【過去問演習(3)No.71-75_耐久性,配合】コンクリート技士 問題と解説

技士
【No3-15】聞き流し_コンクリート技士_一問一答
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【No.71】

コンクリートの配合設計に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)骨材量を多くすると,コンクリートの乾燥収縮量は増加する。
(2)水セメント比を大きくすると,コンクリートの水密性は向上する。
(3)スランプを大きくすると,コンクリートの材料分離抵抗性は向上する。
(4)エントレインドエアの量を多くすると,コンクリートのワーカビリティーは改善する。
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正解は(4)

【解説】
(1)×誤り。骨材量が多くなると,単位セメント量および単位水量が少なくなり,コンクリートの乾燥収縮量は減少します。
(2)×誤り。水セメント比を大きくすると,透水係数が大きくなり,コンクリートの水密性は低下します。
(3)×誤り。スランプを大きくすると,単位水量が多くなり,コンクリートは分離しやすいです。
(4)○正しい。コンクリートのワーカビリティーは,AE剤を使用して適切なエントレインドエアを連行すると改善されます。

【No.72】

特殊なコンクリートの配合に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)増粘剤を用いない高流動コンクリートの場合,分離抵抗性を付与するため,粉体量を増やして水粉体比を小さくする。
(2)マスコンクリートの場合,温度上昇量を小さくするため,単位セメント量を少なくする。
(3)流動化コンクリートの場合,スランプを大きくするため,単位水量を多くする。
(4)軽量コンクリートの場合,耐凍害性を確保するため,空気量を多くする。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。増粘剤を用いない高流動コンクリート中の場合,水粉体比の減少(粉体量の増加)によって材料の分離抵抗性を付与します。
(2)○正しい。マスコンクリートの内部温度上昇を小さくするためには,水和熱の小さいセメントの使用や単位セメント量を少なくします。
(3)×誤り。流動化コンクリートの流動性および材料分離抵抗性については,スランプフローや漏斗流下時間等によって評価されますが,スランプを大きくするために単位水量を多くすることは品質の低下を招きます。
(4)○正しい。空気量を多くすると,耐凍害性の増大やワーカビリティーの改善になります。ただし,なるべく小さい値を選ぶことが望ましいです。

【No.73】

コンクリート材料の計量に関する次の記述のうち,JISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に照らして,正しいものはどれか。
(1)袋詰めされたセメントを使用する場合,袋の数で量って使用した。
(2)セメントを,あらかじめ計量してある混和材に累加して計量した。
(3)粒度の異なる2種類の粗骨材を累加して計量した。
(4)高炉スラグ微粉末の計量値と目標値との差が+2%だったので許容した。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。JISA5308では,“セメント,骨材および混和材の計量は質量による。混和材は,購入者の承認があれば袋の数で量ってもよい。ただし,1袋未満のものを用いる場合には,必ず質量で計量しなければならない”と規定しています。セメントは計量器で計算し,袋の数では計量できません。
(2)×誤り。JISA5308では,“セメント,骨材,水および混和材料は,それぞれ別々の計量器によって計量しなければならない。なお,水は,あらかじめ計量してある混和剤と一緒に計量してもよい”と規定しています。したがって,セメントと混和材を累加計量できません。
(3)○正しい。骨材は,累加計量してもよいです。
(4)×誤り。JISA5308では,“1回計量分量の計量値の許容差をセメント,水にあっては±1%,骨材,混和剤にあっては±3%,混和材にあっては±2%(高炉スラグ微粉末は±1%)”と規定しています。高炉スラグ微粉末の計量値と目標値との差±2%は,許容差をこえています。

【No.74】

コンクリートの計量および練り混ぜに関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)JISA5308(レディーミクストコンクリート)では,高炉スラグ微粉末の計量誤差を1回計量分量に対して±2%としている。
(2)JISA5308(レディーミクストコンクリート)では,水は,あらかじめ計量してある混和剤と一緒に累加して計量してもよいとしている。
(3)均質なコンクリートを得るための練り混ぜ時間は,強制練りミキサの方が重力式ミキサよりも短い。
(4)高強度コンクリートや高流動コンクリートの練り混ぜ時間は,一般のコンクリートよりも長くなる。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。JISA5308ー2011(レディーミクストコンクリート)では,材料の1回計量分量の計量誤差は,セメントおよび水にあっては±1%,骨材および混和剤にあっては±3%,混和材にあっては±2%と規定しています。ただし,高炉スラグ微粉末は,混合材の分量が多いことおよびセメントと同様に結合材であることにより,1回計量分量の計量誤差は,±1%と規定しています。
(2)○正しい。JISA5308では,セメント,骨材,水および混和材料は,それぞれ別々の計量器によって計量しなければなりません。なお,水は,あらかじめ計量してある混和剤と一緒に累加して計量してもよいと規定しています。
(3)○正しい。強制練りミキサは,重力式ミキサに比し,均質なコンクリートを得るための練り混ぜ時間は短いです。
(4)○正しい。高流動コンクリートは,高性能AE減水剤または高性能減水剤の使用による高い流動性と,水紛体比の減少(紛体量の増加)または増粘剤の使用によるフレッシュ時の適正な材料分離抵抗性を有するコンクリートです。また,高強度コンクリートは,高い強度を有するために水結合材比を小さくする必要があり,高性能AE減水剤または高性能減水剤の使用が不可欠です。したがって,高流動コンクリートや高強度コンクリートの練り混ぜにあっては,通常のコンクリートより多い紛体,増粘剤,高性能AE減水剤または高性能減水剤などの材料を均一な状態に分散させる必要があるため,練り混ぜ時間は,通常のコンクリートよりも長くなります。

【No.75】

コンクリートの製造と品質管理に関する次の記述のうち,JISA5308(レディーミクストコンクリート)の規定に照らして,誤っているものはどれか。
(1)トラックアジテータのドラム内に付着した普通コンクリートのフレッシュモルタルを,付着モルタル安定剤によって処理し,翌朝の普通コンクリートに混合して再利用した。
(2)呼び強度27,スランプ21cmで高性能AE減水剤を用いたコンクリートの荷卸し地点のスランプが23.5cmであったので,合格と判定した。
(3)呼び強度50の高強度コンクリートの強度試験を,100m3に1回の頻度で行った。
(4)呼び強度27のコンクリートにおいて,圧縮強度の3回の試験結果の平均値が27.0N/mm2であったが,1回の試験結果が呼び強度の85%未満であったので不合格と判定した。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。JISA5308では,“普通コンクリートの場合は,練り混ぜたコンクリートをトラックアジテータから全量排出した後,トラックアジテータのドラムの内壁,羽根などに付着しているフレッシュモルタルを付着モルタル安定剤を用いて再利用してよい”と規定しています。
(2)×誤り。JISA5308では,“荷卸し地点でのスランプ21cmの許容差は,±1.5cmだが,呼び強度27以上で高性能AE減水剤を使用する場合は±2とする”と規定しています。したがって,呼び強度27,スランプ21cmで高性能AE減水剤を用いたコンクリートの許容されるスランプは19.0~23.0です。スランプ23.5cmは許容範囲をこえているので不合格です。
(3)○正しい。JISA5308では,“強度の試験頻度は,普通コンクリート,軽量コンクリート及び舗装コンクリートにあっては150m3について1回を,高強度コンクリートにあっては100m3について1回を標準とする”と規定しています。
(4)○正しい。JISA5308では,“強度は①1回の試験結果は,購入者が指定した呼び強度の強度値の85%以上でなければならない。②3回の試験結果の平均値は,購入者が指定した呼び強度の強度値以上でなければならない”と規定しています。
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