コンクリート主任技士過去問 問題と解説
【平成24年度―問題26】
下表に示す海水の作用を受ける鉄筋コンクリート部材の劣化現象と、その主な原因となる化学物質に関する組合せのうち、適当なものはどれか。
コンクリート中の鋼材腐食 | コンクリートの 体積膨張によるひび割れ |
コンクリートの多孔質化 | |
(1) | NaCl | MgCl2 | MgSO4 |
(2) | MgCl2 | MgSO4 | NaCl |
(3) | NaCl | MgSO4 | MgCl2 |
(4) | MgSO4 | MgCl2 | NaCl |
NaCl:塩化ナトリウム、MgCl2:塩化マグネシウム、MgSO4硫酸マグネシウム
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正解(3)
【平成24年度―問題27】
各種コンクリートに関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか。
(1)吹付けコンクリートのリバウンド量を少なくするためには、一般のコンクリートに比べて細骨材率および単位セメント量を若干小さめに設定するとよい。
(2)軽量コンクリートをポンプ圧送する場合、骨材の圧力吸水によるスランプ低下を防止するためには、骨材の事前吸水を十分に行う必要がある。
(3)高強度コンクリートは、水セメント比が小さくセメントペーストの組織が緻密になるので、一般のコンクリートに比べて中性化の進行が遅くなる。
(4)繊維混入率が1%程度の鋼繊維補強コンクリートで所要のスランプを得るためには、一般のコンクリートに比べて細骨材率と単位水量を大きくする必要がある。
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正解(1)
(1)誤りです。細骨材率および単位セメント量を大きめに設定するとリバウンド量が少なくなります。
(2)問題の通りです。軽量コンクリートをポンプ圧送する場合、骨材の圧力吸水による、スランプ低下を防止するために、骨材の事前吸水を十分に行う必要があります。
(3)問題の通りです。高強度コンクリートは、水セメント比が小さく、セメントペーストの組織が緻密になるので、一般のコンクリートに比べて、中性化の進行が遅くなります。
(4)問題の通りです。鋼繊維補強コンクリートは、繊維混入率が大きいほど、スランプが低下します。スランプを大きくするために、一般のコンクリートに比べて、細骨材率と単位水量を大きくする必要があります。
【平成24年度―問題28】
鉄筋コンクリート部材に関する次の一般的な記述のうち、不適当なものはどれか。
(1)柱の帯(鉄)筋は、せん断力に対する補強効果のほか、軸方向鉄筋の座屈を防止する効果およびコンクリートを拘束する効果がある。
(2)柱の主(鉄)筋量を多くすると、終局曲げ耐力に達するときの水平方向の変形量は大きくなる。
(3)はりの曲げ圧縮部に配置された主(鉄)筋は、コンクリートのクリープによって生じるたわみを低減させる。
(4)はりの引張主(鉄)筋に異形棒鋼を用いると、丸鋼を用いた場合と比べて曲げひび割れ幅を小さくすることができる。
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正解(2)
(1)問題の通りです。柱の帯(鉄)筋は、せん断力に対する補強効果のほか、軸方向鉄筋の座屈を防止する効果およびコンクリートを拘束する効果があります。これを、コンファインド効果と呼びます。
(2)誤りです。主筋を多くすると、耐力は増加しますが、変形性能は変わりません。
(3)問題の通りです。はりの曲げ圧縮部に配置された主(鉄)筋は、コンクリートのクリープによって生じるたわみを低減させます。
(4)問題の通りです。異形棒鋼は丸鋼よりもコンクリートとの付着力が大きいため、はりの引張主(鉄)筋に用いると、曲げひび割れ幅を小さくすることができます。
【平成24年度―問題29】
正負繰返しの水平荷重を受けた鉄筋コンクリート柱において、発生したひび割れの説明A)~(C)と、ひび割れ図ア~ウとの組合わせとして、適当なものはどれか。
(A)曲げモーメントによって発生したひび割れ。
(B)せん断力によって発生したひび割れ
(C)主(鉄)筋とコンクリートとの間に生じる付着応力によって発生したひび割れ
(A) | (B) | (C) | |
(1) | ア | イ | ウ |
(2) | ア | ウ | イ |
(3) | イ | ア | ウ |
(4) | イ | ウ | ア |
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正解(2)
【平成24年度―問題30】
JIS A 5364(プレキャストコンクリート製品―材料及び製造方法の通則)の規定に照らして、下表に示す構造、材料、配(調)合、フレッシュコンクリートの品質、および締固め方法の組合わせのうち、誤っているものはどれか。
製造の種類 | 骨材の種類 | 水セメント比(%) | スランプ(cm) | コンクリートに含まれる塩化物イオン量(kg/m3) | 締固め方法 | |
(1) | URC | 再生骨材 | 60 | 8 | 0.5 | 振動締固め |
(2) | RC | 普通骨材 | 50 | 0 | 0.2 | 振動・加圧締固め |
(3) | RC | 普通骨材 | 40 | 5 | 0.2 | 遠心力締固め |
(4) | PC | 再生骨材 | 350 | 12 | 0.1 | 遠心力締固め |
URC:無筋コンクリート、RC:鉄筋コンクリート、PC:プレストレストコンクリート
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正解(4)
<水セメント比(%)>
URC:65以下
RC:55以下
PC:45以下
URC:65以下
RC:55以下
PC:45以下
<スランプ>
超硬練り:1cm程度以下
硬練り:5cm程度以下
通常
流動化、高流動:フロー60cm程度
超硬練り:1cm程度以下
硬練り:5cm程度以下
通常
流動化、高流動:フロー60cm程度
<塩化物量(kg/m3)>
URC:0.6以下
RC:0.3以下
PC:0.3以下
URC:0.6以下
RC:0.3以下
PC:0.3以下
<締固め方法>
①振動締固め
②加圧締固め
③振動・加圧締固め
④遠心力締固め
⑤その他(①~④同等)
①振動締固め
②加圧締固め
③振動・加圧締固め
④遠心力締固め
⑤その他(①~④同等)
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