【ジャンカ(豆板)】とは?コンクリートの粗骨材が分離したまま固まってしまう不具合

ジャンカ断面 診断士

ジャンカ(豆板)とは?

 ジャンカ(豆板)は、コンクリートの一部に粗骨材が集まってできた空隙の多い欠陥部分を言います。

ジャンカ断面

 ジャンカは、上の図のように、セメントペースト(セメント+水+空気)がコンクリートの骨材の周りにうまく回らず、粗骨材が露わになってしまう現象です。ジャンカは、コンクリートの断面欠損、中性化による鉄筋腐食の進行といった様々な不具合を生じさせます。
 ここでまずは、ジャンカが発生してしまう、主な要因をまとめます。施工中の締め固め管理が不十分である際にジャンカが発生することがわかります。

ジャンカの発生要因例

  • 打ち込むまでに時間が掛かり、コンクリートが凝固してしまい、ボソボソ状態で打設した
  • バイブレーターが入らず、充分に振動を与えることが出来なかった
  • 打設工の人員配置が少ないため、充填しにくい壁のたたきが不十分だった
 コンクリートの締め固めが不十分となった場合に、ジャンカが生じます。構造耐力・耐久性・美観に与える悪影響を考えると、ジャンカは絶対に起こしてはならない欠陥です。
 また、暑中コンクリート(日平均気温25℃超えのコンクリート打設)といった、コンクリートの凝結時間が早くなる打設環境において、ジャンカが発生する可能性が高くなります。JASS5には、凝結によるコンクリートの締め固め不足が生じないように、コンクリートの練り上がりから、打ち込みまでの時間の規定が示されています。
 ジャンカは、見た目からも「これは品質的に問題がある」とわかりやすい不具合です。では、見た目の他に、どのような不具合(品質劣化)が生じるのか、以下にまとめます。

ジャンカによるコンクリートの品質劣化

  • ジャンカ部の剥落
  • かぶり厚さ減少による強度不足
  • 耐久性の低下(鉄筋が中性化しやすくなる)
 次に、ジャンカを発生させないようにするために、施工上留意する点をまとめます。

ジャンカを発生させないために留意する点

  • 現場から近いプラントを使用し、運搬時間を短くする
  • バイブレーター掛け、たたきを十分に行い、締固めを十分に行う
  • 打込高さを1.5m以内とすることで、材料分離を起こさないようにする
  • ワーカビリティ(施工性)の高いコンクリートを使用する(スランプが大きいコンクリートなど)

打設計画時の注意点

 ジャンカを発生させないようにするためには、コンクリートプラントから、現場までの運搬時間を把握し、凝結が開始する前に十分に締固めを行うことがポイントになります。打設人数、打設速度、打設数量など、無理のない計画を立てることが重要です。
練り混ぜから打込までの時間
気温25℃以上 90分以内
気温25℃未満 120分以内

引用元:JASS5 コンクリート工事 7節 7.4 運搬

打設時のポイント

 筆者の経験上、ポンプ工の打設スピードが速すぎて、バイブレーター工のバイブレーター掛けが間に合わないといったことが起きないように、注意して打設管理しなければなりません。
 コンクリート打設は重労働であることに加え、凝結する前に打設しなければならないことや、最後のコンクリート押さえの時間まで非常に時間がかかるといった、なるべく早く打設を終わらせたいという考えが打設のスピードを加速させてしまいます。打設計画と実施を常に比較し、適切な打設速度を保つように管理する必要があります。
 表面の状態でバイブレーター掛けをしている箇所と掛けていない箇所が明確にわかる場合は管理がし易いですが、壁側面や、梁底などは打設時にタイムリーに管理しなければなりません。型枠を解体したらあらビックリ!なんてことがないようにしたいですね。
 コンクリートの受入検査で目を離したり、コンクリートの数量調整に気を取られて、バイブレーター掛けを見過ごしたなんてことも起こりやすいです。筆者の経験上、打設管理は3~4人で臨むことが望ましいですが、実際は・・・。

ジャンカを見た時の感想

 筆者が、はじめてジャンカを見たときは、見た目が気持ち悪いので、ゾワゾワした記憶があります。
 コンクリートの打設担当をしていると、最後の数量調整と同じくらい、型枠脱型の瞬間が緊張しますね。特に壁の型枠を脱型する時は、コンクリートの打設管理がどれだけうまくいったかを試されます。自らたたき棒を持ち、コンクリートがきちんと充填されているか確認することも非常に重要だと思います。
 以上、ジャンカについて、筆者の経験を踏まえながら記事を書いてみました!何かのお役に立てば幸いです。
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