【コンクリート主任技士過去問解説】平成29年度No26~30

主任技士過去問解説

コンクリート主任技士過去問 問題と解説

【平成29年度―問題26】

水中コンクリートに関する次の記述のうち、不適当なものはどれか

(1)一般の水中コンクリートは、気中に打ち込まれるコンクリートに比べて強度が低下するため、土木学会示方書では、水中施工時の強度が標準供試体強度の0.6~0.8倍とみなし、配合強度を設定することとしている。

(2)地下連続壁(地中壁)に打ち込むコンクリートの水セメント比は、安定液の混入や分離を抑制するため、土木学会示方書、JASS5ともに55%以下としている。

(3)水中不分離コンクリートは流動性が高いため、JIS A 1150(コンクリートのスランプフロー試験方法)により評価し、スランプコーンを引き上げて1分後までの流動速度を設定する。

(4)水中不分離コンクリートは、一般のコンクリートと比べて単位水量が多いので乾燥収縮率が大きく、エントレインドエアの連行が難しいので耐凍害性が低く、原則として常時水中にある構造物に適用する。

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正解(4)

(1)問題のとおりです。土木学会示方書では、水中コンクリートは、気中に打ち込まれるコンクリートに比べて強度が低下するため、標準供試体強度の0.6~0.8倍と見なし、配合強度を設定することとされています。

(2)問題のとおりです。地中壁に打ち込むコンクリートの水セメント比は、安定液の混入や分離を抑制するため、土木学会示方書、JASS5ともに55%以下としています。なお、場所打ち杭における水セメント比に関しては、土木学会示方書では50%以下を、JASS5では60%以下を標準としています。

(3)誤りです。スランプコーンを引き上げて5分後に測定したフロー値で流動性を評価します。

(4)問題のとおりです。水中不分離コンクリートは、水中で落下させても分離しにくく、水質を汚濁しにくいコンクリートです。凝結時間は通常のコンクリートより5~10時間遅延します。不分離剤を添加するため、単位水量が多くなります。そのため、乾燥収縮量は通常のコンクリートに比べて20~30%大きく、耐凍害性が低くなります。

【平成29年度―問題27】

流動化コンクリートおよび高流動コンクリートに関する次の一般的な記述のうち、適当なものはどれか

(1)流動化コンクリートは、流動化剤を後添加することでセメント粒子が分散しやすくなるため、高性能AE減水剤を用いた同一スランプのコンクリートよりも、経過時間に伴うスランプの低下が小さい。

(2)流動化コンクリートでは、単位水量はベースコンクリートと同じスランプの一般のコンクリートと同じであるため、細骨材率もベースコンクリートと同じスランプの一般のコンクリートと同じとする。

(3)増粘剤系および併用系高流動コンクリートは、増粘剤の作用によって、一般のコンクリートよりも凝結が遅延するが、適度な粘性の付与によりコンクリート表面のこて仕上げは容易になる。

(4)高流動コンクリートでは、打上がり時に型枠に作用する側圧はほぼ液圧分布となり、流動性の保持時間が長いため、その後も長時間にわたって側圧は減少しにくい。

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正解(4)

(1)誤りです。流動化剤を後添加することでセメント粒子が分散しやすくなり、流動性の効果は高くなります。しかし、高性能AE剤を用いた同一スランプのコンクリートよりも、経過時間に伴うスランプの低下は大きいため、流動化剤の添加後は30分程度以内で打込みを完了させることが望ましいです。

(2)誤りです。流動化コンクリートの特徴は、スランプ8~15cm程度の硬練りコンクリートが得られる単位水量で、より大きなスランプのコンクリートが得られることとされています。流動化前のベースコンクリートの細骨材率は、材料分離を起こさないようにするため高めにしておくのがよいとされています。

(3)誤りです。高流動コンクリートは、混和剤の種類によらず、一般のコンクリートに比べて粘性が高く、ブリーディングはほとんどありません。粘性が高く、表面が乾燥しやすいため、こて仕上げは難しくなります。こて仕上げの際には、水分を噴霧しながら行うなどの工夫が必要です。

