【H26_No.16~20】コンクリート主任技士 問題と解説

主任技士過去問解説

【H26_No.16~20】コンクリート主任技士 問題と解説

【(H26)-No.16】

 レディーミクストコンクリートa~dの製品検査の結果、下表が得られた。このうち、JIS A 5308(レディーミクストコンクリー)の規定に照らして、スランプ、空気量、強度の全ての項目を満足しているものの組合せとして正しいものはどれか
ただし、空気量の指定は特になかった。
(1)a、b
(2)b、d
(3)a、c
(4)a、b、c
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正解(3)

(a)〇:適合しています。
スランプの許容範囲:18±2.5cm
空気量の許容範囲:4.5±1.5%
強度:1回の試験結果は呼び強度の85%以上かつ3回の平均は呼び強度以上
(b)×:適合していません。
スランプの許容範囲:6.5±1.5cm←不適合
空気量の許容範囲:4.5±1.5%
強度:1回の試験結果は呼び強度の85%以上かつ3回の平均は呼び強度以上
(c)〇:適合しています。
スランプの許容範囲:18±2.5cm
空気量の許容範囲:5.0±1.5%
強度:1回の試験結果は呼び強度の85%以上かつ3回の平均は呼び強度以上
(d)×:適合していません。
スランプの許容範囲:18±1.5cm
空気量の許容範囲:4.5±1.5%
強度:1回の試験結果は呼び強度の85%以上かつ3回の平均は呼び強度以上←不適合

【(H26)-No.17】

 次の記述のうち、JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)およびJIS A 5308付属書D(トラックアジテータのドラム内に付着したモルタルの使用方法)の規定に照らして、正しいものはどれか
(1)トラックアジテータからコンクリート試料を採取する場合、排出されるコンクリートが分離していないことを確認すれば、排出の初めの部分から採取したコンクリートを試料としてよい。
(2)圧縮強度の試験におけるロットは、水セメント比と強度の関係が同一で、かつ同じ呼び強度のものであれば、スランプが相違しても同一ロットのコンクリートとしてよい。
(3)JIS A 5021(コンクリート用再生骨材H)に規定される再生骨材Hは、普通コンクリートおよび高強度コンクリートに使用できる。
(4)トラックアジテータのドラム内に付着したモルタルを再利用するために、付着モルタル安定剤を用いてスラリー状にしたモルタルをドラムから取り出し専用容器に保存する場合には、保存期間を2日間以内とする。
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正解(2)

(1)×:誤りです。トラックアジテータからの試料の採取は、ドラムを30秒間高速で回転させ、試料を均一にしたのち、シュートから排出されるコンクリートの初めの50~100Lを除き、連続したコンクリートの流れの全横断面から試料を採取します。
(2)〇:問題のとおりです。圧縮強度の試験におけるロットは、水セメント比と強度の関係が同一で、かつ同じ呼び強度のものであれば、スランプが相違しても同一ロットのコンクリートとしてよいです。
(3)×:誤りです。コンクリート用再生骨材Hに規定される再生骨材Hは、普通コンクリートおよび舗装コンクリートに使用できます。高強度コンクリートには使用できません。
(4)×:誤りです。トラックアジテータのドラム内に付着したモルタルを再利用するために、付着モルタル安定剤を用いてスラリー状にしたモルタルをドラムから取り出し専用容器に保存する場合には、保存期間を24時間以内とします。

【(H26)-No.18】

 JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)の運搬に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)スランプ2.5cmの舗装用コンクリートを、ダンプトラックに保護覆いを付け、日射を遮り湿潤状態を保ちながら、90分間で運搬した。
(2)近隣にレディーミクストコンクリート工場がなく、コンクリートの品質の低下がないことを事前に確認したことから、購入者との協議によって運搬時間の限度を100分とした。
(3)外気温が25℃を超えていたため、土木学会示方書およびJASS5における打込み終了までの時間の規定を考慮して、練混ぜを開始してから荷卸し地点に到着するまでの時間の限度を60分とした。
(4)トラックアジテータの性能試験として、積荷のおよそ1/4と3/4のところからそれぞれ個々に試料を採取してスランプ試験を行ったところ、両者のスランプの差が2.5cmだったので、合格とした。
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正解(1)

(1)×:誤りです。ダンプトラックは、スランプ2.5cmの舗装コンクリートを運搬する場合に限り使用することができます。ダンプトラックで舗装コンクリートを運搬する場合の運搬時間は練混ぜを開始してから1時間以内とします。
(2)〇:問題のとおりです。レディークスとコンクリートの運搬時間は、購入者と協議のうえ、90分以内の範囲で運搬時間を変更できます。
(3)〇:問題のとおりです。練混ぜから打込み終了までの時間を、土木学会示方書では、外気温が25℃を超える場合は90分。JASS5では、外気温が25℃以上の場合は90分としています。これらの規定を満足する範囲で、購入者と協議のうえ、運搬時間の限度を90分より短くするのが良いとされています。
(4)〇:問題のとおりです。トラックアジテータの性能試験では、積荷のおよそ1/4と3/4のところからそれぞれ全断面から試料を採取してスランプ試験を行い、両者のスランプの差が3cm以内を合格とします。

【(H26)-No.20】

 打込み・締固め・打継ぎに関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)ボックスカルバート側壁の収縮ひび割れ発生位置を制御するため、誘発目地を設けることとし、その間隔を側壁の高さと同一、断面欠損率を部材厚さの1/10とした。
(2)鉄骨鉄筋コンクリート梁において、鉄骨のフランジ下端へのコンクリートの充填を確実にし、かつ型枠に偏圧が生じないように、両側から同時に打ち込んだ。
(3)軽量コンクリートを締め固める場合、密度差による骨材の浮きが懸念されるため、普通コンクリートよりも締固め時間を短くした。
(4)構造物をいくつかのブロックで施工する場合、鉛直打継目の一体性を高めるため、打継面の型枠としてJIS G 3351(エキスパンドメタル)に規定されているエキスパンドメタルを用いた。
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正解(4)

(1)×:誤りです。壁状構造物の収縮ひび割れ発生位置を制御するために設けるひび割れ誘発目地は、その間隔は部材高さの1~2倍程度、断面欠損率は25~50%以上とすると効果的です。
(2)×:誤りです。鉄骨鉄筋コンクリート梁において、鉄骨のフランジ下端へのコンクリートの充填を確実にし、かつ型枠に偏圧が生じないように、片側から打ち込みます。両側から打ち込むと、フランジ下端に空気だまりが生じやすくなります。
(3)×:誤りです。軽量コンクリートの骨材は、普通コンクリートの骨材よりも密度が小さいですが、軽量コンクリートも普通コンクリートと同様に締め固める必要があります。軽量コンクリートは、密度差により骨材に浮きが生じることがありますが、表面に浮いた骨材はタンピングによって沈めます。
(4)〇:問題のとおりです。構造物をいくつかのブロックで施工する場合、鉛直打継目の一体性を高めるため、打継面を凹凸にする方法が有効です。凹凸状の型枠としてJIS G 3351(エキスパンドメタル)に規定されているエキスパンドメタルを用います。
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