【過去問演習No.166-170】コンクリート技士 問題と解説

技士

【No.166】

舗装コンクリートに関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)すりへり減量が30%の粗骨材を用いた。
(2)荷卸し時の目標スランプを2.5cmとした。
(3)材齢28日における曲げ強度を設計の基準とした。
(4)ダンプトラックでの運搬時間の限度を1.5時間とした。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。土木学会舗装標準示方書では,すりへり減量の限度は,35%を標準としています。ただし,タイヤチェーンなどによる大きなすりへり作用を受ける積雪寒冷地の道路では,限度を25%以下とすることが望ましいとされています。
(2)○正しい。コンクリートのコンシステンシーは,スランプを2.5cmとするのが標準です。スリップフォームを用いる場合は4cm程度とする場合が多く,プレストレストコンクリートで版厚が小さい場合には8cmが標準的です。
(3)○正しい。舗装では,コンクリート版の荷重支持性能やひび割れ抵抗性に対し,圧縮強度より曲げ強度が重要な強度特性であり,設計では圧縮強度ではなく曲げ強度が設定されます。
(4)×誤り。JISA5308ー2009(レディーミクストコンクリート)によれば,ダンプトラックで運搬する場合の運搬時間は1時間以内と規定されています。

【No.167】

舗装コンクリートに関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)粗骨材の最大寸法は,40mm以下を標準とする。
(2)スランプは,10cmを標準とする。
(3)水セメント比の最大値は,凍結融解がしばしば繰り返される場合は45%とする。
(4)湿潤養生期間は,現場養生供試体の曲げ強度が配合強度の7割に達するまでとする。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。一般の舗装用コンクリートに用いられる粗骨材の最大寸法は40mm以下とするのが標準です。RCCtP用では20mmとすることが多いです。
(2)×誤り。舗装用コンクリートには,一般に硬練りコンクリートが用いられ,スランプを2.5cmとするのが標準です。スリップフォームを用いる場合には4cm程度,プレストレストコンクリートの場合には,版厚が小さいことから8cmとすることがあります。
(3)○正しい。耐久性を基として水セメント比を定める場合,土木学会舗装標準示方書では,凍結融解がしばしば繰り返される条件では45%,凍結融解がときどき起る条件では50%を水セメント比の最大値としています。
(4)○正しい。一般に,曲げ強度が配合強度の7割に達するまで湿潤養生を行えば,その後の繰り返し曲げ作用や乾燥条件による強度発現の影響はないとされます。

【No.168】

転圧コンクリート舗装(RCCP)に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)通常の舗装用コンクリートに比べ,耐摩耗性が低い。
(2)コンシステンシーの指標として,振動台式コンシステンシー試験の沈下度が用いられる。
(3)打ち込み目地を設けることが困難であり,カッタ目地が用いられる。
(4)通常の舗装用コンクリートに比べ,圧縮強度に対する曲げ強度の割合が小さい。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。RCCP用コンクリートは,通常の舗装用コンクリートに比べ,単位粗骨材量が大きく,すり減り抵抗性およびすべり抵抗性に優れています。
(2)×誤り。スランプが2.5cmの通常の舗装用コンクリートでは振動台式コンシステンシー試験の沈下度が用いられますが,土木学会舗装標準示方書では,より硬練りであるRCCP用コンクリートにはマーシャル締め固め試験,修正VC試験,ランマー試験のいずれかを用いるとされています。
(3)○正しい。RCCPの施工ではコンクリートの舗設前に目地板を設置しておくことができないため,硬化後に所定の位置で版全厚をカッタで切断し,目地板を設置するなどの方法がとられます。
(4)×誤り。RCCP用コンクリートの強度は水セメント比のみならず,転圧,充填率に影響されます。適切な施工が行われた場合RCCP用コンクリートの圧縮強度に対する曲げ強度の比率は,通常の舗装用コンクリートに比べ大きい傾向にあります。

【No.169】

舗装コンクリートに関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)凍結融解抵抗性を確保するために,空気量5%のAEコンクリートを用いた。
(2)コンクリートの強度管理に,材齢28日における圧縮強度を用いた。
(3)スランプ2.5cmのコンクリートの運搬に,ダンプトラックを用いた。
(4)コンクリートのコンシステンシーの判定に,振動台式コンシステンシー試験を用いた。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。土木学会舗装標準示方書によれば,凍結融解抵抗性の照査には相対動弾性係数を用いますが,空気量が4~7%であれば照査に代えてよいと規定されています。ただし,同示方書では,空気量の規定と同時に最大水セメント比を55%(とくに厳しい気候.),60%(凍結融解が時々起こる場合)とする規定も記載しています。
(2)×誤り。舗装では,コンクリート版の荷重支持性能やひび割れ抵抗性に対し,圧縮強度より曲げ強度が重要な強度特性であり,強度管理は圧縮強度ではなく曲げ強度に対して行うのが適当です。
(3)○正しい。前記舗装標準示方書では,スランプが5cm未満の場合にはダンプトラックを用い,5cm以上の場合には,かくはん設備をつけたトラックミキサやトラックアジテータ車を用いるのがよいとしています。
(4)○正しい。スランプ2.5cmが標準的である舗装コンクリートは,一般のコンクリートに比べ,硬練りであり,スランプでは適切に施工性が評価できないことがあります。このような場合,振動台式コンシステンシー試験を用いるのが適当です。

【No.170】

プレストレストコンクリート梁に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)プレストレスは,引張応力が生じる領域に導入するのが効果的である。
(2)プレストレスを導入することにより,曲げひび割れの発生荷重を大きくすることができる。
(3)プレストレスを導入することにより,終局曲げ耐力を増加させることができる。
(4)曲げひび割れの発生荷重から降伏荷重までの荷重の増加量は,鉄筋コンクリ一ト梁に比べて小さくなる。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。引張力を受ける部材にあらかじめ圧縮力を与えて,引張に対する抵抗性を増すというのがプレストレストコンクリートの基本的な考え方です。
(2)○正しい。プレストレストコンクリートは,高強度鋼材(PC鋼材)を用いて,コンクリートに圧縮応力を与え,荷重によって生ずる引張応力を打ち消すようにした構造であり,ひび割れは生じにくくなります。
(3)×誤り。プレストレストコンクリートは,断面破壊状態ではひび割れが生じ,内部応力の分布は,鉄筋コンクリート部材の場合と本質的に同じになるので,曲げ耐力願は,PC鋼材の引張力T(=PC鋼材の引張強度×鋼材の断面積)とアーム長dの積の形で表され,鋼材断面積が同じであれば,曲げ耐力はプレストレス力に影響されません。
(4)○正しい。プレストレスによって曲げひび割れ発生荷重は増加しますが,ひび割れ発生後はプレストレストコンクリート部材の内部の応力分布は鉄筋コンクリート部材の場合と同じになります。よって,曲げひび割れ発生荷重から降伏荷重までの荷重増加量は鉄筋コンクリートはりに比べ,小さくなります。
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