【診断士の問題と解説】1日5問!(Vol.99)総合問題27

コンクリート診断士 問題と解説Vol.99

 このページの問題を一問一答形式の動画としてまとめました。復習用にご活用ください。通勤中や運動中に最適です。

【問466_溶出】

 コンクリートの成分溶出に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)地下水との接触では、地下水が遊離炭酸を多く含むほど成分溶出しやすい。
(2)静水との接触の場合は、流水との接触の場合よりも成分溶出しやすい。
(3)カルシウムイオンは、カルシウムシリケート水和物からよりも水酸化カルシウムからの溶出がしやすい。
(4)水酸化カルシウムやカルシウムシリケート水和物が溶出するとコンクリートの空隙量が増大する。
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正解(2)

(1)〇:問題のとおりです。遊離炭酸は酸性であるため、多く含むほど成分溶出しやすくなります。
(2)×:誤りです。静水との接触の場合は、流水との接触の場合よりも成分溶出しにくいです。
(3)〇:問題のとおりです。カルシウムイオンは水酸化カルシウムから溶出し、次いで、カルシウムシリケート水和物からの溶出が起こります。
(4)〇:問題のとおりです。溶出による劣化とは、コンクリート中のセメント水和物成分が周囲の水に溶解して硬化体組織が疎となる現象です。水酸化カルシウムやカルシウムシリケート水和物の溶出が進行すると、コンクリート組織の空隙量が増大します。

【問467_複合劣化】

 コンクリートの複合劣化に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)凍結防止剤の散布によって、塩分が供給されるコンクリート構造物では、中性化が進行するとフリーデル氏塩の分解により、塩化物イオンが遊離する。
(2)中性化フロントへの塩化物イオンの移動、濃縮が生じ、凍結融解環境下では、供給された塩分による細孔内の浸透圧増加によって、凍害の進行が促進されることが多い。
(3)凍結防止剤の種類によっては、塩分とともに、アルカリ金属が供給されるため、アルカリシリカ反応の進行が促進される場合がある。
(4)凍結融解作用を受けるコンクリートは凍結防止剤の散布により、スケーリングは起こりやすくなる。
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正解 なし

(1)〇:問題のとおりです。凍結防止剤の散布によって、塩分が供給されるコンクリート構造物では、中性化が進行するとフリーデル氏塩の分解により、塩化物イオンが遊離します。
(2)〇:問題のとおりです。中性化フロントへの、塩化物イオンの移動、濃縮が生じ、凍結融解環境下では供給された塩分による、細孔内の浸透圧増加によって、凍害の進行が促進されることが多い。
(3)〇:問題のとおりです。凍結防止剤として、塩化ナトリウムが用いられると、アルカリ金属が供給されるため、アルカリシリカ反応が促進されます。
(4)〇:問題のとおりです。凍結防止剤を散布すると、塩害が生じやすくなります。凍害と塩害の複合劣化により、スケーリングは起こりやすくなります。

【問468_性能調査】

 道路橋鉄筋コンクリート箱桁の耐荷力性能調査に関する次の記述のうち、適当なものはどれか
(1)箱桁の、耐荷力性能を評価する場合には、車両を用いた載荷試験によって計測したひずみに、材料のクリープ係数を乗じて、把握する方法が多く採用される。
(2)載荷試験による、ひずみの計測は、活荷重を対象としている。
(3)連続繊維シート接着は、繊維シートの貼付け枚数に比例して耐荷性能を向上させる効果がある。
(4)道路橋の、鉄筋コンクリート床版に、鋼板を接着する工法において、耐荷力への補強効果を確認するために、鋼板の既存コンクリートに対する一体性を点検しなければならない。
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正解(4)

(1)×:誤りです。箱桁の、耐荷力性能を評価する場合には、車両を用いた載荷試験によって、計測したひずみに、材料のヤング係数を乗じて、把握する方法が多く採用されます。
(2)×:誤りです。載荷試験による、ひずみの計測は、活荷重ではなく、死荷重を対象としています。
(3)×:誤りです。繊維シートの貼付けにより、耐荷力が増大しますが、破壊モードが曲げ破壊と、せん断破壊で異なるため、繊維シートの貼付け枚数に比例して、耐荷性能は向上しません。
(4)〇:問題のとおりです。道路橋の、鉄筋コンクリート床版に、鋼板を接着する工法において、耐荷力への補強効果を確認するために、鋼板の既存コンクリートに対する一体性を点検しなければなりません。

【問469_反発硬度法】

 コンクリートの反発度の測定に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)測定箇所は部材厚さが100mm以上の床または壁とした。
(2)測定箇所は一辺の長さが150mm以上の断面を持つ柱または梁部材の表面とした。
(3)測定箇所は部材の端部から25mm以上離れた位置から選定しなければならない。
(4)1箇所の測定では、互いに25mmから50mmの間隔をもった9点について測定し、偏差が平均値の20%以上になる測定値があれば、その測定値は採用せず、これに替わる測定値を補う。
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正解(3)

(1)〇:問題のとおりです。反発硬度法による測定箇所の部材厚さは100mm以上が適用範囲とされています。
(2)〇:問題のとおりです。反発硬度法は一辺の長さが150mm以上の断面を持つ柱、または、梁部材の表面が適用範囲とされています。
(3)×:誤りです。測定箇所は部材の端部から、50mm以上離れた位置から選定しなければなりません。
(4)〇:問題のとおりです。反発硬度法では1箇所の測定では、互いに25mmから50mmの間隔をもった、9点について測定し、偏差が平均値の20%以上になる測定値があれば、その測定値は採用せず、これに替わる測定値を補います。

【問470_反発硬度法】

 ポストテンション方式の、PC橋梁の調査に関する次の記述のうち、不適当なものはどれか
(1)シース内のグラウト充填状況を調査するために、弾性衝撃波法を採用した。
(2)シース内のグラウト充填状況を調査するために、シース内へのCCDカメラ挿入による撮影を採用した。
(3)シース内のグラウト充填状況を調査するために、X線透過法を採用した。
(4)シース内のグラウト充填状況を調査するために、漏洩磁束法を採用した。
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正解(4)

(1)〇:問題のとおりです。弾性衝撃波法は、弾性衝撃波法では、周波数分析により、ひび割れ深さや、内部欠陥の有無が測定できます。
(2)〇:問題のとおりです。シース内へ、CCDカメラを挿入することにより、内部の欠陥を目視で確認することができます。
(3)〇:問題のとおりです。X線透過法では、シース内の空洞など、密度が低いものほど黒く映り、鉄筋のように密度が高いものほど白く映ります。
(4)×:誤りです。漏洩磁束法は、鋼材に磁性を持たせると、両端が、S極とN極になる原理から、鋼材に破断があれば、破断箇所の左右に、S極、N極が現れることを利用し、鋼材の破断の有無を検出する方法です。
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