【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.2-16)基本問題16_疲労、風化、老化

診断士問題と解説

コンクリート診断士 問題と解説Vol.2-16

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【No.76】

鉄筋コンクリート床版の疲労による劣化過程に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)鉄筋コンクリート床版の劣化過程について,潜伏期では,主筋に沿った一方向のひび割れが生じ,橋桁の軸方向のひび割れが進展する。
(2)鉄筋コンクリート床版の劣化過程について,進展期では,主筋に沿ったひび割れが進展し,二方向曲げひび割れが形成されるが,床版の連続性は失われていない。
(3)鉄筋コンクリート床版の劣化過程について,加速期では,ひび割れの網細化が進み,床版の耐力は急激に低下する。
(4)鉄筋コンクリート床版の劣化過程について,劣化期では,ひび割れが貫通し,床版の連続性は失われ,コンクリートははく落し,床版が陥没する。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。鉄筋コンクリート床版の劣化過程について,潜伏期では,主筋に沿った一方向のひび割れが生じ,橋桁の軸方向と直角方向のひび割れが進展します。
(2)○正しい。鉄筋コンクリート床版の劣化過程について,進展期では,主筋に沿ったひび割れが進展し,二方向曲げひび割れが形成されますが,床版の連続性は失われていません。
(3)○正しい。鉄筋コンクリート床版の劣化過程について,加速期では,ひび割れの網細化が進み,床版の耐力は急激に低下します。
(4)○正しい。鉄筋コンクリート床版の劣化過程について,劣化期では,ひび割れが貫通し,床版の連続性は失われ,コンクリートははく落し,床版が陥没します。

【No.77】

コンクリートの風化,老化に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)コンクリートの風化,老化とは,通常の使用条件で経年的にコンクリートが変質,劣化していく現象をいう。
(2)コンクリートに摩耗が生じると,断面減少が顕在化し,美観だけでなく,使用性や耐荷性も低下する。
(3)コンクリートに微生物付着が生じると,断面減少が顕在化し,美観だけでなく,使用性や耐荷性も低下する。
(4)コンクリートに水との接触による溶出が生じると,強度低下や中性化が顕在化し,使用性や耐荷性も低下する。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。コンクリートの風化,老化とは,通常の使用条件で経年的にコンクリートが変質,劣化していく現象をいいます。
(2)○正しい。コンクリートに摩耗が生じると,断面減少が顕在化し,美観だけでなく,使用性や耐荷性も低下します。
(3)×誤り。コンクリートに微生物付着が生じると,汚れが顕在化し,美観を損ないますが,使用性や耐荷性には影響しません。
(4)○正しい。コンクリートに水との接触による溶出が生じると,強度低下や中性化が顕在化し,使用性や耐荷性も低下します。

【No.78】

コンクリートの成分溶出に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)溶出は,コンクリート中のセメント水和物が周囲の水に溶解して組織が疎となる変質,劣化現象である。
(2)溶出はひび割れ,継ぎ目内部での水との接触面で,水への成分の溶解を伴い進行する。
(3)溶出による構造物の劣化例として,浄水施設,トンネル覆工コンクリート,土中構造物などで,いずれも硬度の高い硬水との接触による劣化がある。
(4)溶出により,地下構造物においては,エフロレッセンスの流出が生じ,スラブや庇下部などにひび割れや継ぎ目に沿って溶出成分が炭酸ガスと反応した析出物であるコンクリートつららが観察される。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。溶出は,コンクリート中のセメント水和物が周囲の水に溶解して組織が疎となる変質,劣化現象です。
(2)○正しい。溶出はひび割れ,継ぎ目内部での水との接触面で,水への成分の溶解を伴い進行します。
(3)×誤り。溶出による構造物の劣化例として,浄水施設,トンネル覆工コンクリート,土中構造物などで,いずれも硬度の低い軟水との接触による劣化があります。
(4)○正しい。溶出により,地下構造物においては,エフロレッセンスの流出が生じ,スラブや庇下部などにひび割れや継ぎ目に沿って溶出成分が炭酸ガスと反応した析出物であるコンクリートつららが観察されます。

【No.79】

コンクリートの摩耗に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)コンクリートの摩耗とは,水流や車輪等の摩耗作用によってコンクリートの断面が時間とともに徐々に欠損していく現象である。
(2)コンクリート構造物の摩耗は,舗装道路の損傷,砂礫などによるダムの損傷,人や物の移動による床面の損傷,海氷によるものがある。
(3)摩耗は,すり減り摩耗と表面疲労摩擦に区分される。
(4)表面疲労摩耗に対してはコンクリートを硬くすることが対策として有効である。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。コンクリートの摩耗とは,水流や車輪等の摩耗作用によってコンクリートの断面が時間とともに徐々に欠損していく現象です。
(2)○正しい。コンクリート構造物の摩耗は,舗装道路の損傷,砂礫などによるダムの損傷,人や物の移動による床面の損傷,海氷によるものがあります。
(3)○正しい。摩耗は,すり減り摩耗と表面疲労摩擦に区分されます。
(4)×誤り。すり減り摩耗に対してはコンクリートを硬くすることが有効であり,表面疲労摩耗に対してはひび割れ抑制が有効です。

【No.80】

コンクリートの摩耗に関する次の記述のうち,最も不適当なものはどれか。
(1)固体同士の振動による摩耗をフレッティング摩耗と呼ぶ。
(2)固体の,液体の流れによる摩耗をハンマリング摩耗と呼ぶ。
(3)固体の,粒子を含む液体の流れによる摩耗を流体エロ―ジョンと呼ぶ。
(4)溶出による劣化は,コンクリートの水酸化カルシウムの溶解から開始され,その後にカルシウムシリケート水和物が溶出される。
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正解は(2)

【解説】
(1)○正しい。固体同士の振動による摩耗をフレッティング摩耗と呼びます。
(2)×誤り。固体の,液体の流れによる摩耗をキャビテーション摩耗と呼びます。
(3)○正しい。固体の,粒子を含む液体の流れによる摩耗を流体エロ―ジョンと呼びます。
(4)○正しい。溶出による劣化は,コンクリートの水酸化カルシウムの溶解から開始され,その後にカルシウムシリケート水和物が溶出されます。
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