【一級土木施工管理技士】過去問演習(No.71~75)

【No.71】

工程管理における日程計画に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)日程計画では,各種工事に要する実稼働日数を算出し,この日数が作業可能日数より多くなるようにする。
(2)作業可能日数は,暦日による日数から定休日,天候その他に基づく作業不能日を差し引いて推定する。
(3)資源の山積みとは,契約工期の範囲内で施工順序や施工時期を変えながら,人員や資機材など資源の投入量が最も効率的な配分となるよう調整し,工事のコストダウンをはかるものである。
(4)「1時間平均施工量」に「1日平均作業時間」を乗じて得られる1日平均施工量は,「工事量」を「作業可能日数」で除して得られる1日の施工量よりも少なくなるようにする。
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正解は(2)

【解説】
(1)×誤り。日程計画では,各種工事に要する実稼働日数を算出し,この日数が作業可能日数より少ないか等しくなるようにします。
(2)〇正しい。作業可能日数は,暦日による日数から定休日,天候その他に基づく作業不能日を差し引いて推定します。
(3)×誤り。山積みとは各作業の1日当たりに必要な人数,機械,資材などの量を算出し,作業全体の日々の累計を算出するものです。この山積みの結果は大抵凹凸がひどく,効率の悪い計画であることから,山積みの平準化をはかるのが山崩しです。契約工期の範囲内で施工順序や施工時期を変えながら,人員や資機材など資源の投入量が最も効率的な配分となるよう調整し,工事のコストダウンをはかるものは山崩しです。
(4)×誤り。「1時間平均施工量」に「1日平均作業時間」を乗じて得られる1日平均施工量は,「工事量」を「作業可能日数」で除して得られる1日の施工量よりも多くなるようにします。

【No.72】

工程管理曲線(バナナ曲線)を用いた工程管理に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)予定工程曲線が許容限界からはずれるときには,一般に不合理な工程計画と考えられるので,再検討を要する。
(2)工程計画は,全工期に対して工程(出来高)を表す工程管理曲線の勾配が,工期の初期→中期→後期において,急→緩→急となるようにする。
(3)実施工程曲線が予定工程曲線の上方限界を超えたときは,工程遅延により突貫工事となることが避けられないため,突貫工事に対して経済的な実施方策を検討する。
(4)実施工程曲線が予定工程曲線の下方限界に接近している場合は,一般にできるだけこの状態を維持するように工程を進行させる。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。予定工程曲線が許容限界からはずれるときは,人員や機材を過剰投入したり,反対に過小であったりしている可能性があるため,再検討を要する。
(2)×誤り。工程計画は,全工期に対して工程(出来高)を表す工程管理曲線の勾配が,工期の初期→中期→後期において,緩→急→緩となるようにする。
(3)〇正しい。実施工程曲線が予定工程曲線の上方限界を超えたときは,工期がさほど経過していないのに出来高が上がっていることを示しており,必要以上に大型機械を入れるなど,不経済となっていないかを検討する。
(4)×誤り。実施工程曲線が予定工程曲線の下方限界に接近している場合は,工程が遅れており,この状態が続くと突貫工事となるおそれがあるので,実施工程曲線の勾配を急にするよう直ちに対策をとる必要がある。

【No.73】

建設業の安全衛生管理体制に関する次の記述のうち,労働安全衛生法令上,誤っているものはどれか。
(1)総括安全衛生管理者が統括管理する業務には,安全衛生に関する計画の作成,実施,評価及び改善が含まれる。
(2)安全管理者の職務は,総括安全衛生管理者の業務のうち安全に関する技術的な具体的事項について管理することである。
(3)統括安全衛生責任者は,当該場所においてその事業の実施を統括管理する者が見たり,元方安全衛生管理者の指揮を行う。
(4)衛生管理者の職務は,総括安全衛生管理者の業務のうち衛生に関する事務的な具体的事項について管理することである。
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正解は(4)

【解説】
(1)〇正しい。労働安全衛生法第10条により,総括安全衛生管理者が統括管理する業務には,安全衛生に関する計画の作成,実施,評価及び改善が含まれます。
(2)〇正しい。労働安全衛生法第11条により,安全管理者の職務は,総括安全衛生管理者の業務のうち安全に関する技術的な具体的事項について管理することです。
(3)〇正しい。労働安全衛生法第15条により,統括安全衛生責任者は,当該場所においてその事業の実施を統括管理する者が見たり,元方安全衛生管理者の指揮を行います。
(4)×誤り。労働安全衛生法第12条により,「事業者は,衛生管理者を選任し,その者に衛生に係る技術的事項を管理させなければならない」と規定されています。

【No.74】

建設工事現場における保護具の使用に関する次の記述のうち,適当なものはどれか。
(1)保護帽の材質はPC, PE, ABSなどの熱可塑性樹脂製のものは使用できる期間が決められているが, FRPなどの熱硬化性樹脂製のものは決められていない。
(2)保護帽の着装体(ハンモック,ヘッドバンド,環ひも)を交換するときは,同一メーカーの同一形式の部品を使用しなくてもよい。
(3)安全靴は,作業区分による種類に応じたものを使用し,つま先部に大きな衝撃を受けた場合は外観のいかんにかかわらず,速やかに交換する。
(4)防毒マスク及び防じんマスクは,酸素濃度不足が予想される酸素欠乏危険作業で用いなければならない。
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正解は(3)

【解説】
(1)×誤り。保護帽の使用期間は,日本安全帽工業会では, PC, PE, ABSなどの熱可塑性樹脂製の保護帽は3年以内, FRPなどの熱硬化性樹脂製のものは5年以内,装着体は1年以内で交換を推奨している。
(2)×誤り。保護帽の装着体を交換するときは,同一メーカーの同一型式の部品を使用する。
(3)〇正しい。安全靴はつま先部に大きな衝撃や圧迫を受けた場合,外観に変形が認められなくても先芯の強度が低下しているおそれがあるので,速やかに交換する。
(4)×誤り。防毒マスクは有毒ガス及び混在する粒子状物質を除去し,防じんマスクはじん肺のおそれがある場所などにおいて粒子状物質(粉じんなど)を除去するろ過式の呼吸用保護具であり,酸素を供給する機能はない。

【No.75】

悪天候等の後には足場を使用する作業の開始前に足場の点検を行うが,悪天候等の定義に関する次の記述のうち,労働安全衛生法令上,誤っているものはどれか。
(1)労働安全衛生法令において、10分間の平均風速で毎秒10m以上の強風の場合,悪天候等として定義されている。
(2)労働安全衛生法令において、1回の降雨量が30mm以上の大雨の場合,悪天候等として定義されている。
(3)労働安全衛生法令において、1回の降雪量が25cm以上の大雪の場合,悪天候等として定義されている。
(4)労働安全衛生法令において、震度階級4以上の地震が発生した場合,悪天候等として定義されている。
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正解は(2)

【解説】
(1)〇正しい。労働安全衛生法令において、10分間の平均風速で毎秒10m以上の強風の場合,悪天候等として定義されている。
(2)×誤り。労働安全衛生法令において、1回の降雨量が50mm以上の大雨の場合,悪天候等として定義されている。
(3)〇正しい。労働安全衛生法令において、1回の降雪量が25cm以上の大雪の場合,悪天候等として定義されている。
(4)〇正しい。労働安全衛生法令において、震度階級4以上の地震(中地震)が発生した場合,悪天候等として定義されている。
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