドエアーは入りにくくなり,所定の空気量を得るためのAE剤の添加量は多くなります。
(2)○正しい。暑中コンクリートとしての対策が必要な時期は,外気温やコンクリートの練上り温度が高くなり,水和反応が早くなります。コンクリート温度が高いほど,経過時間が長いほど,スランプの低下は大きくなります。
(3)○正しい。若材齢のコンクリートが,日光の直射や急激な乾燥にさらされると,コンクリート表面にプラスティック収縮ひび割れが生じたり,表層部がポーラスになるなど,コンクリート構造物の耐久性の低下を招く危険性があります。
(4)○正しい。暑中コンクリートでは,練上り温度や養生温度の上昇により,初期強度の発現は速やかになる反面,長期強度の増進は小さくなる傾向を有します。
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