(4)問題のとおりです。高流動コンクリートは、流動性が高いうえ、高性能AE減水剤の作用により凝結が遅くなる傾向があります。そのため、打上がり時に型枠に作用する側圧はほぼ液圧分布となり、流動性の保持時間が長いため、その後も長時間にわたって側圧は減少しにくくなります。

【平成29年度―問題28】

下図に示す鉄筋コンクリート梁を設計するときの目的と対策に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。なお、部材の寸法は一定とする。

(1)曲げ耐力を増加させるために、上端の主(鉄)筋①の鉄筋径を太くする。

(2)せん断耐力を増加させるために、スターラップ(あばら筋)の配置間隔Sを小さくする。

(3)斜め引張ひび割れの発生を防止するために、スターラップ(あばら筋)の降伏強度を高くする。

(4)曲げひび割れ幅を小さくするために、下端の主(鉄)筋の鉄筋比を変えずに鉄筋径を太くする。

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正解(2)

(1)誤りです。上からの集中荷重に対する曲げ耐力を増加させるためには、下端筋(主鉄筋②)の鉄筋径を太くしたり、鉄筋本数を増やします。

(2)問題のとおりです。スターラップの配置間隔を小さくすると、せん断耐力が増加します。

(3)誤りです。ひび割れの発生は、鉄筋が降伏耐力に達する以前に起こります。そのため、スターラップの降伏強度を高くしても、ひび割れの発生を防止する効果はありません。

(4)誤りです。ひび割れ幅を小さくするためには、鉄筋比を大きくすること、鉄筋径を小さくして鉄筋夫表面積を大きくすることが有効です。問題のように、鉄筋比を変えずに鉄筋径を太くすると、ひび割れ幅は大きくなります。

【平成29年度―問題29】

下図に示すように、断面寸法と鉄筋の種類は同じで帯(鉄)筋量のみ異なるa~dの4種類の鉄筋コンクリート柱がある。これらの頂部に、水平力が作用している。このときの柱の破壊形式と変形能力に関するル議の一般的な記述のうち、適当なものはどれか

(1)曲げ破壊する可能性が最も高い柱は、dである。

(2)せん断破壊する可能性が最も高い柱は、cである。

(3)水平耐力が最も大きくなる柱は、bである。

(4)終局変形能力が最も大きくなる柱は、aである。

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正解(2)

(1)誤りです。部材長さが長く、帯筋間隔が狭い、bが曲げ破壊する可能性が最も高い柱です。

(2)問題のとおりです。部材長さが短く、帯筋間隔が広い、cが最もせん断破壊する可能性が高い柱です。

(3)誤りです。部材長さが短く、帯筋間隔が狭い、dが最も水平力が大きくなる柱です。

(4)誤りです。終局変形能力が最も大きくなる柱は、帯筋間隔が狭いbまたはdです。

【平成29年度―問題30】

図1のようなプレストレストコンクリート梁に、図心位置に配置したPC鋼棒の緊張によって圧縮力を導入した。その状態から曲げ荷重を載荷した時の荷重―積載点変位関係が図2の①~④のように得られた。この部材の状況の説明として不適当なものはどれか。ただし、自重の影響は無視する。

(1)①の段階では、B点に発生する圧縮ひずみはA点と同じである。

(2)②の付近では、A点に発生する圧縮ひずみはB点よりも大きい。

(3)③の付近では、B点のひずみは圧縮側から引張側へ移行する。

(4)④の段階から除荷すると、載荷点変位が⑤の位置へ戻る。

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正解(3)

ひび割れ発生までは、コンクリートの上端、下端共に圧縮力が掛かっている状態です。ひび割れ発生後は、上端が圧縮、下端が引張の状態です。ひび割れ発生後は、除荷後も残留変形が残ります。

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