【過去問演習(3)No.31-35_性質】コンクリート技士 問題と解説

技士

【No.31】

コンクリート1m3あたりのAE剤の使用量を一定とした場合の空気量の変化に関する次の一般的な記述のうち,適当なものはどれか。
(1)AE剤の使用量を一定とした場合,セメント量が多くなると,空気量は多くなる。
(2)AE剤の使用量を一定とした場合,比表面積の大きいセメントを使用すると,空気量は多くなる。
(3)AE剤の使用量を一定とした場合,セメントの一部をフライアッシュで置換すると,空気量は多くなる。
(4)AE剤の使用量を一定とした場合,コンクリートの温度が低いと,空気量は多くなる。
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正解は(2)

【解説】
(1)×誤り。セメント量が多くなると,コンクリートの粘性が高くなるので,空気は連行されにくくなり空気量は少なくなります。
(2)○正しい。セメントの比表面積が大きくなると,コンクリートの粘性が高くなるので,空気は連行されにくくなり空気量は少なくなります。
(3)×誤り。セメントの一部をフライアッシュに置換すると,フライアッシュに含まれる未燃焼炭素量にAE剤が吸着されるため,空気量は少なくなります。
(4)×誤り。コンクリート温度が低くなるとコンクリートの粘性が小さくなるので,空気が連行しやすくなり空気量は多くなります。

【No.32】

フレッシュコンクリートの試験方法に関する次の記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)JISA1101(コンクリートのスランプ試験方法)による試験において,コンクリートの中央部分の下がりを測定し,スランプとした。
(2)J1SA1128(フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法一空気室圧力方法)による試験において,コンクリートの見掛けの空気量から骨材修正係数を差し引いてコンクリートの空気量とした。
(3)J1SA115O(コンクリートのスランプフロー試験方法)による試験において,コンクリートの広がりの最大と思われる直径とその直角方向の広がりを測り,それらの平均値をスランプフローとした。
(4)J1SA1156(フレッシュコンクリートの温度測定方法)による試験において,スランプを測定した状態のコンクリート試料に温度計を挿入し,その示度を読み取った。
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正解は(4)

【解説】
(1)○正しい。スランプ試験は,スランプコーンを静かに鉛直に引き上げ,コンクリートの中央部の下がりを0.5cm単位で測定し,これをスランプとします。
(2)○正しい。空気室圧力法に規定されている空気量は,コンクリートの見掛けの空気量と骨材の修正係数の差を計算します。
(3)○正しい。スランプフローの測定は,スランプコーンを引き上げ,コンクリートの動きが止まった後に,広がりが最大と思われる直径と,その直交する方向の直径を測ります。スラップフローは,両直径の平均値を0.5cm単位に丸めて表示します。
(4)×誤り。フレッシュコンクリートの温度測定方法は,スランプを測定したコンクリートとは別に分取した試料(2L以上)に温度計を挿入して計測します。試料を受ける容器は,水密なものとし,内径および高さが14cm以上かつ容量が2L以上とします。温度は,1℃単位で表示します。

【No.33】

一般のコンクリートの凝結が遅れる要因として,不適当なものはどれか。
(1)高温や直射日光にさらされると,コンクリートの凝結が遅れる。
(2)水セメント比を大きくすると,コンクリートの凝結が遅れる。
(3)化学混和剤を標準形から遅延形に変更すると,コンクリートの凝結が遅れる。
(4)糖類,腐植土が骨材や練り混ぜ水に混入すると,コンクリートの凝結が遅れる。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。高温や直射日光にさらされるとセメントの水和反応が促進されることから,コンクリートの凝結時間は早くなります。
(2)○正しい。水セメント比が大きくなるとセメントの粒子間距離が大きくなり,水和物の接触や絡み合いが遅くなるので,凝結時間は遅くなります。
(3)○正しい。化学混和剤には,凝結時間を促進させる促進形,遅延させる遅延形,および標準形と凝結性能により標準形,遅延形,促進形に区分されています。コンクリートに使用する混和剤を標準形から遅延形に変更すれば,凝結時間は遅くなります。
(4)○正しい。骨材や練り混ぜ水に糖類,腐植土が含まれていると,コンクリートの凝結時間が遅延します。海砂や海水中に含まれる塩分は,凝結を早めます。

【No.34】

フレッシュコンクリートの粗骨材とモルタルの分離に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)細骨材率を大きくすると,分離しやすくなる。
(2)粗骨材の最大寸法を大きくすると,分離しやすくなる。
(3)細骨材中の粗粒分の割合を大きくすると,分離しやすくなる。
(4)水セメント比を大きくすると,分離しやすくなる。
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正解は(1)

【解説】
(1)×誤り。細骨材率を大きくすると,粗骨材を取り込むモルタル分が多くなるので,分離しにくくなります。
(2)○正しい。粗骨材の最大寸法を大きくすると,コンクリートの細骨材率が小さくなるので,粗骨材を取り込むモルタル分が少なくなり,分離しやすくなります。
(3)○正しい。細骨材中の粗粒分の割合を大きくすると,細粒分が少なくなり,分離しやすくなります。
(4)○正しい。水セメント比を大きくすると,セメントペーストの粘性が小さくなるので,分離しやすくなります。

【No.35】

1m3当たりのAE剤使用量を一定とした場合の,コンクリートへの空気連行性に関する次の一般的な記述のうち,不適当なものはどれか。
(1)単位セメント量が大きくなると,空気は連行されにくくなる。
(2)セメントの比表面積が大きくなると,空気は連行されにくくなる。
(3)細骨材率が大きくなると,空気は連行されにくくなる。
(4)細骨材中の0.15mm以下の微粒分量が多くなると,空気は連行されにくくなる。
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正解は(3)

【解説】
(1)○正しい。単位セメント量が大きくなると,コンクリートの粘性が高くなるので,空気は連行されにくくなります。
(2)○正しい。セメントの比表面積が大きくなると,コンクリートの粘性が高くなるので,空気は連行されにくくなります。
(3)×誤り。細骨材率が大きくなると,モルタル分が多くなるので,空気は連行しやすくなります。
(4)○正しい。細骨材中の0.15mm以下の微粒分量が多くなると,コンクリートの粘性が高くなるので,空気は連行されにくくなります。
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