【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.50)ASR、塩害

コンクリート診断士 問題と解説Vol.50

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 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問246_ASR】

 アルカリシリカ反応性を有する骨材の使用が懸念される地域で、プレテンション方式のプレストレストコンクリート桁の調査を行った。その調査結果の評価・判定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)凍結防止剤が散布されていることがわかったため、アルカリシリカ反応が発生する可能性が高いと判断した。
(2)高炉セメントB種を使用していることがわかったため、アルカリシリカ反応が発生する可能性は低いと判断した。
(3)桁の軸に対して直角方向にひび割れが発生していたので、アルカリシリカ反応が発生している可能性が高いと判断した。
(4)コンクリートコアの圧縮強度は低下していなかったが、ヤング係数が低下していたので、アルカリシリカ反応が発生している可能性が高いと判断した。
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正解(3)

(1)問題のとおりです。凍結防止剤、塩化ナトリウムのアルカリ分が、アルカリシリカ反応の原因となります。
(2)問題のとおりです。アルカリシリカ反応の抑制対策として、高炉セメントやフライアッシュなどの混合セメントの使用が挙げられます。これは、普通ポルトランドセメントに含まれる水酸化カルシウムの一部を、混合材と置換することで、コンクリート中のアルカリ分を減少させることができるためです。
(3)誤りです。PC桁の場合、アルカリシリカ反応によるひび割れは、部材の軸方向に発生する場合が多いです。
(4)問題のとおりです。アルカリシリカ反応による膨張で、ヤング係数が低下します。

【問247_ASR】

 アルカリシリカ反応性の疑いのある骨材が用いられた鉄筋コンクリート構造物について調査を実施した。アルカリシリカ反応(ASR)に関する劣化進行の判断として、次のうち、最も適当なものはどれか。ただし、鉄筋コンクリート構造物はいずれも5年前に建設されたものであり、外観上、劣化は認められない。
(1)昨年10月から今年3月までの6ヶ月間、構造物で直接膨張挙動の計測を行い、膨張が認められなかったため、ASRによる劣化進行の可能性は低いと判断した。
(2)他産地の非反応性の粗骨材を混合しており、非反応性骨材の構成比率が70%と高かったため、ASRによる劣化進行の可能性は低いと判断した。
(3)高炉セメントB種(高炉スラグの分量:55%)を用いたコンクリートであることが判明したため、ASRによる劣化進行の可能性は低いと判断した。
(4)採取コアによる強度試験で、圧縮強度の低下は認められなかったため、ASRによる劣化進行の可能性が低いと判断した。
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正解(3)

(1)誤りです。構造物自体での計測は、使用環境や鉄筋量などによる影響を受けるため、膨張可能性の判断が難しくなります。
(2)誤りです。アルカリシリカ反応には反応性骨材単体で用いた場合よりも反応性骨材と非反応性骨材を混合して用いた場合に膨張量が大きくなる場合があります。膨張量が最も大きくなる場合の骨材全体に含まれる反応性骨材の割合のことをペシマム量と言います。
(3)問題のとおりです。アルカリシリカ反応の抑制対策として、高炉セメントやフライアッシュなどの混合セメントの使用が挙げられます。
(4)誤りです。アルカリシリカ反応の劣化進行の判断では、圧縮強度よりもヤング係数が重要な指標となります。

【問248_ASR】

 アルカリシリカ反応性の疑いのあるコンクリート構造物から採取したコアを用いた調査・測定に関する記述のうち、不適当なものはどれか
(1)劣化の程度を調べるために超音波伝播速度を測定した。
(2)骨材周辺の白色物質がアルカリシリカゲルであるか調べるために酢酸ウラニル蛍光法を用いた。
(3)反応性鉱物の種類を調べるために偏光顕微鏡観察を行った。
(4)骨材の反応性の有無を調べるために圧縮強度を測定した。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。アルカリシリカ反応が進行すると、超音波伝播速度が低下します。
(2)問題のとおりです。酢酸ウラニル蛍光法により、アルカリシリカゲルを同定します。
(3)問題のとおりです。偏光顕微鏡観察は、鉱物の種類を調べるのに適した方法です。
(4)誤りです。アルカリシリカ反応の劣化進行の判断では、圧縮強度ではなく、ヤング係数が重要な指標となります。

【問249_凍害】

 コンクリートの凍害に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)凍結防止剤(融雪剤)が散布されている地覆コンクリートに、激しいスケーリングがみられたため、凍害の影響を調査した。
(2)凍害による劣化の進行深さ(凍害深さ)から構造物の補修の要否を判断した。
(3)凍害によると思われるひび割れやポップアウトが認められたため、構造体からコアを切取り、気泡間隔係数を確認した。
(4)凍害を受けた構造物から切り取ったコアを用いて凍結融解試験を行い、構造物の劣化程度を評価した。
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正解(4)

(1)問題のとおりです。凍結防止剤(融雪剤)が散布されている地覆コンクリートに、激しいスケーリングがみられた場合、凍害と塩害による複合劣化の可能性があります。
(2)問題のとおりです。補修の要否は凍害による劣化の進行深さ(凍害深さ)から判断します。
(3)問題のとおりです。気泡間隔係数が200~250μm以下で耐凍害性が向上します。
(4)誤りです。凍結融解試験は、使用するコンクリートの凍結融解抵抗性を供試体により評価する事前検討試験です。構造物のコアを対象としません。

【問250_凍害】

 コンクリートの凍害に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)粗骨材の吸水率が4.5%で、安定性試験の損失質量が14.5%であったため、その粗骨材は耐凍害性を有していると評価した。
(2)凍結融解試験の結果、コンクリートの300サイクル終了後の相対動弾性係数が90%であったため、そのコンクリートは耐凍害性を有していると評価した。
(3)目視観察による凍害調査の結果、打継ぎ部に部分的にスケーリングが認められたため、ブリーディングにより水セメント比が高くなっている箇所で劣化が生じたと判断した。
(4)凍害を受けた箇所よりコアを採取し、コアに発生したひび割れを調べることにより劣化の進行深さ(凍害深さ)を評価した。
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正解(1)

(1)誤りです。吸水率の小さい骨材を用いたコンクリートは、耐凍害性が向上します。一般に、粗骨材の吸水率は2%以下で、5%以上は凍害が生じやすくなります。骨材の安定性試験では、損失質量が砂利で12%以下、砂で10%以下で耐凍害性を有します。
(2)問題のとおりです。コンクリート標準示方書では、相対動弾性係数が90%以上の場合には、そのコンクリートは耐凍害性を有しているとされます。
(3)問題のとおりです。水セメント比が高くなっている箇所で、凍害が生じやすくなります。
(4)問題のとおりです。凍害を受けた箇所よりコアを採取し、コアに発生したひび割れを調べることにより劣化の進行深さ(凍害深さ)を評価します。
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