【過去問演習(2)No.31-35_材料】コンクリート技士 問題と解説

技士

【No.31】

鉄筋およびPC鋼材に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)鉄筋の引張強さは,PC鋼材の引張強さよりも小さい。
(2)鉄筋の熱膨張係数は,PC鋼材の熱膨張係数とほぼ同等である。
(3)鉄筋の破斷時の伸びは,PC鋼材の破断時の伸びよりも小さい。
(4)鉄筋の弾性係数(ヤング係数)は,PC鋼材の弾性係数(ヤング係数)とほぼ同等である。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。鉄筋の引張強さは,PC鋼材の引張強さよりも小さいです。
(2)○正しい。鉄筋の熱膨張係数は,PC鋼材の熱膨張係数とほぼ同等です。
(3)×誤り。PC鋼材は少ない鋼材量でできるだけ大きなプレストレスを導入するために,通常の鉄筋に比べ数倍の強度を有しています。鋼材の一般的な特性として強度が高いほど破断時の伸びが小さく,弾性係数と熱膨張係数は鋼材の種類によらずほぽ同等です。
(4)○正しい。鉄筋の弾性係数(ヤング係数)は,PC鋼材の弾性係数(ヤング係数)とほぼ同等です。

【No.32】

コンクリート用短繊維を用いたコンクリートに関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)繊維の混入率が多くなるほど,コンクリート巾で繊維が一様に分散しやすくなる。
(2)繊維を混入すると,同じスランプを得るためには,細骨材率と単位水量が大きくなる。
(3)コンクリートに鋼繊維を用いると。曲げ靭性が改善される。
(4)高強度コンクリートにポリプロピレン短繊維を用いると,火災時の爆裂防止に効果がある。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。繊維の混入率が多くなれば,混ざりにくくなることは直観的に推測できます。
(2)○正しい。繊維を混入すれば,コンクリートの流動性が低下します。そのため,同じスランプを得るためには単位水量を大きくする必要があります。また,単位水量を大きくするとモルタル分と繊維が分離する傾向になるため,細骨材率を上げて分離を防ぐようにします。
(3)○正しい。コンクリートに繊維を混入する目的は靭性(ねばり強く破壊すること)の改善です。
(4)○正しい。火災時にコンクリートが爆裂する要因の一つはコンクリート中に発生する水蒸気圧と考えられています。ポリプロピレン繊維を混入すると,高温下で繊維が気化することでコンクリート中に空隙が形成され,その空隙に水蒸気が逃げることで蒸気圧の上昇が抑制され,爆裂しにくくなると考えられています。

【No.33】

JISG3112(鉄筋コンクリート用棒鋼)に規定されているSD345とSD490について,これらの性質を比較した次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)弾性係数(ヤング係数)は.SD345とSD490ではほぼ同じである。
(2)熱膨張係数(線膨張係数)は,SD345とSD490ではほぼ同じである。
(3)降伏点の下限値は,SD345のほうがSD490よりも大きい。
(4)破断伸びの下限値は,SD345のほうがSD490よりも大きい。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。鋼材のヤング係数は。種類にかかわらずほぼ一定(200kN/mm2)であり,熱膨張係数も種類には依存しません。
(2)○正しい。鋼材のヤング係数は。種類にかかわらずほぼ一定(200kN/mm2)であり,熱膨張係数も種類には依存しません。
(3)×誤り。記号の数値は降伏点の下限を表しており,降伏点の下限値は,SD345のほうがSD490よりも小さいです。
(4)○正しい。鋼材の一般的な性質として,強度が高くなるほど延性(伸び)が低下します。ただし,JIS規格ではSD295とSD345の破断伸びの下限は,SD345の方が大きいことに注意します。

【No.34】

鋼材の性質の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)PC鋼材は鉄筋に比べ強度は高いが,明確な降伏棚が現れないのが特徴である。
(2)鋼材の弾性係数(ヤング係数)は,約200kN/mm2である。
(3)鉄筋コンクリート用棒鋼の弾性係数(ヤング率)は,降伏点が大きいほど大きくなる。
(4)鋼材中の炭素量が増加すると,引張強さが増加し,破断伸びは低下する。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。PC鋼材は鉄筋に比べ強度は高いが,明確な降伏棚が現れないのが特徴です。
(2)○正しい。鋼材の弾性係数(ヤング係数)は,約200kN/mm2です。
(3)×誤り。鋼材の弾性係数は降伏強度にかかわらず,200kN/mm2でほぼ一定です。
(4)○正しい。鋼材中の炭素量が増加すると,引張強さが増加し,破断伸びは低下します。

【No.35】

コンクリートのブリーディングを低減させるための対策として,適当なものはどれか。
(1)細骨材を粗粒率の大きいものにした。
(2)細骨材率を大きくした。
(3)石灰石微粉末を使用し単位粉体量を多くした。
(4)高性能AE減水剤を用いて単位水量を少なくした。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。粗粒率の大きい細骨材は細粒分か少ません。細粒分か少なくなるとコンクリートの粘性が小さくなり,材料分離が生じやすくなるので,ブリーディングは増加します。
(2)○正しい。細骨材率を大きくすると粗骨材を取り込むモルタル分か多くなり,材料分離が生じ難くなるので,ブリーディングは減少します。
(3)○正しい。石灰石微粉末は,比表面積が大きいので材料分離抵抗性が向上します。また,単位粉体量を多くするとブリーディングは減少します。
(4)○正しい。高性能AE減水剤を使用して単位水量を少なくすると,水セメント比が小さくなりコンクリートの粘性が大きくなるので,ブリーディングは減少します。
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